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「国立公園Walker」バックナンバー

0302011.10.11UP高千穂河原周辺情報

噴火を乗り越えて業務を再開

 平成23年1月26日、鹿児島・宮崎両県にまたがる霧島・新燃岳の噴火が活発化したことで、自然公園財団高千穂河原支部は一時業務を停止しておりました。やっと業務再開が決まり高千穂河原に戻ってきた私たちが見たのはすべてが灰色の世界でした。
 厚さ15cm程度に積もった駐車場の灰を職員総出で除去し、業務の一部を再開することができました。高千穂河原パークサービスセンターに展示してあるその時の写真パネルを見て、来訪者は驚きの表情を隠しません。
 いまも小規模な噴火活動が続いており、火口から3キロ圏内は立ち入りが規制されています。霧島の主峰である韓国岳、霊峰高千穂峰などへの登山もできません。ただ、近ごろは一面灰色だった風景に緑が現れ、自然は着実に元の姿に戻ろうとしています。私たちも一日も早く支部の業務が全面再開できる日を心待ちにしながら、準備をしています。

灰除去の様子
灰除去の様子

噴火から2日後の高千穂河原
噴火から2日後の高千穂河原

楽しく学べるビジターセンター

天の逆鉾のレプリカ
天の逆鉾のレプリカ

 高千穂河原には、霧島連山について楽しく学べる施設があります。
 「鳥のさえずり部屋」では、何種類かの鳥の声を聞くことができます。あなたが日々の生活で聞いている鳥の声の正体がわかるかもしれません。
 高千穂の峰にある「天の逆鉾」のレプリカや、霧島連山全体の模型などの展示もあります。
 楽しみが半減してしまうので詳しくは書きませんが、お子さんにもわかりやすく、楽しい施設です。

緑のトンネル高千穂河原路

県道480号線の木漏れ日
県道480号線の木漏れ日

 高千穂河原につながる県道480号線は、木々の間を縫う緑のトンネルになっています。樹木はアカマツやタブノキ、ヒメシャラなどが見られ、天気のよい日は木々の葉の間から差し込む光があたたかく、また湿度の高い日にはカーテン状に反射して見え、とても幻想的です。最近はニホンシカがよく現れ、運がよければ親子の可愛い姿を見ることもできるでしょう。

パワースポット?古宮址?

 パワースポットとして評判高い「古宮址(ふるみやあと)」は、高千穂河原パークサービスセンターから歩いて5分くらいの所にある霧島神宮の址地です。
 霧島神宮は、初め高千穂峰と御鉢(おはち)の間にありましたが、約1,400年前の火山噴火により神殿が焼失してしまいます。その後、高千穂峰の中腹にある地に再度遷座しましたが、そこも約1,000年前の噴火で焼失してしまいました。
 古宮址は、一見簡素に見えますが、独特の雰囲気があり、やはりその場に何か特別な力が満ちているような気がします。

 以上、高千穂河原の情報を紹介しました。
 他にも近くに探勝路や数多くの滝など素晴しいジオサイトがあり、秋には滝の水しぶきと紅葉が鮮やかなコントラストを描き出します。ぜひ一度、ご来訪ください。

紹介地図
紹介地図


注釈

 2011年9月20日現在、新燃岳噴火の影響により、紹介地図に記されている高千穂河原登山口からの立入は禁止となっています。

((一財)自然公園財団高千穂河原支部 ふれあい案内人 臼崎悟子)

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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