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「国立公園Walker」バックナンバー

0622014.06.17UP『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ

新緑の奥日光・戦場ヶ原へようこそ

 標高が約1400mもある奥日光・戦場ヶ原では、ゴールデンウィークが終わる頃ようやく春の訪れを感じられるようになります。それまでは落葉して殺風景だった風景の中に、芽吹いたばかりのカラマツの緑が目立つようになり、少しピンクがかったオオヤマザクラが咲きはじめます。6月が近づいてくると、遊歩道沿いに並ぶズミのピンク色の蕾が膨らみはじめ、戦場ヶ原は少しずつにぎやかな季節になってきます。
 奥日光は、春夏秋冬で四季折々に素晴らしい魅力がありますが、やはり生き物たちが活発に活動を始めるこの季節は散策していても自然とワクワクする気持ちが湧いてくるものです。そこで今回は、気分も軽やかになる新緑の戦場ヶ原の見どころを紹介させていただきます。

ピンク色の蕾が美しいズミ
ピンク色の蕾が美しいズミ

満開になると白がきれいなズミの花
満開になると白がきれいなズミの花

ちょいとお得な季節

 新緑の中を歩くだけでも気持ち良いものですが、じつはこの時期の戦場ヶ原はほかの季節よりもちょっとお得な体験ができます。何がお得なのかというと…「いつもより観察できる野鳥の種類が多い」のです。
 日本三大探鳥地の一つに数えられている戦場ヶ原ですが、この時期は、これから旅立つ冬鳥とやっと到着したばかりの夏鳥をどちらも楽しむことができます。代表的な冬鳥としては、キレンジャク・ヒレンジャクなどが挙げられます。彼らは群れでいることが多く、集団で枝にとまって一生懸命に木の実を食べている様子がなんとも愛らしいものです。
 また、南方から渡ってくる夏鳥としては、オオジシギ・キビタキ・オオルリ などが挙げられます。特に、オオジシギは一度見たら忘れられないくらい印象に残る鳥です。別名である『雷シギ』の名のとおり、鳴きながら飛びまわり「バリバリバリ」と大きな音を立てながら急降下するディスプレイフライトをする姿は一見の価値があります。

お食事中のキレンジャク
お食事中のキレンジャク

雷シギの別名を持つオオジシギ
雷シギの別名を持つオオジシギ

にぎやかなのは野鳥だけじゃない!?

ガマ合戦の様子
ガマ合戦の様子

 暖かくなると、水辺の生き物たちも活発に動き始めます。
 その中で戦場ヶ原の春の風物詩としてはずすことができないのが、アズマヒキガエルたちの『ガマ合戦』です。湿原の中にできた池には、どこからともなく集まってきたヒキガエルたちがひしめき合います。最盛期には、踏んでしまいそうなくらいのヒキガエルたちが、パートナーを探し、交尾を行います。普段は静かな湿原が、短期間にとてもにぎやかになり、「合戦」と呼ぶのにふさわしい光景を見せてくれます。「戦場」ヶ原でのヒキガエルたちの「合戦」も、この時期にしか出会うことができません。

戦場ヶ原のオススメ散策プラン

 さて、新緑の奥日光・戦場ヶ原の見どころを紹介してきましたが、最後に私(みつ)のオススメする散策プランをご紹介させていただきます。
 清少納言の『枕草子』の冒頭に「春はあけぼの?」とありますが、新緑が芽吹き、春めいてきた奥日光を散策する際も、日の出頃からの行動がオススメです。頑張って早起きをしたら、戦場ヶ原・赤沼入口を出発し、自然研究路を抜けて、泉門池を目指します。散策コースとしてはスタンダードな自然研究路ですが、早朝に歩くとひんやりとした空気の中、霜柱が立っていたり、日によっては朝霧が薄くかかっていたりして日中とは違う雰囲気を楽しむことができます。また、早朝は鳥たちも活発に行動する時間帯なので、野鳥観察にも最適ですね。

 泉門池でひと休みしたら、湯川沿いに湯滝へ進み、湯ノ湖を横目に湯元温泉まで歩きます。
 所要時間は、自然散策をしながらゆっくり歩いて5時間ほど。朝6時に出発すると、ちょうどお昼前に到着できる計算になります。
 たくさん歩いたあと、風にあたりながら湯ノ湖の湖畔ベンチでお弁当を食べるのはとても気持ち良いでしょう。そのあと、歩いてすぐの日光湯元ビジターセンターへ立ち寄っていただければ、途中で出会った生き物たちのことを復習できますし、カウンターではスタッフから生き物に関する面白い話が聞けるかもしれません!?

 ぜひ、『今だけ』にたくさん出会える新緑の奥日光・戦場ヶ原へ遊びに来てくださいね。

運がいいと、フクロウと出会えることも…。
運がいいと、フクロウと出会えることも…。

戦場ヶ原のガイドマップ
戦場ヶ原のガイドマップ

(一財)自然公園財団 日光支部 「みつ」こと、緒方 光明

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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