草津温泉から北西に約10km、日本百名山として親しまれている草津白根山は、上信越高原国立公園を代表する山のひとつです。エメラルドグリーンに輝く白根山の火口湖・湯釜を訪れる人は、5月末から11月はじめのグリーンシーズンで60万人を超え、人気スポットとなっています。
その白根山の直下には、資料館「草津白根パークサービスセンター」があり、周辺へのハイキングルートの紹介も行っています。夏季の間、私たち自然公園財団草津支部はこの場所を活動の拠点とし、志賀草津高原道路が11月14日(月)に冬季閉鎖されたあとは、草津国際スキー場の天狗山ゲレンデ近くにある「草津天狗山ネイチャーセンター」に拠点を移します。冬季の間は、草津の森をスノーシューで歩く「冬の森ウォッチング」を行っています。
12月下旬頃から本格的に雪が降り積もると、秋に落ち葉の上を歩く散策とはまたひと味違う感覚を楽しめるスノーシュー体験ができます。やわらかい新雪の上を進む感触、動物の足跡、凍ったシャボン玉。夏では体験できないさまざまな自然に出会えます。
基本的にスノーシューは、雪の上をどこでも自由に歩けることが魅力のひとつです。
冬のイベントで使われるコースは、その時の天候や参加者の様子、案内するガイドの力量で変化します。そのうちのひとつ、常布の滝・香草展望台を目指すコースは、まる1日かかるやや健脚者向けです。天狗山ネイチャーセンターから谷沢橋を渡って少し先、左手に見える遊歩道が芳ヶ平へと続いています。
その昔、信州から草津へ湯治のために訪れる人の道路や、生活物資の運搬路として使われた街道です。明治時代は、当時のお金持ちが馬の背に乗り、芳ヶ平湿原まで遊山に出掛けたそうです。
展望台まであとわずかのところに、「蟻の門渡り(アリノトワタリ)」と呼ばれる場所があります。とても細い道で、両側は100mほど落ち込み、谷底には大沢川と谷沢川が流れています。ゆっくり前を向いて進みましょう。日本百名瀑のひとつ、常布の滝が見える香草展望台まではあと少しです。
眼前に開けた空間は「音楽の森」。この場所、夏季の間はゴルフ場なのです。まっさらな雪の上にダイブしてもよし、ウサギやカモシカ、テン、リスなどの足跡もよく見つかります。
冬の森を歩いていると、「熊だな」と呼ばれる不思議な光景が見られます。熊は、栗やドングリなどの木の実を食べるとき、折った枝を尻の下に敷いてく習性があります。木の枝分かれした部分に敷き詰められたこれらの枝がたまり寝床のように見えるのが、「熊だな」です。この季節は木々の葉が落ちて、熊だなには雪が積もるため、見つけやすくなります。
今年は万代鉱源泉方面の「やすらぎの森」と呼ばれる場所に、20以上もの熊だなが見つかりました。「草津道の駅」の裏手にある山です。たくさんのボランティアの手によって整備されていて、いろいろな場所に通じる作業道があります。
標高約1360mの「アンテナ広場」では、浅間山や榛名山、浅間隠し山などが展望できます。
歩ける道が多いため、さまざまなコースが選択できますが、大きくは石尊山方面と万代鉱方面に分けられます。どちらに行くかは当日判断となりますから、お楽しみに。
詳細については、自然公園財団のブログ、草津支部お知らせページより確認いただけます。
財団スペシャルガイドが案内し、団体の案内も行います。平日2人以上のスノーシューウォークもご相談いただければ、可能なかぎり対応します。
皆さんのご参加をお待ちしています。
(一財)自然公園財団 草津支部 佐野 恭平
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