メインコンテンツ ここから

「国立公園Walker」バックナンバー

0082009.12.22UP高千穂峰のご来光

霊峰高千穂峰

 高千穂峰(標高1574m)は、九州南部にある霧島屋久国立公園・霧島地域の南部に位置します。韓国岳(からくにだけ)に次いで標高が高く、東部に御池、西部にお鉢(火口)を従え、この国立公園の中で最も山容の美しい山です。山頂には天の逆鉾(注)が天空を望み、太古より山岳信仰の地として参拝者も多く、比較的登頂しやすいので、四季を通して登山客が多いことでも知られています。

坂本龍馬が新婚旅行で登った山

山容が美しい高千穂峰とお鉢
山容が美しい高千穂峰とお鉢

 1886年に、坂本龍馬が妻のおりょうさんと新婚旅行で高千穂峰に登った紀行が残っています。それには、「お鉢の登り道がきびしく泣きそうになった」とか「馬の背では恐ろしくて手をとり合った」、山頂にある「天の逆鉾を二人で引っこ抜いた」などと記されていて、二人の人間味あふれる行動が思い浮かぶ、歴史とロマンの山でもあります。

高千穂峰で初日の出 ~まずは高千穂河原で時間調整

登山基地・高千穂河原
登山基地・高千穂河原

 除夜の鐘が鳴り始めるころ、冷え込みの厳しい山麓のお社には、どこから集まってきたのかと思うほどの人波があふれかえります。参拝をすませて登山基地・高千穂河原へと車で移動し、ご来光の時間に合わせて登頂まで自家用車の中で時間の調整を行います。山道のところどころには闇夜を照らす照明灯が配置されて来訪者を迎えているのが、遠目からもみてとれます。

いざ登頂

四十分余りでお鉢の縁に着く、ここで一息
四十分余りでお鉢の縁に着く、ここで一息

 新年の祈願で天候の安泰までお願いしたので急激な変化はなさそうです。うす雲に星が見え隠れして、山に向かう足取りも何となく快く感じられます。
 高千穂河原を登り始めてから1時間半余りで登頂となります。真冬の登頂では、夏場の軽装とは異なり、防寒対策と登山にふさわしい装備はどうしても必要です。登山基地から石畳の歩道を20分程登ると、溶岩の風化がすすんだ赤茶けたガレ場が始まります。足場を確保しながら一歩一歩登ると40分余りでお鉢の縁に着き、ここで一息いれることができます。この斜面からは高千穂河原駐車場周辺を眺めることができ、闇夜に登山者が灯す明かりが延々と連なる様は神秘的で、高千穂河原の新春の風物詩でもあります。
 お鉢の馬の背越えと呼ばれる狭隘(きょうあい)な場所では、火口へ引き込まれるような恐怖感を強く感じます。闇間では火口が見えないので恐ろしさは薄れますが、風雨の強い日は慎重な歩行が必要です。この地点を過ぎると高千穂峰とお鉢の鞍部になります。遠い昔、お宮が祀られていたとのことで小さな祠と鳥居が復元されています。ここで登頂の安全祈願を済ませ、ご来光の時間を調整しながら山頂まで一気に登ることになります。

素晴らしいご来光

山頂からのご来光
山頂からのご来光

 いよいよ天孫降臨の山、高千穂峰の頂上です。身を刺すような寒さですが、さえぎるもののない360度の大パノラマ。
 薄暗い中にふんわりとした雲海が次第に明るくなり、素晴らしいご来光が始まります。思わず万歳をする者、静かに合掌する者、熱心に写真を撮る者、三者三様ですがご来光に祈願したみんなの願いは天空まで届けられるような気がします。

周辺地図
周辺地図(クリックするとPDFファイルが開きます)


((財)自然公園財団 えびの・高千穂河原支部 所長 満田宗雄)

