世界遺産や世界ジオパークの登録認定をきっかけに、地域をブランド化し観光誘致しようという動きがたくさんあります。現在、世界遺産登録を目指して活動しているのは富士山や鎌倉、そして南アルプスなどがあります。世界ジオパークには、北海道の有珠山や糸魚川、雲仙普賢岳のある島原が認定されています。
直近では、東洋のガラパゴス「小笠原諸島」の自然遺産と「奥州平泉」の文化遺産登録がありました。これで地域は元気になると地元では大喜びです。
けれども、前回登録された石見銀山は、認定されると一気に観光客が増加しましたが、その反面で排気ガスや交通の負荷、ゴミ問題など環境悪化のマイナス面も噴出。さらに2年後には観光客が激減して祭りの後の様相となりました。
過去に認定となった各地でも同様の傾向がみられます。もちろんすべてがそうなるとは限りませんが、保護すべきであるはずのものが資源を切り売りする観光経済に翻弄された結果、さまざまな環境負荷や保護活動に支障をきたす状況にあるのです。
日本のチロルと言われる長野県飯田市上村の「下栗の里」。2010年に行われた信州デスティネーション・キャンペーン「信州の未知」で、1位に選ばれた山岳の集落です。
スタジオジブリ作品「チューずもう」や「千と千尋の神隠し」のイメージにもなっている下栗の里は、南アルプスが目前に拡がる標高1100mにあり、最大斜度38度の傾斜地に60数世帯、150人ほどが自然と共生しています。
過酷な急傾斜地の中に点在する家々は、谷側に石垣を積み山側にへばりつく構造で奥行きがない横長の建築で、屋根は板葺きに石ころを置き、裏手は泥水を避ける為に"ネコビサシ"と呼ばれる庇(ひさし)を付けています。天に向かって耕す畑では、蕎麦やトウモロコシ、原産地アンデスのDNAを保持した二度芋というメイクイーン系のジャガイモが栽培されています。
ある時、観光で大型バスが進入してしまい、途中で立ち往生する事態が起きました。写真の通りの場所ですから、常識で考えれば大型バスを乗り付けるなど問題外なのですが、旅行エージェントは現地の確認をせずにツアーを仕立て、住民の交通や生活に迷惑をかけたのです。
生活環境を脅かす観光振興は、決して地域住民の利益にはなりません。日本人の旅行スタイルは、かつての大型観光地詣でから無名の田舎旅にシフトしていますが、地域には地域の、受入できる限界があります。やみくもに人気観光地にしよう、道路も拡げよう、観光施設を作ろうとすれば、折角の優良資源を破壊しかねません。次世代に良質な日本を継承するために、地域のあり方を地域で再度問い直すことが大切ではないでしょうか。
行政や商工会議所が主体で短絡的に考えがちなのが大型の祭りイベント。派手なことをやれば客がいっぱい来てくれるのでは、というわけですね。ところが結果として、住民の暮らし環境を阻害することが多々あるのです。イベントは麻薬と同じで、始めると止めることが恐怖となります。「止めれば客が来なくなる、もうあの地域は駄目だと言われたくない」という妄想が頭によぎるのです。
たしかに地域を元気にする手段のひとつであり、すべてを否定しませんが、安易な考えが多く持続可能な地域づくりとしての戦略目標が欠如していることが多いのが特徴です。江戸時代に各地で始まった祭りは、移封(国替え)された大名が赴任先の人心を纏(まと)めるために奨励した祭りで、時の為政者には効果絶大でした。現代の客寄せのための祭りイベントは、本当に住民の幸せに繋がっているかを検証しなければいけませんね。
地域を元気にすることは、住民が健康で楽しく暮らす社会づくりであり、住み続けたい地域、子どもや孫が暮らし続けられる良い環境を整えることだと思います。
「地域を元気にする=観光地化ではない」
ということで、
小水力発電設備の設置を提唱します。
それが地域no持続可能な開発と
地域の安定した生活と活性化に結び付きます。
水利権問題さえ解消できれば
発電として1番環境負荷の少ない小水力発電、
ほんの短い用水路でも10台位の発電装置を
設置することが出来ます。
電力の地産地消が出来ます。
枯葉等のゴミ詰まり問題も地域で解消します。
(高齢者などの現金収入が期待できます)
水さえ流れていれば24時間発電できる
小水力発電がエコ学習の材料として
子供から大人まで、学習効果があります。
(2011.08.17)
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