人気の観光地、「箱根」。温泉街や大涌谷の噴気が有名ですが、標高1,000m級の山々に囲まれ、深い渓谷もあり、神奈川県唯一の湿原「仙石原湿原」や芦ノ湖など、狭い地域ながら非常に変化に富んだ環境が魅力です。
温泉街(人工物)・山帯・湿原・渓谷・湖と様々な環境があれば、そこに住まう鳥たちの様子も様々です。ホテルに巣を掛けるツバメ、夏山の使者コルリ、ヨシ原で懸命にさえずるホオアカ、渓谷の憧れの鳥ヤマセミ、漂うマガモやオオバンなど、場所によって違った表情を見せてくれる鳥たちを目当てにバードウォッチャーが集います。
神奈川県内のバードウォッチングスポットを集めた「神奈川県の探鳥地50選」では、箱根の「芦ノ湖周辺」「駒ヶ岳・神山」「仙石原周辺」の3つが選ばれています。今回はバードウォッチャーの多い上記の3コースを紹介します。
水鳥や周辺の林で羽を休める渡り鳥など、季節の変化に応じて入れ替わる鳥たちを楽しめるのが芦ノ湖周辺です。アカゲラやコゲラ、ホオジロ、シジュウカラ、トビ、カワウなどが観察しやすいです。最近では外来種のガビチョウとソウシチョウが増えて非常に目につきます。見知らぬ鳥の問い合わせはほとんどこの2種です。夏にはツバメやキビタキが、冬になるとオオバン、ホシハジロ、ヒドリガモ、キンクロハジロなどが目立ち、マガモやハジロカイツブリなどが沖合に漂っています。観察場所は、散策路が整備され起伏も少ない芦ノ湖東岸湖尻?箱根園間がおススメです。観察をしながら歩けば2時間程度のコースです。途中にある九頭龍の森は、芦ノ湖周辺の本来の自然を残す貴重な場所です。
メインとなるのは夏です。登り口ではヒガラやコガラ、アオゲラ、ゴジュウカラが観察でき、山中の森の中ではアオバトが、山頂手前ではコルリやコマドリのさえずりを聞く事が出来ます。姿を見るには、入り組んだ枝の隙間を丹念に探さなければなりません。駒ヶ岳の山頂ではアマツバメの群れやビンズイに出会えるかもしれません。箱根園から駒ヶ岳へはロープウェイが通っているので、手軽に夏山の鳥たちに会いに行けます。
芦ノ湖畔から早川沿いを歩き仙石原地区に出るこのコースは、特に鳥の種類が豊富なポイントです。ミソサザイやイカル、ヤマガラ、シジュウカラ、キジなどが観察しやすいでしょうか。コース途中にあるゴルフ場の高木にはホトトギス、クロツグミが鳴いています。カメラに収めるのは難しいところです。また、オオルリやセンダイムシクイ、セッカの声が聞こえるかもしれません。冬はシロハラ、カシラダカ、クロジ、ベニマシコ、アオジ、運が良ければミヤマホオジロに出会えます。カラ類が混群で動きまわるのもこの季節です。動き回る可愛い鳥たちに出会えるとつい動きを追ってしまいます。
散策中に耳を傾けると、色々な鳥たちの声が聞こえます。ちょこまか動く彼らの後を付けてみると、面白い出会いが待っているかもしれません。
(一財)自然公園財団 箱根支部 佐藤 翼
興味が湧きました。今度機会があれば行ってみたいです。
(2021.12.09)
今度鳥を見に行くかもしれません。
(2021.09.15)
真夏で、
バードウォッチングに行ってもあまり鳥を見かけないので野鳥がいるとわかって良かったです。
(2021.08.02)
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