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「国立公園Walker」バックナンバー

0202010.12.21UP冬の大沼国定公園

新日本三景に選定

駒ヶ岳と大沼湖
駒ヶ岳と大沼湖

 函館から国道5号線を北へ20数km、峠のトンネルを抜けると静かに水を湛(たた)えた湖と優美に裾野を広げた山、駒ケ岳(標高1,131m)が姿を現します。新日本三景の一つにも数えられる大沼国定公園です。
 これまでの火山活動によって形成された美しい姿をもつ活火山の駒ケ岳と、多くの小島と複雑な湖岸をもつ大沼湖・小沼湖・蓴菜沼(じゅんさいぬま)の三つの湖が織りなす景観。雄大な北海道の自然では稀な、箱庭的な造形の自然公園です。
 駒ケ岳は、平成10年の小噴火以降、入山が規制されていましたが、今年度、事前の届出などを条件に部分的に解除されました(来年度も引き続き部分解除が行われる予定です)。

冬は雪と氷の世界

冬の駒ヶ岳
冬の駒ヶ岳

 ブナやミズナラ、ヤマモミジやイタヤカエデといった広葉樹の紅葉も終わり、最後に残ったカラマツもその黄色の針葉を落とした頃、大沼国定公園に冬がやって来ます。10月の下旬から降っては融けてを繰り返した雪は、12月になると駒ケ岳を白いベールで包み、平地にも根雪(ねゆき)【1】が降り積もります。湖は少しずつ氷に閉ざされ、ワカサギ漁のため行き交っていた舟も陸に上げられます。
 北海道の南に位置する大沼国定公園ですが、厳冬期には朝の気温がマイナス20℃近くまで下がります。山々の木々は樹氷におおわれ、湖を閉ざした氷はやがて厚さ30cm以上にもなります。

白鳥の湖

白鳥飛来
白鳥飛来

 アカショウビンやオオルリ、キビタキといった夏鳥たちが南の越冬地へと渡っていった頃、遠くシベリアから冬の使者オオハクチョウが飛来します。大沼国定公園で冬を越す「越冬」組がやって来るのは、11月中旬頃からです。

 12月中旬、湖が凍ってワカサギ漁が終わった頃、越冬組の鳥たちは「白鳥台セバット【2】」と呼ばれる小沼湖の岸辺に集まります。オオハクチョウのほか、マガモ、キンクロハジロ、ホオジロガモ、オナガガモ、カワアイサなどの水鳥です。
 温泉水が流れ込むため冬でも凍らない湖の入り江などでは、雪の中にカワセミの姿を観察することもできます。雪解けの頃には、オオワシやオジロワシも飛来します。

ハクチョウやカモ類
白鳥台セバットと呼ばれる小沼岸辺に集まったハクチョウやカモ類

冬のマガモ
冬のマガモ

冬の楽しみ方

ワカサギ釣り
ワカサギ釣り

 冬の大沼国定公園の風物詩となっているのが、結氷した氷の上でのワカサギ釣りです。湖面に穴を開けて釣り糸を垂れると気分はすっかり太公望。釣竿や暖房具のレンタルも行っているので手ぶらで来ても楽しめます。

 スノーシューやテレマークスキーでの日暮山(標高303m)登山もおすすめです。凛とした冷たい空気の中、山頂から眺めるパノラマは最高。冬山には危険がつきものですので、プロのガイドと一緒のツアーをどうぞ。もちろん、近くのスキー場では、ゲレンデスキーも楽しめます。ダケカンバの林の中、パウダースノーを蹴散らしながら滑り降りると爽快です。
 12月には函館と大沼国定公園を往復するSL「クリスマスファンタジー号」も運行します。大沼国定公園の自然を満喫した後は、函館山の夜景やライトアップされたハリストス正教会など夜の函館・元町を散策するのもよいでしょう。

ONUMA MAP大沼・小沼 湖畔遊歩道
[左]ONUMA MAP [右]大沼・小沼 湖畔遊歩道
(クリックするとPDFファイルが開きます)


((財)自然公園財団 大沼支部 勝田 雄二)

用語説明

【1】根雪
春まで解けない雪のこと。
【2】白鳥台セバット
この辺りは大沼湖から小沼湖への水の流れがあり、冬でも湖面が凍結しません。

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
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  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
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  56. 056「八幡平 雪の世界」
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  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
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  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
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  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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