「秋のたのしみ」といえば紅葉。秋が深まるこの時期、浄土平はシーズン一番の賑わいとなります。
磐梯朝日国立公園・吾妻山(あづまやま)の紅葉は平年9月中旬から山頂付近で紅葉が始まり、10月下旬にかけて麓へと降りていきます。標高1,600mに位置する浄土平では9月末から10月上旬に紅葉の見ごろをむかえ、同時期にビジターセンターの隣に位置する浄土平湿原では草や低木の葉が紅葉する「草紅葉」も楽しめます。
さらに周辺には「魔女のひとみ」とも呼ばれる神秘的な五色沼(標高1,650m)、「鎌」の形に似た鎌沼(標高1,770m)、「水桶」の形に似た桶沼(標高1,600m)と3つの「沼」があり、それぞれ、趣きの違う風景がみられます。
特におすすめの場所が浄土平から湿原の木道を歩いて南へ約20分、吾妻小富士と相対する古い成層火山である「桶沼」です。火口は清冽な濃紺の水をたたえたすり鉢状になっており、直径は150m、水深は13m。浄土平レストハウスや吾妻小舎などの水源にもなっている沼で、桶の形に似ていることからこの名前がついています。
濃紺の水面に映る紅葉した木々の美しさはまさに「芸術」といえます。おもに紅葉するのはナナカマドやミネザクラ、コミネカエデなどで、黄葉するのはミネカエデやダケカンバなどです。
この秋の紅葉シーズンに合わせて、自然公園財団浄土平支部では登山イベント「山ガール入門登山2014 ?紅葉パラダイス! 一切経山、鎌沼を行く?」を主催しました。
今回は若手スタッフが中心となり企画、準備をした手作りイベントで、18名の山ガールの皆さんが浄土平?酸ヶ平?一切経山?鎌沼?姥ヶ原?浄土平を登山しました。ルート途中では「おやつタイム」もあり、参加者から好評でした。
今後も各スタッフの力を結集して、多彩なイベントを実施していきたいと思います。その際は皆様のご参加をお待ちしています。
浄土平での紅葉がピークを過ぎると、見ごろは磐梯吾妻スカイライン(全長28.8km)へと移ります。沿線で有名な紅葉スポットである吾妻八景「天狗の庭」付近(標高1,400m)、その後、つばくろ谷(標高1,200m)付近の紅葉と色づきが進んでいきますので、ドライブだけでも楽しむことができます。
歩く・登る・走る。さまざまなアプローチで紅葉が楽しめる、これも吾妻山・浄土平の魅力といえるのではないでしょうか、短くも華やかな山の秋を感じてください。
記事・写真:
一般財団法人自然公園財団 浄土平支部 菊地 靖博
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