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「地域の健康診断」バックナンバー

0362019.10.29UPおいしい田舎「のどか牧場」

世界一「生卵」の美味しい国

 炊きたてのご飯に生卵を落としていただく「卵かけご飯」。
 そんな新鮮な生卵を食べられるのは世界でも日本だけです。全国でも各地で、この生卵が食べられるレストランが増えてきました。
 山の上の養鶏場で、ほんの数席しかない直売所から始まった熊本の「コッコファーム」は、国道沿線上に大きな道の駅「たまご庵」をつくり、たくさんのお客様を相手にするようになりました。
 鳥取県八頭町の「大江の郷自然牧場」は、代表が自然卵を鳥取市内で手売りしていたところから、現在は「ココガーデン」をつくって県内外からお客様が押し寄せる八頭町の観光の各施設になっています。

 どちらも餌からこだわる平飼い自然卵で、とにかく美味しいところが売りで、通信販売でさらに全国のファンを獲得しています。
 長野県中川村には、採卵鶏農家の農家民宿・農家レストラン「一志」がお奨めです。
 他の地域でも大小の採卵鶏農家が美味しくて新鮮な卵を生産しており、「卵かけご飯」用の醤油もそれぞれで開発しており、日本は本当に世界一「生卵」の美味しい国となっています。

さまざまな醤油までオリジナルのどか牧場直営「たまご屋キッチン」

のどか牧場直営「たまご屋キッチン」外観

のどか牧場直営「たまご屋キッチン」外観

 のどか牧場直営「たまご屋キッチン」は、長野県長和町の国道152号線沿いにあります。始めたばかりは普通に車で移動していると見逃してしまう店舗で、駐車場もほとんどありませんでした。現在は店舗裏に駐車場を拡張したことで寄りやすくなっています。店は太平洋戦争時に疎開した人のために建てられた民家の離れを改装したもので、縁側らしきところが出入り口となっています。初めて訪問したときは「入り口はどこ?」と探したものです。


ここが玄関

ここが玄関

店舗内部

店舗内部


 この「たまご屋キッチン」は、「のどか牧場」オーナーの内田良一氏が始めた、たまご料理専門店で、全て自家製の卵を使用した料理を食べることができます。
 「のどか牧場」では現在(2019年8月時点)、ひよこ200羽、採卵鶏200羽を飼育しており、オーナーは早朝に卵集めから世話をしたのち、店にやってきて、ランチの準備を始めるという忙しい生活を送っています。

烏骨鶏、黒・翡翠鶏、ネラ、星野ブラック、アローカナかなり個性的な卵たち

烏骨鶏、黒・翡翠鶏、ネラ、星野ブラック、アローカナかなり個性的な卵たち

 その卵は烏骨鶏に黒・翡翠鶏、ネラ、星野ブラック、アローカナなどかなり個性的な卵たちが籠に山盛りで置かれており、当然一押しは500円で、ご飯も卵もおかわりし放題の「たまごかけご飯定食」です。ポストハーベスト不使用の国産飼料100%、棚田の放し飼い飼育で生産された卵は、黄身が箸でつまめるほしの濃さ。これを食べ放題なんて夢のような店です。


白味噌のたまり、煎り酒、田舎醤油とオーナーが「良いものしか置かない」とこだわりの店オリジナル醤油たち

白味噌のたまり、煎り酒、田舎醤油とオーナーが「良いものしか置かない」とこだわりの店オリジナル醤油たち

 さらにすごいのが調味料と味噌汁。単なる醤油ではなく、白味噌のたまり、煎り酒、田舎醤油とオーナーが「良いものしか置かない」とこだわりの店オリジナルが並び、迷ってしまいます。味噌汁の味噌もオーナー手作りで、旬の野菜が具だくさんで信州の「お袋の味噌汁」といったところです。

 もうひとつのお奨めが「こだわりの親子丼」。作り方も妥協を許さない完全オリジナルで、丼の鶏肉は焼き鳥かと思える仕上がりです。さらに旨いお奨めに、オムライスやサイドメニューでは「だし巻き」「目玉焼き」など、とにかく卵を活かした料理が素晴らしく、子どもたちに大人気の料理で、ランチ時間ともなると、席には男性客か家族連れで満席、外に行列ができます。

