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「国立公園Walker」バックナンバー

0632014.07.15UP霧降高原は今…

リニューアルした霧降高原「キスゲ平」

 日光東照宮など二社一寺の北に位置し、女峰山や赤薙山の中腹に広がる霧降高原のキスゲ平(栃木県日光市街北方)は、平成25年4月に新しく生まれ変わりました。冬のスキーと初夏のニッコウキスゲのシーズンに活躍し、長年愛されてきたリフトは、老朽化により平成22年度を最後に取り払われ、代わりに歩いてニッコウキスゲを楽しんでもらおうと「天空回廊」という名の1445段にもなる階段が新たに設置されました。天空回廊のスタート地点にはレストハウスと駐車場が整備され、訪れる人の休憩所兼情報収集の場となっています。

駐車場(手前左)天空回廊(中央)レストハウス(右)
駐車場(手前左)天空回廊(中央)レストハウス(右)

天空回廊

 新しいキスゲ平のシンボルとなった天空回廊は、直線距離で約750mあります。というとたいしたことはないようですが、新しいレストハウスがある標高約1,350mから小丸山山頂の1,585mまで伸びていて、標高差はなんと! 約240m。途中2回ほど気温が下がるのを感じるくらいです。また、階段の後半はほぼ直登! 中間付近にある避難小屋から見上げる階段ビューは圧巻!一見の価値があります。もちろん登り甲斐もあります。
 晴れれば、眼下の景色も最高です。関東平野が一望できますよ!さらに、空気が澄む冬の日や台風が去った後などは遠く東京スカイツリーや富士山、太平洋が見られます。
 上がる方はぜひ、終点の小丸山展望台に貼られた合言葉を覚えてきてください。下のレストハウスのカウンターでスタッフに伝えると登頂記念証を発行してくれます。毎月19日(天空の日)に合言葉と記念証のイラストが変わるので、ぜひ季節を変えて挑戦してみてください。4種類集めた方にはちょっとしたご褒美も準備しています。
 それでも階段はちょっと…と思った方はご安心を。階段を中心に遊歩道が整備されています。残念ながら、避難小屋の少し上までしかないのですが、花々を横目に見ながらのんびり散策されたい方にはお勧めです。
 散策される際は、忘れずに飲み物をお持ちください。平地に比べて標高が高い分涼しいのですが、木陰が少なく、太陽にも近いため晴れるとジリジリと暑いです。

小丸山展望台から見た富士山
小丸山展望台から見た富士山

登頂記念証
登頂記念証

キスゲシーズン到来!

ニッコウキスゲ見頃
ニッコウキスゲ見頃

 霧降高原といえば、ニッコウキスゲ。リフトに乗って眼下に眺めた経験のある人は多いのではないでしょうか。これからは、歩きながら間近に見られるわけですが、今年もこのシーズンがやってきました。5月から始まったツツジの開花リレーのバトンを受けて、6月中旬から咲き始めています。6月下旬から7月10日前後にかけて見頃を迎え、キスゲ平を黄色に染めます。詳しい開花状況は、日光市霧降高原キスゲ平園地のHPFacebookで確認してみてくださいね。期間中の土日は、とても混雑します。 昨年は、キスゲ平に近い駐車場3ヶ所が朝9時頃には満車になるほどでした。平日や時間帯をずらしていらっしゃれれば、ゆっくり自分のペースで見られると思います。
 霧降高原のニッコウキスゲは、最盛期には40万株あったと言われています。一時期シカの食害で激減しましたが、現在は24万株まで回復しています。昔に比べるとだいぶ少なくなったという声も聞かれますが、シカ防護柵の設置や地元の方々の定期的な補植により、今でも群生地として訪れる人の目を楽しませています。

魅力はニッコウキスゲだけではない!!

 ニッコウキスゲ以外の印象をあまり聞かないキスゲ平ですが、今まで話題に上らなかったのが不思議なくらいにたくさんの花々が春から秋にかけて咲き乱れます。ニッコウキスゲと一緒に見られるのは、糸のように繊細な白い花のカラマツソウです。ニッコウキスゲに負けないくらいたくさん咲いています。花以外にも草原性のチョウやアキアカネが花の上を舞う姿が見られます。ニッコウキスゲの見頃過ぎに来てしまってもそのまま帰らずにぜひ園内を散策してみてください。ピンク色のシモツケやシモツケソウ、クガイソウやコバギボウシ、ヨツバヒヨドリなど様々な色の花が咲き始めているはずです。

カラマツソウ
カラマツソウ

シモツケ
シモツケ

日光市霧降高原キスゲ平園地ルートマップ
日光市霧降高原キスゲ平園地ルートマップ

文:(一財)自然公園財団 本部業務課 田中 愛
写真提供:日光支部(霧降高原) 飯村 孝文

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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