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「地球と暮らしについて考えるエコ・マジック」バックナンバー

0062017.01.17UP大切な水

今回の「エコマジック」では、水そのものについて取り上げてみました。
私自身、環境エコロジーに関して勉強を続けていく内に、私達が日々当たり前のように水を利用出来るという事は、非常にありがたい事なのだと感じるようになってきました。
日本は世界的に見ても、水資源に恵まれている国の一つと言えます。
人間が利用出来る水資源の量は、今後数十年のうちに限界に達するのではないかと懸念されています。特に水に関する基本的な人権の一部として、安全で衛生的な水を適正なコストで供給することが出来るかが重要です。ミレニアム開発目標(MDGS)の「2015年までに安全な水を利用出来ない人の割合を半減する」という目標は、2010年には達成されています。しかし、まだ11%(7億6800万人)が安全な水が利用できず、特に都市部以外で改善が遅れています。
(東京商工会議所「エコ検定公式テキスト第5版」)より抜粋
私達人間が生きていく上で欠かせない水。私自身も含めて、今一度、水を大切に使うという原点に立ち返る意味も込めて、次の「エコマジック」をお届けさせて頂きます。

エコ・マジック動画006

解説

水の惑星 地球。地球にはたくさんの水が存在し、多くの生き物を育んでいます。この膨大な量の水の実に約97.3%は海水。多くの塩分を含んでいてそのままでは飲むことが出来ません。残りの約2.7%は淡水ですが、そのほとんどが極域や高山にある氷や雪と、地中の深い所にある地下水で、私達が一般的に使えるのは、浅い場所にある地下水、湖や沼の水、川の水、そして雨で、地球にある水のわずか0.3%です。最も身近な川の水は何とたったの0.0001%しかありません。
河川の水の量(現存量)は少ないように思えますが、実は現存量の何十倍もの水があるのです。大気中にはこの河川の現存量の約10倍の水が水蒸気として存在し、その一部は雨として降り注ぎます。海水も水蒸気になると塩分が含まれませんので、海から蒸発した水蒸気が雨となるときには淡水になっています。海で蒸発した水のほとんどはまた雨となって海に戻りますが、約1割は陸に降り注ぎます。その量は実に陸上で蒸発した水蒸気の約半分ほどにもなります。つまり、陸では蒸発した水の1.5倍もの雨が降るのです。海や陸から蒸発した水(水蒸気)は平均すると約10日で雨となります。一方、陸に降った雨のほとんどは川となって陸を潤しながら平均して約2週間で海や湖に注ぎ込みます。このように地球規模の水の循環によって現存量の何十倍もの水が川となって巡っているのです。
しかし、かつて世界第4位の広さだったアラル海は、ここに注ぐ河川から過剰な灌漑水を取水したため次第に狭くなり、ほとんどが大量の塩を含む不毛の大地となってしまいました。また中国の黄河も途中での取水が多くなり、海まで水が届かない断流がしばしば起き、現在では下流はほとんど水が流れなくなってしまっています。
日本は降水量も多くまた森林も多いため、河川が干上がってしまうことはほとんどありませんが、降水量の少ない年には貯水池の水が減少し水道の使用が制限されることがあります。今後、地球規模の気候変動の影響により降雨のパターンが変わることが予想されています。特に雪の降り方が変わると、雪解け水に頼っている稲作に影響が出る恐れがあります。
日ごろ、水の使用に留意するとともに地球規模の気候変動に影響を及ぼすような生活様式にも注意が必要です。
下記の幼児向けの環境教育アプリは、上記の水の循環や様々な水の利用について学べるとともに解説がありますので、参考にしてみてください。
https://www.eeel.go.jp/youji2.php

一般財団法人環境イノベーション情報機構 専務理事・功刀正行


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