究極の親子丼

究極の親子丼

 内田さんは2007年、出身地の長和町の農地荒廃や農家の減少に危機感を感じ、サラリーマンから長久保地籍で約10aの棚田を養鶏場とする採卵鶏農家に転身しました。  「大手スーパーに卸す量産型の養鶏は、設備投資が大きい割には単価が安い」と、付加価値の高い有精卵を自然養鶏で取る道を選びました。  今はフランチャイズの店舗展開が夢と言います。


オーナー内田良一氏

オーナー内田良一氏

 小さくても頑張って生産から料理提供する全国の農家の皆さんとの出会いは、いつも感動します。


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バックナンバー

  1. 001「地域を元気にする=観光地化ではない」
  2. 002「地域を元気にする=一村一品開発すればいいわけではない」
  3. 003「地域を元気にする=自ら考え行動する」
  4. 004「縦割りに横串を差す」
  5. 005「集落の元気を生産する「萩の会」」
  6. 006「小学生が地域を育んだ」 -広島県庄原市比和町三河内地区-
  7. 007「山古志に帰ろう!」
  8. 008「暮らしと産業から思考する軍艦島」
  9. 009「休校・廃校を活用する(1)」
  10. 010「休校・廃校を活用する(2)」
  11. 011「アートで地域を元気にする」
  12. 012「3.11被災地のまちではじまった協働の復興プロジェクト」
  13. 013「上勝町と馬路村を足して2で割った古座川町」
  14. 014「儲かる農業に変えることは大切だが、儲けのために農家が犠牲になるのは本末転倒」
  15. 015「持続する過疎山村」
  16. 016「したたかに生きる漁村」
  17. 017「飯田城下に地域人力車が走る」 -リニア沿線の人力車ネットワークをめざして-
  18. 018「コミュニティカフェの重要性」
  19. 019「伝統野菜の復興で地域づくり」 -プロジェクト粟の挑戦-
  20. 020「地元学から地域経営へ 浜田市弥栄町の農村経営」
  21. 021「持続する『ふるさと』をめざした地域の創出に向けて」
  22. 022「伊勢木綿は産業として残す」
  23. 023「北海道最古のリンゴ「緋の衣」」
  24. 024「風土(フード)ツーリズム」
  25. 025「ゆきわり草ヒストリー」
  26. 026「活かして守ろう 日本の伝統技術」
  27. 027「若い世代の帰島や移住が進む南北約160kmの長い村」 -東シナ海に浮かぶ吐喝喇(トカラ)列島(鹿児島県鹿児島郡十島村)-
  28. 028「徹底した子どもへの教育・子育て支援で過疎化の危機的状況を回避(高知県土佐町)」
  29. 029「農泊を再考する」
  30. 030「真鯛養殖日本一の愛媛県の中核を担う、宇和島の鯛(愛媛県宇和島市遊子水荷浦)」
  31. 031「一人の覚悟で村が変わる」 -京都府唯一の村、南山城村-
  32. 032「遊休資産が素敵に生まれ変わる」
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  34. 034「日本のアマルフィの石垣景観を守る取り組み」 -愛媛県伊予町-
  35. 035「アニメ・ツーリズム」
  36. 036「おいしい田舎「のどか牧場」」
  37. 037「インバウンドの苦悩」
  38. 038「コロナ禍後の未来(1)」
  39. 039「コロナ禍後の未来(2)」
  40. 040「MaaSがもたらす未来」
  41. 041「二人の未来は続いてゆく」 -今治市大三島-
  42. 042「ワーケーションは地域を救えるか」
  43. 043「アフター・コロナの処方箋は地域のダイエット」
  44. 044「ヒトを呼ぶパワー(前編)」
  45. 045「ヒトを呼ぶパワー(後編)」
  46. 046「地域の価値創造」 -サスティナブル・ツーリズム-
  47. 047「廃校活用の未来」
  48. 048「小田原なりわいツーリズム」
  49. 049「地産地消エネルギーで地域自立する」
  50. 050「地域丸ごと地球の学び舎」
  51. 051「廃校活用の可能性と持続可能な社会への貢献(1)」
  52. 052「廃校活用の可能性と持続可能な社会への貢献(2)」
  53. 053「夢にチャレンジできるまち、実現できるまち」
  54. 054「新たな福祉コミュニティ」
  55. 055「「食料・農業・農村基本法」の改正は食料安全保障の強化!?」

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