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水素は利用時にCO2を排出しないため、クリーンなエネルギーとして活用が促進されています。水素から電気を取り出す燃料電池は発電効率が高く、省エネルギーになるメリットもあります。
人類が使える形の純粋な水素は地球上に存在しませんが、電気を使って水を分解することで取り出すことができます。水だけでなく、化石燃料やバイオマスなど様々な資源から作り出すことができるほか、貯蔵・運搬ができるため、エネルギー供給の安定に貢献することが期待されます。
さらに、再生可能エネルギーを使って水素を作る場合、製造から利用までCO2を排出しないカーボンフリーなエネルギーとすることが可能です。低コスト化などの課題はありますが、普及に向けた取り組みが進められています。
再生可能エネルギー設備を設置・運用するにあたり、市民自らが出資や寄付を行う取り組みが全国各地で広がっています。市民ファンドが市民出資・寄付を募るほか、行政からの補助金などを組み合わせて資金調達を行う場合もあります。市民出資をする場合、寄付とは違い出資者は収益の配分を受けられます。
こうした取り組みはデンマークで始まり、地元にある資源は地元に住む人に優先権があるという意識の下、市民の共同出資により自然エネルギーを活用してきた歴史があります。日本第一号は2001年にNPO法人北海道グリーンファンドが設置した「はまかぜちゃん」という風車です。その後も日本各地に市民風車が設置され、太陽光発電や水力発電、バイオマス発電などの設備も市民ファンドにより設置されています。
閉じた形の奥行きの深い湾などで潮の干満の差の大きいところでは、ダムなどで仕切ってその水位差で発電することができます。これを潮汐発電といいます。
潮の干満は、太陽と月の引力による海面の上下に由来するもので、他の再生可能エネルギーのように太陽熱起源のものではありません。そのため、天候に左右されない発電が可能です。潮の満ち引きは周期的に起こるため、発電の計画を立てやすく、電気の安定供給ができる点も利点です。
下水汚泥とは、排水処理や下水処理の各過程で、沈殿またはろ過等により取り除かれる泥状の物質です。約8割がバイオマス(有機分)であり、国土交通省によると、下水汚泥の持つ有機物の全エネルギーを熱量として換算すると約120億kWhにのぼります。また、農作物の肥料となるリンも多く含まれており、その含有量は日本の年間需要量(約30万t)の約2割に相当する約5万tに及びます。
従来は埋め立て処分されていましたが、その高いポテンシャルを活かして再資源化する技術が注目を集めています。嫌気発酵により発生するメタンガスを発電燃料に利用したり、コンポスト化して緑農地の肥料として利用したり、セメントやレンガの材料、路盤材等の原料として建築に利用したりする方法があり、脱炭素・循環型社会へ向けた多様な役割を担うことが期待されています。
動植物から生まれるバイオマスだけで人類が必要とするエネルギーを得ようとした場合、エネルギープランテーションとして地球の面積の5%以上を利用しなくてはならないとする推計もあります。これは全陸地面積の6分の1以上に当たり、世界の森林面積は陸地のおよそ3分の1なので、バイオマス生産にその半分を使う推計になります。
森林を農地化してバイオマス生産に使うと、生態系に影響が及ぶだけでなく、森林に蓄積されていた炭素の半分が放出され、大気中の二酸化炭素はむしろ増える恐れもあります。過度な土地確保により本末転倒な事態を起こさないよう、適切にバイオマスを活用していくことが重要です。
大気中に放出されるCO2を減らす方法として、発電所や工場から排出された気体からCO2を分離して回収し、地中に貯留する「CCS」や、回収したCO2を有効利用する「CCU」という技術があります。CCUでは、CO2をドライアイスや溶接に直接利用する方法や、石油の回収時に役立てるEORという方法などが取られてきました。
さらなる活用のため推進されている「カーボンリサイクル」は、回収したCO2を資源としてとらえ、多様な製品として再利用する取り組みです。利用先は化学品、燃料、鉱物など多岐に渡り、プラスチックの一種であるポリカーボネートやウレタン、ジェット燃料やディ-ゼルなどのバイオ燃料、建築資材のコンクリートやセメントなど様々な製品へのリサイクル技術が研究開発されています。
気候変動による環境変化に対応するための適応策の一つに、生態系を活用した気候変動適応(EbA)という方法があります。樹林、草原、湿地などの生態系がもつ機能やそこに生息する生物を持続的に活用することで、気候変動によるリスクや損失を軽減しようとするアプローチを指し、生態系を保全、管理、修復する取組を広く含みます。
海面水位の上昇に対するEbAの方法として、沿岸の湿地やサンゴ礁等の生態系を保全・回復することで、海岸線を保護する障害物の役割を持たせたり、沿岸の堆積物を安定的に補足し侵食の速度を低下させる効果が期待できます。
ビルの環境維持のためには、空調などに多くのエネルギーが使われます。特に機器などからの内部発熱が多いビルでは、冬でも冷房が必要となります。
そのため、ビルの省エネ対策としては、季節や時間帯に応じて外気導入による冷暖房の節約を行うほか、ビル本体の断熱や各種の省エネタイプのシステムの導入、日射をコントロールするガラスやひさし、屋上・壁面緑化などの工夫が施されます。また、ビル運用にあたっては、空調の温度設定や発熱の大きいOA機器類の配置などの工夫が有効です。
冷房・冷凍装置の冷媒などに広く使われるフロン類のうち、オゾン層破壊効果のある特定フロンCFCは1995年末に全廃され、代替となっていたHCFCも先進国では2019年末に全廃されました。フロンの規制は、1987年の採択以降改正を重ねている「モントリオール議定書」の削減スケジュールに基づいて行われてきました。
その後、オゾン層破壊の原因となる塩素原子を含まない代替フロンHFCが使用されていますが、今までのフロンと同様に温室効果は大きい物質であり、二酸化炭素に比べて100 ~ 10,000 倍以上の温室効果があるとされます。今後はHFCの排出を抑制し、温室効果の小さいグリーン冷媒へ転換していくことが課題となっています。
市民が日々の日常生活の中で温暖化などの地球環境問題に対応するための原則として、「地球規模で考え、地域で行動する(Think globally, Act locally.)」という考え方が重視されてきました。グローバルの問題とローカルの問題を一連の問題としてとらえ、常にグローバルな環境問題の視点から日常生活を見る姿勢を持つとともに、具体的な行動は日常の身の回りの細かい対応の積み重ねから始めることが大切です。
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