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「国立公園Walker」バックナンバー

0342012.02.28UP冬の登別観光

地獄谷

 国内外から年間約300万人の観光客が訪れる登別温泉には、24の泉源があります。なかでも最大なのは地獄谷にある「大地獄」で、毎分約2千リットルの硫黄泉が湧き出しています。
 この地獄谷が登別温泉で一番の観光名所となっていて、冬でも多くの観光客で賑わっています。
 地獄谷で一番のおすすめは「鉄泉池(てっせんち)」の見学です。地獄谷展望台から遊歩道を進んでいくと木道が見えてきて、その先に木柵で囲まれた鉄泉池があります。鉄分を含んだ約80℃の温泉が4?5分間隔で間欠泉(一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉)として噴き上がるのを見ることができます。

冬の地獄谷
冬の地獄谷

冬の遊歩道
冬の遊歩道

日和山と大湯沼

冬の大湯沼と日和山
冬の大湯沼と日和山

 地獄谷のさらに先、大湯沼(おおゆぬま)・奥の湯方面は、冬の間は車道が通行止となるため遊歩道を歩いて行きます。自然公園財団登別支部のスタッフが遊歩道の雪を踏み固め、坂道には転倒防止用のロープを張って歩きやすくしてあります。また、パークサービスセンターで長靴の無料貸出しも行っています。
 雪景色の中、遊歩道を進んで行くと白煙を噴き出している日和山(ひよりやま)と湯煙を上げている大湯沼が視界に入ってきます。日和山は標高377メートルの溶岩ドームで、頂(いただき)部分の裂け目からジェット機のような轟音とともに白煙を上げています。昔、登別海岸の漁師がこの噴煙を見て天候を占ったことから「日和山」の名前がついたそうです。大湯沼は日和山の噴火口跡にできた深さ22メートル、周囲約1キロメートルの温泉をたたえた沼で、表面温度は40?50℃、最深部では130℃の熱湯を湧出しています。

奥の湯

冬の奥の湯
冬の奥の湯

 大湯沼から約100メートルのところに位置する奥の湯も、日和山の噴火口跡の一部で直径200メートルほど。中心のくぼみから灰黒色の温泉を湧出させています。表面温度は約80℃と高く湯煙で周囲が見えなくなることもあり、まるで煮えたぎる湯釜のようです。ここの温泉は、上登別温泉の旅館や登別温泉のホテル・旅館のほか、登別厚生年金病院でも使われています。

大正地獄と大湯沼川天然足湯

冬の足湯
冬の足湯

 大湯沼から約500メートルのところに大正地獄があります。灰黒色の湯をたたえたこの沼は、名前の通り大正時代にできました。直径は15メートル、湯の温度は80?100℃、泉質は鉄泉です。
 間欠泉の一種で10日ほどの周期で温泉湯量が増減し、湯の色も変化するのが特徴となっています。最近では湯泥が突発的に噴出することがあるので、注意が必要です。
 大正地獄から3?4分ほど大湯沼川に沿った遊歩道を行くと「天然足湯」スポットがあります。雪景色を見ながら足湯につかるのも、この季節ならではの体験です。
 冬の登別観光に、ぜひお越しください。

(一財)自然公園財団登別支部 澤 剛志

登別温泉てくてく散策MAP
登別温泉てくてく散策MAP(クリックするとPDFファイルが開きます)

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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