札幌は北29条という、駅からは遠く非常に辺鄙な所に僕のお店『酔九屋』はある。
この場所で独立してもうすぐ6年(2019年10月20日で)。
「何で福岡県出身なのに、札幌でお店をやっているんですか?」と、よく聞かれるから理由を考えてみた(ちなみに、僕は福岡県久留米市出身です)。
「家賃が安い!食べ物が美味しい!人優しい!」って事で、総じて住みやすい。
非常によい街だと思うので、独立に至ったわけ。
札幌で6~7万の家賃だと、駅前のタワマンとかに住めたりする。すごくない?
ちなみに僕は、店の2階にあった『デビル』ってダーツbarを改装して住んでいる。
広さ40坪! 家賃も安いし、最高! 施工費200万くらいかかったけど、いいんだ。一生いるつもりだし。
現在の仕事内容は、朝7時30分に札幌中央卸売市場に行って、魚と野菜を仕入れるところから一日が始まる。
卸の藤田さんは、お店を始めて1周年の時に、キンキっていう高級を1尾500円で卸してくれた。その時の伝票は、記念として大事にとってある。
札幌には、実は内地の魚もたくさん入荷してきている。岩手で獲れたダツは、ほんと綺麗な身をしている。焼き霜造りにして、刺身で食べてもらった。
メニューを固定していないので、僕の気分と旬の食材を選ぶ。
あと、「この魚少し古くなっちゃったんだ。安くするけど、どう?」といわれて買う食材も結構あるので、それらでメニューを組み立てている。
これ、個人店の強みだ。卸しのロスは減るし、僕は安く仕入れられるし、お客様は安くて美味しい料理を食べられて、すごくよい循環だよね。
卸売市場から帰ってきたら、仕込み作業が待っている。
空き時間には、blogやFacebook書いたりして、5時30分の開店に向けて、準備。
定休日には、読書したり、子守りしたり、ピアノ弾いたり、DQウォーク(「ドラクエウォーク」というゲームのこと)をやったり、息子とフォートナイト(こちらもゲームのこと)をやったりと、まぁゆるく生活している。
あー、狩猟もやっています。
この話は、書けたら書いてみたいと思っている(笑)。
この前は自宅の屋根裏でネズミを捕獲。僕は超怖かったから、息子に丸投げした。
いい経験をさせてあげられたんじゃないかな(笑)。
たまに、「よく働きますね」と言われることもあるけど、そんな実感はない。でも、自宅が2Fっていうのがきっと大きいんだと思う。
通勤時間0分。「労働力の投下と回復量が大きい」という強みを存分に生かしている。
自宅件店舗を迷われている方がいたら、ぜひおすすめしたい。
なんせ、「自分の時間ができる、作り出せる」。これはとても幸せな事だと思うから。
なので、僕の労働力は、手間のかかる仕込みに投入している。
自家製味噌や、3日間炊く豚骨スープ、南蛮海老と牡丹海老から取る海老油、それにうちでは手作りラードで全ての揚げ物を賄っている。
春は山菜を取りに、野山を駆け回る。
夏は新緑の芽吹く野菜たちを収穫に。
秋は国を渡る鴨を、冬は大雪原に鹿を狩に。
都会の真ん中じゃあできなかった事ばかりだ。
駅から遠い辺鄙なところに店を構えているから、立地は悪いと思う。しかし地の利は自分で作り出すもの、全てに勝つ事はできない。
そんなこんなの日々を過ごしていたら、お店も6年が経った。
何ともネタの多い6年でありました。
つたない文章ではありますが、このコラムを通して、僕の日々を皆様とご一緒できたらなと、思っている次第でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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