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環境問題とは、人類の活動に由来する周囲の環境の変化により発生した問題の総称です。地球温暖化は、地球を宇宙線から守っているオゾン層の破壊や、人間によるフロンガス(冷蔵庫やエアコンに使っていた)の使用が原因です。さらに、自然のもつ復原力を超えた人間の活動の結果、地球全体で砂漠化や生物種の絶滅が進んでいます。こうしたことは、産業革命以降の産業の発展、森林の伐採、化石燃料の大量消費、石灰岩の発掘と利用など、大きくなりすぎた人間の活動が原因となっています。
19世紀後半から今世紀にかけて、先進国から始まって、世界中で様々な工業製品や農林水産製品が大量に作られ、これが多くの市民によって大量に消費されるという「大量消費社会」が成立しました。大量消費社会は、大量生産によるコストダウンで、大量に商品を売りさばかないと成り立たない仕組みなので、やがてその活動の影響が地球全体の環境まで脅かすようになりました。例えば使い捨ての容器では紙は森林資源を、プラスチックは石油や石炭を大量消費します。人口の増加は、食糧確保のため、森林を家畜の放牧地や農地に変えてしまい、これらを調理するために薪や炭が大量に消費されています。
少しでも森林資源の消費を減らすために、開発・普及が進められているのが非木材紙(ツリーフリー)です。日本の和紙もツリーフリーの一種ですが、元来廃棄されていたサトウキビの絞りカス(バガス)である原料に古紙を混入した製品もあります。バガスは、日本では主にコロンビアから輸入し、古紙や木材パルプに混ぜて使っています。品質は通常の木材紙と変わらず、印刷用紙やティッシュペーパー、コーヒーフィルターなどに利用されています。大手企業でも環境への取り組みをアピールするため、名刺や紙袋にバガス紙を使用するところが増えつつあります。
私たちが普通「紙」と呼んで使っているのは、ほとんどが木からつくるパルプを原料としています。日本は、そのパルプの原料の多くを輸入に頼っています。日本製紙連合会の調査では、2022年の集荷量は、国産材が前年比3.3%減の391万トン、輸入材が同1.2%増の1,059万トン、合計で同0.6%減の1,449万トンとなり、輸入材の割合は70%前後で推移しています。世界の森林を保全するためには、紙の無駄遣いを減らすとともに、一度使った紙の再利用(リサイクル)をさらに進めることが重要です。
砂漠化の原因は、大きく分けると、気候的要因と人為的要因の2つになります。気候的要因としては、もともと雨の少ない乾燥地域・半乾燥地域で、気候変動によって雨が降らなくなったため砂漠化が進みます。人為的要因としては、草地の再生能力を超えた家畜の放牧(過放牧)と休耕期間の短縮等による地力の低下(過耕作)などがあります。牧草などの草地の回復能力を超えるような高い密度で家畜が放牧される結果、新しい草の供給が消費に追いつかなくなりその地域に草が生えなくなってしまいます。すると、激しい乾燥や降雨によって地表が侵食されて砂漠化が進みます。こうした過放牧が砂漠化の大きな要因となっています。
人口増加や発展途上国の工業化、化石燃料消費量の増加、それに伴う森林の伐採などの人為的な要因によって、地球温暖化のスピードは一層加速され、より激しい地球規模の気候変動につながる恐れがあります。2021年、国連の気候変動に関する政府間パネル(ICPP)は、「人間が地球の気候を温暖化させてきたことに疑う余地がない」とする報告を公表。温室効果ガスの排出量を早急に、大幅に削減する必要があるして、各国に対策を加速するよう呼びかけました。
1994年の砂漠化対処条約(UNCCD)の定義によると、砂漠化とは「乾燥地域、半乾燥地域及び乾燥半湿潤地域における種々の要因(気候の変動及び人間活動を含む)による土地の劣化」となっています。土地の劣化は世界中どこでも発生する可能性がありますが、砂漠化とは上記の地域における土地の劣化を指します。
土地の劣化とは、土地の生産力となる土壌が消失して、砂や砂利などだけになった状態を指します。いいかえれば、土壌の中に含まれていた微粒子が栄養分とともに雨に流され、風に吹きとばされて、とても土壌とはいえないような状態になってしまうということです。
地球が誕生したのはおよそ46億年前といわれ、当時の大気中の二酸化炭素濃度は現在のおよそ10万倍もあり、構成比では二酸化炭素が支配的で酸素はほとんどなかったと考えられています。火星や金星の大気がそれに似ています。
その後、海洋の形成などにより二酸化炭素がどんどん固定され、さらに、植物の誕生・進化によって、二酸化炭素と水から有機物と酸素が生成されるようになると、大気中の酸素濃度が上昇し、今日のような大気組成になったと考えられます。
高さ100メートルにもなる樹木が隙間なく茂る熱帯林は、少しぐらいの破壊にはびくともしない安定した感じがしますが、実はがっかりするほどひ弱な自然です。熱帯林のことを「緑の砂漠」と呼ぶ生態学者もいます。高温のために土壌中の有機物はすぐ分解してしまい、土壌は貧弱で厚さ2、3センチもあれば上々です。土壌が浅いので根も浅く、50メートルもある巨木でも、根の深さは1メートルもない場合が多くなっています。樹木が茂っていれば、雨期の豪雨も何層にもなった葉や枝が雨足をいなし、地上に達するときには水滴となります。しかし、森林が失われると、貧弱な土壌は雨によりあっという間に流れ去ってしまいます。
地球温暖化の主な原因とされている温室効果ガスの大半を二酸化炭素が占めています。全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)の「人為起源の温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量の内訳」(2019年)によると、人類が発生させている温室効果ガスの75.0%が二酸化炭素と考えられています。今日では、二酸化炭素の排出量増加のスピードが速く、排出量に見合っただけの量を自然環境が吸収しきれません。排出された二酸化炭素の約4~5割が、排出量と吸収量の差分として大気中に残留し、大気中の二酸化炭素濃度が増加します。森林を破壊することはすなわち吸収源を破壊することであり、大気中の二酸化炭素の一層の増加をもたらします。
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