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フェアトレードとは、直訳すると「公正な貿易」です。現在の国際貿易の仕組みの中で、字が読めなかったり交通手段がなかったりするなど様々な理由で情報や流通から取り残され、時には搾取されている発展途上国の生産者や労働者に対し、より公正な条件下で貿易することを目指した取り組みです。
フェアトレードは、発展途上国の生産者や労働者が安心してよりよい作物や商品を作り続けられるようにし、またその生活がよりよくなるような仕組みづくりを目指した取り組みです。このため、発展途上国の生産者からの直接取引や最低買取価格の設定、長期的な取り引きなどを行っています。
私たちがフェアトレード商品の継続的な購入をすることは、途上国の生産者の支援につながります。フェアトレード商品は、世界市場の価格変動等に影響されることのないように、生産者からの直接買取や最低価格保証を設定して、長期的で安定な取り引きをめざすもので、これによって、生産者の労働条件や生活が安定するわけです。
フェアトレードは、「お買い物を通じた国際協力」とも表現されます。そのココロは、私たちのフェアトレード商品購買が、生産者である発展途上国の生産者・労働者たちの生活の安定と質の向上に役立つような仕組みづくりをめざすものということです。
フェアトレード基準として認証されている商品は、主に食料品や生活用品ですが、サッカーボールや宝石なども労働条件改善などを趣旨とした認証制度を設ける動きがあります。 サッカーボールは世界で使われている商品の70%以上がパキスタンで生産されていますが、労働賃金が低く、児童労働による縫製作業の横行等が問題視されてきました。 こうした労働環境の改善に向けて、2002年にスポーツボールの製造と貿易に国際的なフェアトレードの基準が作られました。 ダイヤモンドの採掘・販売においても、労働環境や鉱山周辺の自然環境・生態系等に配慮した商品を認証する「エシカルダイヤモンド」が注目を集めているなど、これまでの枠組みにとらわれない広がりがみられています。 こうした、社会や人・自然に配慮した商品の生産・流通等は、「エシカル消費(倫理的消費)」と呼ばれます。フェアトレードはエシカル消費の一つの形と言えます。
国際フェアトレード機構は、2018年に発表した調査において、コートジボワールのカカオ農家の生活状況について報告。 生産コストを賄いながらカカオ農家として生活していくには、1日当たり約2.5ドル(1ドル113円で計算すると約282円)の収入が必要だとしていますが、実際の収入は1日平均約0.8ドル(約90円)にとどまるとしています。
一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム(FTFJ)が研究チームと共同で2019年に実施したフェアトレードに関する意識・行動調査によると、フェアトレードの知名度(フェアトレードという言葉を見聞きしたことがある人)の割合は、全体で約5割と、2015年の前回調査よりも0.4ポイント低下していました。 年代別では、10代が8割近くに達し、20代~40代は6割弱、50代は5割弱、60代は4割弱との結果になりました。
前問の調査では、フェアトレードという言葉を見聞きしたことがある人と回答のあった人のうち、意味や内容を正しく認識していることが確認できた人の割合をフェアトレードの認知率としています。 全体として32.8%と、2015年の調査より3.5ポイント上昇しています。過去の調査も含めて、初めて3割を超えましたが、まだまだ認知状況が十分とは言えない状況です。
国際フェアトレード認証ラベルは、世界的に最も認知されている倫理的ラベルの一つ。国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)がラインセンスしており、「社会」「環境」「経済」について定めた国際フェアトレード基準を満たす製品に表示することができます。 同基準は、基準委員会(Standards Committee)及び全ステークホルダー(フェアトレードに参加する生産者や貿易業者など)によって定期的に見直されています。 フェアトレードの認証制度には、このほか、世界フェアトレード連盟(WTFO:World Fair Trade Organization)による団体認証もあります。こちらは、事業活動全体がフェアトレード基準を満たしている団体のみ加盟することができる制度で、フェアトレードの商品も作るが、フェアトレードではない商品もつくる企業・団体は加盟することができません。 このほか、独自の制度でフェアトレード商品と表示して販売する場合もあります。
「世界フェアトレードの日(World Fair Trade Day)」は、世界フェアトレード機関(WFTO:World Fair Trade Organization)も加盟するフェアトレード組織や生産者組織を中心として、一斉にフェアトレードをアピールする日。毎年5月の第2土曜日に、各国でイベントやキャンペーンが同時開催されています。日本では、5月をフェアトレード月間としています。
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