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花粉症は、1960年代にブタクサ花粉症、次いでスギ花粉症、イネ科の花粉症などの報告がされ、その後、年々増加傾向にあります。
日本における花粉症の有病率に関する全国的な調査として、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査が1998年、2008年、2019年とほぼ10年おきに3回実施されています。調査の結果によると、花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、2019年が42.5%と、10年ごとにほぼ10%ずつ増加しています。
日本における花粉症の有病率に関する全国的な調査として、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査が1998年、2008年、2019年とほぼ10年おきに3回実施されいます。花粉症の有病率やスギ花粉症の有病率は10年ごとに10%の増加がみられ、スギ花粉症以外のイネ科やブタクサ花粉症も2008年から2019年にかけて15.4%から25.1%と10%近い増加となっています。
2019年の全国疫学調査によると、年齢層別有病率はスギ花粉症では10代から50代で45%以上と高くなっており、この年齢層ではスギ以外の花粉症の有病率も30%前後と高くなっています。
60代のスギ花粉症も35%を超え、70代以上は約20%となっています。一方若年層では、5歳未満は5%以下ですが、5-9歳は30%と高い有病率になっています。
これまでに報告された花粉症は50種以上ありますが、大半は農家が農業用ハウス内で受粉作業などに行う場合の特殊なもので、一般に最も多い花粉症はスギ、ヒノキの花粉を原因とする花粉症です。樹木の花粉では、この他にもシラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、ケヤキ、コナラ、クヌギなどが報告されています。また、草本ではカモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科の他にブタクサ、オオブタクサ、ヨモギなどのキク科、アサ科のカナムグラなどが花粉症の原因になっています。
花粉症の症状が発症している場合、発症時期によって原因となる花粉を推定できますが、耳鼻咽喉科、眼科、アレルギー科などの専門の医療機関で検査することで、どんな花粉に感作されているか特定することができます。
スギ花粉症は1964年に初めて報告されてから、1970年代前半から急に報告が増え、年々増加の傾向にあります。スギ花粉の飛散数が多いと発症が多くなりますが、同時に、衛生状態、食事内容、大気汚染物質などいくつもの要因が関与している可能性が指摘されています。
1985年に発表された日光・今市地区の花粉症調査は、大気汚染物質と花粉症との関係について示唆する結果として注目されました。
いろは坂の車の通行台数の増加とスギ花粉症の増加との間に相関があること、スギ花粉飛散数がほぼ同じ日光杉並木沿いと古来川地区を比較した場合に交通量の多い杉並木沿いの方が、交通量の少ない山間部の古来川地区よりもスギ花粉症の頻度が高い傾向が認められたなどの調査結果が報告されました。
スギ花粉の飛散開始日は、「1cm2当たりの花粉数が2日間連続して1個以上になった初日」と定義されています。スギの花の開花日ではないため、飛散開始日以前にも少量の花粉が飛ぶことがあり、注意が必要です。
また、スギ花粉の飛散終了日は、「1cm2当たりの花粉数が3日間連続して0個になった日の前日」と定義されています。
花粉症の飛散花粉数を測定する「ダーラム法」は、アメリカのダーラム(Durham)が1946年に考案したもので、アメリカで標準化され、国際的にも標準花粉捕集装置として広く使われています。
ダーラム型花粉捕集器は、2枚の直径23cmのステンレス板の間に、高さ9cmの支柱を立てて固定し、中央にスライドグラスホルダーを設けたもので、これをクリップで固定して用います。スライドの表面に、白色ワセリンを眼科用点眼棒などを用いて薄く均等に塗布しておき、裏面に日付を記入したラベルを貼って、24時間放置して、毎日一定時間に取り替える捕集方法です。
花粉を捕集したスライドグラスは、光学顕微鏡で観察しながら、スギ及びヒノキ等の花粉を区別して花粉数をカウントしていきます。ダーラム法では、染色方法等を変えることで他の花粉(イネ科、ブタクサ、ヨモギ等)を測定することも可能ですが、判別には経験と熟練した技術が必要となります。
ダーラム法は、現在も広く用いられていますが、時間も労力もかかるため、自動計測機も導入されてきています。
環境省の花粉自動測定機「はなこさん」は、機械に内蔵されたポンプで大気を吸引し、レーザー光を照射することによって大気中の花粉の大きさや数を自動で計測するもので、全国130か所の百葉箱の中に設置されています。
また、民間の気象予報会社が開発・運用している小型の花粉自動計測機では、一般家庭に貸し出した機器を全国1000か所に設置し、各地の花粉の種類や量を観測しています。
スギは樹齢が25年から30年になると花粉の生産量が多くなりますが、国内では多くのスギ林がすでに樹齢30年以上になっています。
国内のスギの品種は200種類以上あり、花粉の生産量は主に太平洋側で多く、日本海側で少なくなっています。
日本各地で2012年から2021年に観測されたスギ花粉数の10年間の平均飛散数、最大飛散数、最小飛散数の統計によると、スギ花粉の平均飛散数は東北から関東、東海地方で多く、近畿から西の地方では少なくなっています。しかし、飛散数が最大になった年には、西日本でも4,000個から8,000個と平均のほぼ2倍と非常に多くなっていました。一方、飛散数が最小だった年には、スギ花粉の多い関東から北の地方でも1,000個から2,000個になっていました。
北海道ではスギやヒノキの植林は極めて少なく、スギ・ヒノキ花粉症の報告はほとんどありません。北海道における主要な人工林樹種は、カラマツ、トドマツ、エゾマツ・アカエゾマツなどになりますが、これらの花粉症はほとんど報告されていません。
スギ花粉症以外で多い花粉症はハンノキを含む北海道のシラカバ花粉症とイネ科花粉症、ブタクサ花粉症です。北海道では、本州と異なり平野部でも多くのシラカバが植えられていて、シラカバ花粉症の人が多くなっています。札幌や旭川などの都市部では、スギ花粉の数倍ものシラカバ花粉が観測されています。
モーニングアタックとは、朝起きたばかりの時間帯に、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの症状が、通常よりも辛くなることを言います。
1日で最も花粉が飛散する時間は、午後2時頃がピークですが、朝目覚めた瞬間に激しい症状が出るのは、服などに付着して部屋の中に侵入した花粉やハウスダストなどのアレルゲンを夜寝ている間に吸い込んでいること、朝起きてから活動を始めることで空気が動いて花粉などが舞い上がること、また起床時に自律神経が副交感神経優位から交感神経優位の状態に切り替わることで一時的にバランスが乱れて刺激過敏になること、朝の鼻水の中に炎症の誘導に関して中心的な役割を担う好塩基球が増加するためなどの要因が挙げられます。
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