メインコンテンツ ここから

「地球と暮らしについて考えるエコ・マジック」バックナンバー

0112018.01.09UP車から徒歩への一歩

 新年あけましておめでとうございます。寒さが一段と厳しくなってきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
 地球環境・科学・食育・健康をテーマとした、地球と暮らしについて考える「エコ・マジック」、本年もよろしくお願いいたします。

 さて、今回は、交通と環境、そして健康について考えてみたいと思います。
 全国各地をマジックの営業でまわっておりますと、各都市や地域で、環境負荷の小さいエコカー、エコシップ、エコレールラインなどの促進、環境負荷の小さい運転方法(エコドライブ)の推進、カーシェアリングやバイオ燃料の普及を進めていることを知るようになりました。また、ITS(高度道路交通システム)を普及させ、道路交通の効率化を図る取り組みも進められています。パークアンドライドという、最寄りの駅やバス停までは自動車を利用し、そこから電車やバスに乗り換え目的地まで移動する方式を導入しているところもあります。

 しかしながら全国各地の取り組みを見ているうちに、交通機関の利便性だけでなく、人間の健康面も考える必要性を感じ始めております。
 歩かないことによる運動不足や足腰の衰えに注意しないといけません。時には、便利な交通手段を使うだけでなく徒歩での移動も考えてみよう! という健康面も考慮していただくきっかけとして、今回の「エコ・マジック」を創作しました。

エコ・マジック動画011

解説

 1988年、環境関連のデータベース調査のためにワシントンDCのEPAを訪れた。担当者にお話しを伺っている内に、「今日は早目に帰宅しなければならないので、午後4時頃まででよろしいでしょうか」と問われた。ご家庭でのイベントでもあるのだろうと思っていたら、同僚とカーシェアしているため、その日は友人の帰宅時間に合わせなければならないからだという。世界有数の車社会のアメリカ、しかも今から30年も前の話である。EPA職員だからだったのだろうか。
 1999年4月下旬、初めてベルリンを訪れた。空港から電車に乗り、ホテルの最寄駅で降りて歩いた。歩道の一部がフラットになっており、スーツケースを転がしながら歩くには極めて都合が良い。歩行者への配慮がすごいと思っていたら、後ろから来た自転車にベルを鳴らされた。一旦よけ、また元のフラットな部分を歩く。またベルを鳴らされた。と、自転車に乗っている人からここは自転車専用ラインだから歩かないようにと注意された。首都ベルリンの歩道は、歩行者用と自転車用に明確に区分されているのだった。
 ベルリンに一泊して、会議場のあるポツダムに移動するため、ベルリン中央駅に。駅の階段を上がろうとすると、突然自転車が走り出て来た。
 「なんだなんだ!!次から次へと自転車がおりてくるぞ。」
 日本では全く見かけない光景だ。
 ポツダム行きの電車に乗り込んで、理由が判った。各車両に自転車置き場があり、自転車利用者はホームから自転車利用が可能なのだ。
 ポツダム市内に着くと、更にはっきりした。交差点の信号には3種類あるのだ。車向け、自転車向け、そして歩行者向け。もちろんそれぞれ専用レーンになっている。
 我が国の様に、自転車は車にも歩行者にも気を付けなければいけないどちらつかずの存在とは大違いだ。地方の歩道はさらに酷い。かなりの段差の連続で、自転車はもとより歩行者にとっても極めて危険だ。車の出入り優先なのだ。
 今、国が進めている「COOL CHOICE」では、公共交通機関の利用、カーシェアリング、エコドライブ、自転車の利用などが勧められている。こうした低炭素社会の推進のためにも、生活スタイルの転換と共に、転換しやすい地道な仕組みづくりが求められている。

一般財団法人環境イノベーション情報機構 専務理事・功刀正行

このレポートは役に立ちましたか?→

役に立った

役に立った:0

前のページへ戻る