平成23年1月26日、鹿児島・宮崎両県にまたがる霧島・新燃岳の噴火が活発化したことで、自然公園財団高千穂河原支部は一時業務を停止しておりました。やっと業務再開が決まり高千穂河原に戻ってきた私たちが見たのはすべてが灰色の世界でした。
厚さ15cm程度に積もった駐車場の灰を職員総出で除去し、業務の一部を再開することができました。高千穂河原パークサービスセンターに展示してあるその時の写真パネルを見て、来訪者は驚きの表情を隠しません。
いまも小規模な噴火活動が続いており、火口から3キロ圏内は立ち入りが規制されています。霧島の主峰である韓国岳、霊峰高千穂峰などへの登山もできません。ただ、近ごろは一面灰色だった風景に緑が現れ、自然は着実に元の姿に戻ろうとしています。私たちも一日も早く支部の業務が全面再開できる日を心待ちにしながら、準備をしています。
高千穂河原には、霧島連山について楽しく学べる施設があります。
「鳥のさえずり部屋」では、何種類かの鳥の声を聞くことができます。あなたが日々の生活で聞いている鳥の声の正体がわかるかもしれません。
高千穂の峰にある「天の逆鉾」のレプリカや、霧島連山全体の模型などの展示もあります。
楽しみが半減してしまうので詳しくは書きませんが、お子さんにもわかりやすく、楽しい施設です。
高千穂河原につながる県道480号線は、木々の間を縫う緑のトンネルになっています。樹木はアカマツやタブノキ、ヒメシャラなどが見られ、天気のよい日は木々の葉の間から差し込む光があたたかく、また湿度の高い日にはカーテン状に反射して見え、とても幻想的です。最近はニホンシカがよく現れ、運がよければ親子の可愛い姿を見ることもできるでしょう。
パワースポットとして評判高い「古宮址(ふるみやあと)」は、高千穂河原パークサービスセンターから歩いて5分くらいの所にある霧島神宮の址地です。
霧島神宮は、初め高千穂峰と御鉢(おはち)の間にありましたが、約1,400年前の火山噴火により神殿が焼失してしまいます。その後、高千穂峰の中腹にある地に再度遷座しましたが、そこも約1,000年前の噴火で焼失してしまいました。
古宮址は、一見簡素に見えますが、独特の雰囲気があり、やはりその場に何か特別な力が満ちているような気がします。
以上、高千穂河原の情報を紹介しました。
他にも近くに探勝路や数多くの滝など素晴しいジオサイトがあり、秋には滝の水しぶきと紅葉が鮮やかなコントラストを描き出します。ぜひ一度、ご来訪ください。
2011年9月20日現在、新燃岳噴火の影響により、紹介地図に記されている高千穂河原登山口からの立入は禁止となっています。
((一財)自然公園財団高千穂河原支部 ふれあい案内人 臼崎悟子)
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