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「国立公園Walker」バックナンバー

0072009.12.01UPみちのくのリゾートで湯治

みちのくの国立公園・八幡平地域

紅葉で色づく、ふけの湯温泉
紅葉で色づく、ふけの湯温泉

 十和田八幡平国立公園の南部に位置する八幡平(はちまんたい)は、秋田県と岩手県の県境にあります。八幡平地域は、奥羽山脈に連なる3つの秀峰 ―八幡平、岩手山、秋田駒ケ岳― を含む広範なエリアで、「ブナとアオモリトドマツの森」、「湿原と高山植物」、「火山景観」を特徴としています。
 この地域の魅力は、3秀峰の山麓に温泉地が点在し、そこを拠点として、湯浴をしながら、ハイキングから本格的な登山までさまざまな自然体験を楽しめることです。今回は八幡平地域北部・八幡平山麓周辺での自然探勝、温泉リゾートをご紹介します。

火山現象を観察

ぼこぼこ沸き立つ泥火山
ぼこぼこ沸き立つ泥火山

 八幡平は「日本のイエローストーン(注)」と形容されることもあり、さまざまな火山現象が見所のひとつです。現在活動中の火山だけでなく、過去の活動で形成された火口湖など、ふと目にする景色・地形が火山活動と関係しています。
 標高約1000mにある後生掛(ごしょがけ)温泉の南には、「後生掛自然研究路」がありますが、歩いていると「泥火山」とよばれる泥の高まりが見えてきます。火山といっても、マグマが噴出するわけではなく、噴気によって泥がボコッボコッと吹きあがり、円錐形に積み上げられたものです。吹き出し口の温度は90度近くの高温、周囲には硫黄の独特な香りが漂っており、地球が生きていることを実感させられます。しかし、そのたたずまいはミニチュアの火山模型のようで、迫力があるというよりもユーモラスです。
 泥火山現象は各地の温泉地で見られる現象ですが、八幡平の泥火山は国内随一の規模といわれているので、是非一度ご覧ください。後生掛温泉には源泉に含まれる鉱泥を湯船の底に沈殿させた「泥湯」もあります。泥を肌に塗ると美肌効果があるといわれているので、あわせて体験してみるのもよいかもしれません。

岩盤浴体験 ?大地の熱でポカポカ?

玉川温泉で岩盤浴
玉川温泉で岩盤浴

 八幡平山麓の温泉浴で特徴的なのは、地熱を利用したオンドル式温浴です。オンドルは地熱であたためられた地面にムシロやゴザを敷いて寝そべって湯治する蒸し風呂の一種。横になって数分もすると、大地の熱で体全体が暖かさに包まれます。入浴とは異なる暖かさ、温浴後の体の軽さは一度体験してみないとわからない心地よさです。八幡平では、後生掛温泉、大深温泉、銭川温泉などいくつかの温泉でオンドル宿舎に泊まることができます。また、強酸性の湯で知られる玉川温泉では露天オンドル(岩盤浴)を日帰りで体験することができます。
 玉川温泉に隣接する大噴気孔原。火山性ガスが噴き出す自然研究路を歩くと全国から集まった岩盤浴ファンがところ狭しと寝転がっている光景が目に入ってきます。10人ほどが入る屋根付テント、ゴツゴツした岩盤、お湯が流れる川原のような場所、すべてが誰でも自由に利用できる岩盤浴スペースで、それぞれ湿度や温度が異なります。人気の場所は混み合うので、マナー・順番を守りながら気に入った場所を探してみてください。一回の温浴時間は長くて30?40分、長すぎると体に負担がかかるようです。豊かなブナの森が生み出す新鮮な空気に癒されながら、大地の熱を体感してみてください。

八幡平山麓の温泉MAP
八幡平山麓の温泉MAP(クリックするとPDFファイルが開きます)


((財)自然公園財団八幡平支部 馬越 尚夫)

(注)イエローストーン
アメリカ合衆国の国立公園。北アメリカ大陸最大の火山地帯にあり、間欠泉や温泉、さまざまな火山現象が見られる。世界最古の国立公園としても知られている。

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バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史?自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

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