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「地球と暮らしについて考えるエコ・マジック」バックナンバー

0242024.01.09UP青色LED

 あっという間に秋が終了し、寒い冬に季節が移行してきました。
 皆様いかがお過ごしでしょうか?街には美しいイルミネーションが増えてきました。綺麗な色の光を放つLEDは、毎年の冬の風物詩となってきております。
 今では当たり前になっているLEDですが、私が子供の頃は、ここまで普及しておりませんでした。しかも従来の白熱電球や蛍光灯に比べて、大幅な省エネ化を実現しております。電球の歴史はどのような経緯があるのだろう? LEDと環境について、一人一人が考えるキッカケにして欲しい。という観点から、以下のエコマジックを手順にしてみました。☆動画映像では、やや薄い青色で、光が小さい点を御了承下さい☆

エコ・マジック動画024「青色LED」

テーマに関する補足情報

 LED(発光ダイオード)はLight Emitting Diodeの略称で、電気を流すと光る半導体素子を指します。LEDを用いた照明器具はLED照明と呼ばれ、ろうそく・白熱電球・蛍光灯に次ぐ第四世代の明かりとして21世紀に普及が始まりました。入力した電気を可視光に変換する効率が高いことから、省エネルギーの照明として推奨されています。
 現在家庭用などで普及しているLED照明は白色をベースとし、温かみのある「電球色」から青みがかった「昼光色」まで様々な色味を選ぶことが出来ます。しかし、発光ダイオード自体が白色に発光しているわけではありません。LEDは単色で発光する半導体素子であり、1962年に最初に発明されたのは赤色LEDでした。その後、黄色・橙色・黄緑色などのLEDが登場し、表示用途や誘導灯などに用いられましたが、白色の光が実現しない限り蛍光灯に代わる照明にはなりませんでした。
 人間の目に映る太陽の光は白色のようですが、実は無数の色が混ざり合うことで白色に見えています。白を作り出すには「光の三原色」と呼ばれる赤・緑・青を組み合わせる必要があり、白色LED実現のためには今回の動画に登場した青色LEDの発明が重要な課題となっていました。
 1993年、のちにノーベル物理学賞を受賞した日本人3名の尽力により実用的な青色LEDが開発され、それを応用して1996年に白色LEDが発明されました。白色の発光には3通りの方法があり、(1)青色LED+黄色蛍光体、(2)紫外LED+青・緑・赤蛍光体、(3)青・緑・赤LEDという仕組みが使い分けられています。
 それでは、LED照明を用いることで環境への負担をどのように軽減できるのかを見てみましょう。

①エネルギーの節約
LED照明は電力を効率的に光に変換するため、白熱電球や蛍光灯と同じ明るさを実現するために少ない電力で済みます。環境省によると、LED照明は一般電球と比べて消費電力を約85%抑えることができ、CO2排出量を大きく削減できます。また、LED照明は明るさや色温度を調整できる商品が多く、場所や時間帯に合わせて適切な調整を行うことで無駄遣いを防止できます。

②交換頻度の低下
白熱電球の寿命は1,000~2,000時間、蛍光灯の寿命は6,000~12,000時間とされているのに対し、LED照明は40,000~50,000時間と長寿命です。1日10時間点灯しても10年以上使用することが出来ます。交換頻度が減るため、廃棄物を削減することが出来るだけでなく、製造・販売の過程で排出されるCO2の削減にも繋がります。

③環境汚染リスクの低下
水銀の排出による環境汚染は国際的な環境問題の一つです。蛍光灯には水銀が含まれていますが、LED照明には水銀が含まれていないため、不適切な処理による環境汚染のリスクがありません。「水銀に関する水俣条約」により2021年から高圧水銀ランプの製造・輸出入が禁止されたため、工場や屋外照明などでもLED照明への切り替えが進んでいます。

 このように、従来の白熱電球や蛍光灯をLED照明に切り替えることは環境に優しい選択です。人がいない部屋の消灯や、照明器具の明るさを下げるといった、毎日の節電対策も併せて心がけましょう。

参考リンク

(一般財団法人環境イノベーション情報機構)

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