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「国立公園Walker」バックナンバー

0142010.06.15UP新緑の中で足湯

湯の国・のぼりべつ

 北海道を代表する登別温泉は、JR登別駅から北方へ約8キロメートル入った海抜約200メートルのあたりに位置しており、周囲を山々に囲まれた自然豊かな温泉地です。登別温泉の最大の魅力は、豊富な湯量と多彩な泉質で、全国の温泉ランキングでも常に上位に位置する人気温泉です。最大の泉源は環境省の「かおり風景百選」に選ばれ、北海道遺産にも指定されている“地獄谷”で毎分約3,000リットルもの温泉が湧き出しています。温泉街全体で自然に噴出する湯量は1日約1万トンにもなります。
 地獄谷入口には平成20年に、間欠泉(一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉)をメインに整備された泉源公園がオープンしました。この間欠泉は3?4時間間隔で湯を噴き上げ、その高さは8メートルに達します。1回の噴出量は約2,000リットルで迫力いっぱいの眺めが楽しめます。

温泉街(夏)の様子
温泉街(夏)の様子

平成20年に整備された泉源公園
平成20年に整備された泉源公園

自然探勝路

地獄谷の入口にある登別パークサービスセンター。地獄谷周辺の自然情報などが揃っています。散策する前にぜひ立ち寄ってみてください。
地獄谷の入口にある登別パークサービスセンター。地獄谷周辺の自然情報などが揃っています。散策する前にぜひ立ち寄ってみてください。

 地獄谷から大湯沼方面には、豊かな森の中を縫うようにいくつかの自然探勝路があります。ふつふつと熱湯がたぎり硫気を噴き上げる地獄谷、灰黒色の熱湯をたたえた大湯沼や奥の湯、間欠泉の大正地獄など、火山地形独特の見どころが満載です。

 硫気や酸性土壌の影響で生育する植物の種類が限られており、特殊な植物社会を構成している様子も見られます。
 また、ミズナラやホウノキの巨木がうっそうと生い茂る天然記念物の登別原始林には、約60種類の樹木や110種の草木、さらにはガンコウランなどの高山植物も広がっており、探勝路から四季折々の景観を楽しめるのが魅力です。

豊かな森を縫うように整備されている自然探勝路
豊かな森を縫うように整備されている自然探勝路

地獄谷の木道
地獄谷の木道

天然足湯

 地獄谷から大湯沼、そして大正地獄から大湯沼川に沿った探勝路を進むと、野趣あふれる天然の足湯スポットが見えてきます。大湯沼から溢れ出した温泉が大湯沼川となり、流出するうちに外気で冷やされて適温となったこの場所には、風倒木を利用した素朴な椅子があり、のんびりと腰掛けて湯に足を浸せば、百パーセント自然のままの温泉が散策の疲れを取ってくれます。周囲はうっそうとした登別原始林。風の音や鳥の声を聞きながら、森林浴と温泉が一度に楽しめる癒しのスポットです。

天然の足湯スポット。風倒木を利用した素朴なイスに座って癒しの一時を…
天然の足湯スポット。風倒木を利用した素朴なイスに座って癒しの一時を…

 この大湯沼川の温泉は、足湯以外に利用されておらず、掛流しの光景に観光客から、思わず“もったいない”の一言が。豊富な湯量を誇る登別温泉ならではの天然足湯です。

 6月は新緑の季節です。ぜひ一度、大自然の中の天然足湯で心と体を癒しませんか。

登別温泉散策地図
登別温泉散策地図(クリックするとPDFファイルが開きます)


((財)自然公園財団登別支部  澤 剛志)

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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