メインコンテンツ ここから

「北海道で飲食店をやりながら生きていく」バックナンバー

0032020.02.04UP北海道の真冬、それは真鱈の季節。

12月?翌3月にかけて、産卵のため比較的浅い沿岸域に回遊してくる真鱈

5kgの鱈

5kgの鱈

 さて、冬は真鱈の季節ですな。

 真鱈の産卵は1年に1回。
 普段は深海800mのところに生息しているが、12月?翌3月には比較的浅い沿岸域に回遊してくる。
 こちら→

 昆布森っていう、釧路の沖合いで獲れました。
 非常に大きいです。
 10kgクラスの魚体もでてきます。


 それで、産卵の時期に持ってるのがこの…。

真鱈の白子

真鱈の白子

 真鱈の白子。

 通称タチ。北海道での呼び方ですね。
 これが北海道の最高級食材。味は濃厚で甘く、重厚なクリーミー感。
 この時期のタチを待ち望んでいる道民は数多くいる。
 タチのポン酢がけ。通称タチポン。
 これが一番ポピュラーな食べ方だろうな。
 その他、天麩羅や鍋にしても旨い。

 北海道はタチの消費量、半端ないです。

活〆の技術が普及して、漁師さんも消費者も満足度が上がっている

真鱈の肝と胃袋

真鱈の肝と胃袋

 これは真鱈の肝と胃袋
 魚の手当てがいいと、肝も綺麗で生臭くない。
 北海道は、漁師さんの活〆の技術が飛躍的に上がっています。


鱈の身

鱈の身

 こちらが鱈の身→
 身が透き通っています。
 活〆の手当ての賜物。
 2?3年前まで、鱈っていうと鮮度がいい印象はありませんでした。

 単価が安かったですしね、漁師さんも活〆の手間もやってられなかったのでしょう。
 しかし近年、魚の〆方等の動画が一般的に普及し、それにより、漁師さん達が積極的に活〆を行うようになりました。
 魚体の単価も上がり、提供者、消費者の満足度も高く、これはSNS発達の賜物ですね。
 ありがたや!

 さてこの子は
 半身を昆布でしめていきましょう。


半身を昆布でしめて

半身を昆布でしめて

 絶対旨いだろこれ。絶対うまい。
 北海道釧路町は広い海岸線のほとんどが、昆布の漁場となっていて。
 漁協の名前も昆布森。
 そこで獲れた鱈を昆布で〆る、ってのがまたいいんよ。


重ねて2日ほど冷蔵庫へ

重ねて2日ほど冷蔵庫へ

 重ねて2日ほど冷蔵庫へ。うーん、エロい!


淡白でプリっとシャキッとした身、クリーミーな白子、旨味の詰まった肝…

新鮮な白子と三升漬け

新鮮な白子と三升漬けを用意して。

 真鱈の白子は三升漬けにします。

 新鮮な白子と三升漬けを用意して。


手作りの三升漬

手作りの三升漬

 入れて混ぜるだけ。
 2?3日で漬かります。
 手作りの三升漬けは南蛮が辛い!
 しかし、白子のクリーミーな味がそれを和らげ、調和する。
 美味しいー。


 こちらがタラチリ→
タラチリ

タラチリ

 これはさっきの肝を使用していて。
 新鮮な肝が鍋に溶けだして、本当に旨い味になる!
 鱈は淡白な味で、プリっとシャキッとしている。
 いくらでも食べられる(^-^)


抱えきれない自然と食材をわけていただいている、充足感

アラは賄いに

アラは賄いに

 アラは私の賄いです。

 ぶつ切りにして、味噌汁、潮汁!
 野菜と生姜たっぷりいれて!
 骨回りも身離れがよく、食べやすい!
 鱈は捨てるとこがないし、安いし、ホントにいい魚だよなぁ…。
 しばらく鱈を楽しみます。

 北海道という土地は、一人辺りの自然保有量がとてつもなく高いのですよね。
 抱えきれない自然と食材をわけていただいている、充足感。

 これが蝦夷の地で暮らす人々の、幸せの根幹を成していると、強く思うわけであります。


 次号は僕の狩猟の様子等、少し語ってみようかと思います。

このレポートは役に立ちましたか?→

役に立った

役に立った:1

北海道で飲食店をやりながら生きていく

「北海道で飲食店をやりながら生きていく」トップページ

エコレポ「北海道で飲食店をやりながら生きていく」へリンクの際はぜひこちらのバナーをご利用ください。

リンクURL:
http://econavi.eic.or.jp/ecorepo/eat/series/60

バックナンバー

  1. 001「福岡出身の僕が、北海道で飲食店を起業した話し」
  2. 002「北海道には、銀聖という鮭がおりましてな。」
  3. 003「北海道の真冬、それは真鱈の季節。」
  4. 004「狩猟をはじめて4年がたった。」
  5. 005「行者にんにくの季節が始まる。」
  6. 006「北海道の竹の子といったら笹竹を取りに行く。」
  7. 007「令和2年度 北海道での狩猟の始まり」
  8. 008「北海道の狩猟、雪原の狩猟の始まりだ。」
  9. 009「雪原の狩猟、豪雪深まる。」
  10. 010「北海道の狩猟は4月で終わり。今期の狩猟も無事に終えた。」
  11. 011「北海道の山菜料理。」
  12. 012「夏の雄大な自然 北海道 日高への渓流釣り」
  13. 013「ハンターになって5年目の猟期」
  14. 014「豪雪の北海道。忍び猟で鹿群れへ行く」
  15. 015「北海道、冬の漬物といえばニシン漬け。」
  16. 016「すっかり収穫量も増えた春の山菜達。」
  17. 017「北海道の川遊び、千歳川へスジエビ採りに行く。」
  18. 018「料理屋が教える、鹿肉ハンバーグの作り方。」
  19. 019「蝦夷鹿のスカルトロフィーの作り方。」
  20. 020「山菜の王様、たらの芽の畑へ。」
  21. 021「自分のお店 居酒屋 酔九屋(つくもや)のお料理をご紹介。」

前のページへ戻る