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「国立公園Walker」バックナンバー

0612014.05.22UP箱根は隠れた鳥の楽園!?

山あり、谷あり、湖あり…

 人気の観光地、「箱根」。温泉街や大涌谷の噴気が有名ですが、標高1,000m級の山々に囲まれ、深い渓谷もあり、神奈川県唯一の湿原「仙石原湿原」や芦ノ湖など、狭い地域ながら非常に変化に富んだ環境が魅力です。
 温泉街(人工物)・山帯・湿原・渓谷・湖と様々な環境があれば、そこに住まう鳥たちの様子も様々です。ホテルに巣を掛けるツバメ、夏山の使者コルリ、ヨシ原で懸命にさえずるホオアカ、渓谷の憧れの鳥ヤマセミ、漂うマガモやオオバンなど、場所によって違った表情を見せてくれる鳥たちを目当てにバードウォッチャーが集います。
 神奈川県内のバードウォッチングスポットを集めた「神奈川県の探鳥地50選」では、箱根の「芦ノ湖周辺」「駒ヶ岳・神山」「仙石原周辺」の3つが選ばれています。今回はバードウォッチャーの多い上記の3コースを紹介します。

大涌谷
大涌谷

コルリ
コルリ

芦ノ湖周辺

芦ノ湖一周
芦ノ湖一周

 水鳥や周辺の林で羽を休める渡り鳥など、季節の変化に応じて入れ替わる鳥たちを楽しめるのが芦ノ湖周辺です。アカゲラやコゲラ、ホオジロ、シジュウカラ、トビ、カワウなどが観察しやすいです。最近では外来種のガビチョウとソウシチョウが増えて非常に目につきます。見知らぬ鳥の問い合わせはほとんどこの2種です。夏にはツバメやキビタキが、冬になるとオオバン、ホシハジロ、ヒドリガモ、キンクロハジロなどが目立ち、マガモやハジロカイツブリなどが沖合に漂っています。観察場所は、散策路が整備され起伏も少ない芦ノ湖東岸湖尻?箱根園間がおススメです。観察をしながら歩けば2時間程度のコースです。途中にある九頭龍の森は、芦ノ湖周辺の本来の自然を残す貴重な場所です。

ガビチョウ
ガビチョウ

ヒドリガモ
ヒドリガモ

駒ヶ岳・神山

神山・駒ヶ岳
神山・駒ヶ岳

 メインとなるのは夏です。登り口ではヒガラやコガラ、アオゲラ、ゴジュウカラが観察でき、山中の森の中ではアオバトが、山頂手前ではコルリやコマドリのさえずりを聞く事が出来ます。姿を見るには、入り組んだ枝の隙間を丹念に探さなければなりません。駒ヶ岳の山頂ではアマツバメの群れやビンズイに出会えるかもしれません。箱根園から駒ヶ岳へはロープウェイが通っているので、手軽に夏山の鳥たちに会いに行けます。

アオバト
アオバト

冠ヶ岳
冠ヶ岳

仙石原周辺

仙石原
仙石原

 芦ノ湖畔から早川沿いを歩き仙石原地区に出るこのコースは、特に鳥の種類が豊富なポイントです。ミソサザイやイカル、ヤマガラ、シジュウカラ、キジなどが観察しやすいでしょうか。コース途中にあるゴルフ場の高木にはホトトギス、クロツグミが鳴いています。カメラに収めるのは難しいところです。また、オオルリやセンダイムシクイ、セッカの声が聞こえるかもしれません。冬はシロハラ、カシラダカ、クロジ、ベニマシコ、アオジ、運が良ければミヤマホオジロに出会えます。カラ類が混群で動きまわるのもこの季節です。動き回る可愛い鳥たちに出会えるとつい動きを追ってしまいます。

イカル
イカル

オオルリ
オオルリ

 散策中に耳を傾けると、色々な鳥たちの声が聞こえます。ちょこまか動く彼らの後を付けてみると、面白い出会いが待っているかもしれません。

(一財)自然公園財団 箱根支部 佐藤 翼

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このレポートへの感想

興味が湧きました。今度機会があれば行ってみたいです。

(2021.12.09)

今度鳥を見に行くかもしれません。
(2021.09.15)

真夏で、
バードウォッチングに行ってもあまり鳥を見かけないので野鳥がいるとわかって良かったです。
(2021.08.02)

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  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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