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「国立公園Walker」バックナンバー

0252011.05.24UP奥日光ののんびりスポット

5月の奥日光

歩道の新緑
歩道の新緑

 5月は、皆さんのお住まいの地域ではどんな季節でしょうか? 桜の季節は過ぎ、若葉がまぶしく輝いている頃でしょうか? それとも、一足も二足も速い夏の気配を感じておられるでしょうか?
 ここ奥日光の5月は、待ちに待った花の時期です。関東圏内にありながら積雪量が多く、冬は雪に覆われた純白の世界が広がるため雪解けは遅く、約1カ月遅れの春の訪れとなります。固く閉じていた冬芽たちも、暖かさにひかれてゆっくりと葉を開いてくる5月。上旬・中旬・下旬と変化が目まぐるしく、たった一ヶ月で土色の奥日光が新緑の淡い緑と花の鮮やかな色に染められます。

中禅寺湖

中禅寺湖
中禅寺湖

 そんな時期、皆さんにお勧めの場所は中禅寺湖の歌ヶ浜駐車場?阿世潟(あぜがた)までの往復コースです。
 中禅寺湖は周回約25キロの栃木県を代表する湖です。その歴史は古く、発見されたのは天応(てんおう)2年、西暦で言うと782年のこと。日光開山の祖、勝道上人(しょうどうしょうにん)が男体山の登頂に成功したとき、山の上から湖の存在を見つけたそうです。思いもよらない発見に勝道上人も驚かれたことでしょう。標高約1,400メートルの場所にあるため、夏は涼しく多くの方が避暑に訪れています。

トウゴクミツバツツジとシロヤシオ

 中禅寺湖のほとりにある歌ヶ浜駐車場から阿世潟までの往復コースは、新緑の中禅寺湖を楽しめる一番のスポットです。大きなアップダウンもなくしっかりと整備が行きとどいた歩道は、安心して歩くことができます。
 なかでも嬉しいのは、トウゴクミツバツツジやシロヤシオの花を楽しめることです。トウゴクミツバツツジ(東国三葉躑躅)は、3つの葉に濃いピンク色の花を咲かせます。シロヤシオは五葉躑躅(ゴヨウツツジ)とも呼ばれ、5枚の葉と同時に真っ白な花を咲かせます。
 トウゴクミツバツツジの開花は5月上旬から下旬。シロヤシオの開花は5月中旬から6月上旬です。トウゴクミツバツツジの開花後にシロヤシオが咲くのですが、時期が合うと2つの花を同時に楽しむことができます。

トウゴクミツバツツジ
トウゴクミツバツツジ

シロヤシオ
シロヤシオ

山の中の砂浜

白い砂浜
白い砂浜

 私が初めて中禅寺湖湖畔を歩いて驚いたのは、真っ白な砂浜があることです。山の中に海のような青い湖があるだけでも十分なのに、白い砂浜まで広がっています。そして正面には男体山の大きなシルエット。この夢のような景色をひとり占めできるのが今回のコースです。真っ青な空の下、毎日の喧噪を忘れてゆったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?ポイントは、「何もしない」です。ただそこに寝っ転がって太陽の暖かさと波の音を聴くだけ。それだけで、不思議なくらい癒されます
 疲れたあなたを、奥日光の大きな自然がすっぽりと包んでくれます。

 せっかくの休日。色鮮やかな奥日光で日ごろの疲れを癒してみてはいかがでしょうか?

中禅寺湖地図
中禅寺湖地図

(一般財団法人 自然公園財団日光支部 平澤 香世)

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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