天の逆鉾にかかるご来光
天の逆鉾にかかるご来光

(注)天の逆鉾(あまのさかほこ)
高千穂峰山頂にある神代の旧物。
天孫「ニニギノミコト」が降臨に際して地面に突き立てたとされる鉾。

なお「天孫」とは、天照大神(アマテラスオオノカミ)の孫に当たる「ニニギノミコト」のことで、山麓にある霧島神宮ではご神体として祀られている。

このレポートは役に立ちましたか?→

役に立った

役に立った:2

このレポートへの感想をお送りください。
投稿いただいた感想は事務局チェック後に掲載されます。

ニックネーム
感想
 
送信する入力内容クリア
国立公園Walker

「国立公園Walker」トップページ

エコレポ「国立公園Walker」へリンクの際はぜひこちらのバナーをご利用ください。

リンクURL:
http://econavi.eic.or.jp/ecorepo/go/series/8

バックナンバー

  1. 001「新緑の上高地」 -花々との競演-
  2. 002「白色に染まる栂平(つがだいら)」
  3. 003「釧路川をカヌーで下る」
  4. 004「美笛の滝を訪ねる」
  5. 005「小田代原の草紅葉」
  6. 006「草津白根の秋」
  7. 007「みちのくのリゾートで湯治」
  8. 008「高千穂峰のご来光」
  9. 009「冬の瞰湖台(かんこだい)を歩く」
  10. 010「知床の流氷」
  11. 011「箱根仙石原 ススキ草原を守る野焼き」
  12. 012「迫力満点の鳴門の渦潮を見る」
  13. 013「宮崎・えびの高原のミヤマキリシマ」
  14. 014「新緑の中で足湯」
  15. 015「大山の高山植物群落を訪ねる」
  16. 016「洞爺湖有珠山ジオパークの魅力」
  17. 017「秋の砂丘をゆく」
  18. 018「秋の雲仙」
  19. 019「川湯のハイマツ」
  20. 020「冬の大沼国定公園」
  21. 021「阿寒湖氷上のスノーシュー散策」
  22. 022「阿蘇の野焼き」
  23. 023「吾妻の春を告げる雪うさぎ」
  24. 024「青い水がめ・支笏湖(しこつこ)」
  25. 025「奥日光ののんびりスポット」
  26. 026「仙石原湿原の初夏」
  27. 027「雲海と夕景と朝日・夏の十和田湖」
  28. 028「知床五湖・転換期のメッセージ」
  29. 029「秋の鳴門」
  30. 030「高千穂河原周辺情報」
  31. 031「上高地の野鳥」
  32. 032「草津の森をスノーシューで歩く」
  33. 033「新燃岳噴火を乗り越えて…冬のえびの高原」
  34. 034「冬の登別観光」
  35. 035「歩いて楽しむ雪の八幡平」
  36. 036「春遠し 摩周湖」
  37. 037「鳥取砂丘の地形・地質を楽しもう!」
  38. 038「カルデラ地形を望む 阿寒岳の登山!」
  39. 039「大沼国定公園のもう一つの魅力」
  40. 040「浄土平でスターウォッチング」
  41. 041「ジオパークを目指す箱根」
  42. 042「大山(だいせん)のお楽しみ」
  43. 043「秋の阿蘇草原」
  44. 044「支笏湖が創る芸術作品「しぶき氷」」
  45. 045「奥日光で「雪」を楽しむ!」
  46. 046「冬のTOYA(洞爺)」
  47. 047「雲仙の春」
  48. 048「春の大沼国定公園の楽しみ方」
  49. 049「阿蘇の草原とあか牛」
  50. 050「火山×ミヤマキリシマ in 高千穂河原」
  51. 051「阿寒カルデラで楽しいのって、いつなの?  今でし…!? いいえ通年です」
  52. 052「白根山でリンドウを楽しもう。」
  53. 053「上高地、色彩の秋から初冬へ」
  54. 054「見どころ溢れる秋の十和田湖」
  55. 055「知床五湖の原生林と開拓の歴史~自然保護の歩み」
  56. 056「八幡平 雪の世界」
  57. 057「冬こそ!砂丘へ行こう!」
  58. 058「雄大な鳴門海峡の自然現象」
  59. 059「大山の森を巡って」
  60. 060「「南北海道国立・国定公園巡りスタンプラリー」にご参加を。」
  61. 061「箱根は隠れた鳥の楽園!?」
  62. 062「『今だけ』がいっぱい!戦場ヶ原ハイキングのススメ」
  63. 063「霧降高原は今…」
  64. 064「晩夏の普賢岳新登山道を歩く」
  65. 065「洞爺湖有珠山ジオパークのサイト維持活動」 -旧とうやこ幼稚園の価値を、自分たちで守ろう!-
  66. 066「秋の浄土平」
  67. 067「阿寒国立公園指定80周年」
  68. 068「高千穂河原からの便り」
  69. 069「上高地の開山準備」

前のページへ戻る

【PR】

 

ログイン

ゲストさん、

[新規登録] [パスワードを確認]

エコナビアクションメニュー

【PR】

  • 東京環境工科専門学校 コラム連載中!

ご意見・ご感想はこちら

【PR】