新型コロナウイルスの影響で、すっかり、マスク生活が定着しました。
毎日、洋服を着る、歯を磨く、入浴する、ご飯を食べる。というのと同じような感覚で、マスクを着用することが当たり前な時期がありました。
最近ようやく、政府の方針で、マスク着用は個人の選択にゆだねる。となりましたが、電車内の約半数の人は、マスクをしております。
まだ当面の間は、マスク着用生活は続くと思われます。
当然のことながら、マスクごみの増加が問題になってきております。
キャンプ場や海辺に行くと、残念ながら、使用済みマスクが放置されているのを見たことがあります。私自身も含めて、マスクごみの適切な処理を心掛けよう!という意味も込めて、次のようなエコマジックを考えました。
ウイルス感染の予防や花粉症対策など、私たちの健康を守るために欠かせないマスク。2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行により使い捨てマスクの消費量が世界中で急増しました。2021年のアメリカ化学会の調査では、世界で毎月約1,290億枚のマスクが使用されていると推定されました。
マスクの大量消費に伴い、問題となったのはマスクごみの増加です。使い捨てマスクの主流である不織布マスクは、名前に「布」とありますが実際の主な原料はPET(ポリエチレンテフタレート)などのプラスチックです。プラスチックごみの削減が世界的な課題となる中、不織布マスクをはじめとして、使い捨て手袋、アルコール消毒液の容器など、感染対策に伴うプラスチックごみが急増しました。
街中の至るところでポイ捨てされるようになった不織布マスクは、プラスチックであるため土や水に分解されることなく残り続け、自然環境から完全に消えるまでには最大で450年もの時を要すると言われます。分解されずに残るマスクごみは、紐の部分が野生動物に絡まるといった周辺環境への被害を生み出します。そして、これらが河川などを伝って海へ流れ出ることで、海の生態系に被害を及ぼす海洋プラスチックごみ問題に繋がってしまいます。
海洋保護団体オーシャンズアジアの発表では、2020年に全世界で海へ流出したマスクは15億6,000万枚に上ると推定されています。環境保護団体WWFによると、海洋プラスチックごみを誤って食べることで毎年100万羽の海鳥、10万匹の海棲哺乳類、ウミガメ、そして無数の魚が命を落としていると言われていますが、マスクごみの流出はこのような被害に加担してしまいます。
また、海中で分解されずに漂い続けるマスクなどの海洋プラスチックごみは、波や紫外線を受けながら徐々に崩壊することで小さな細片状のマイクロプラスチックとなり、海洋生物の誤飲等による障害や、プラスチック添加剤として含まれていた化学物質や環境中で吸着した化学物質による海洋生態系への被害を引き起こします。マイクロプラスチックを体内に取り込んだ魚類を食べることによる人体への影響も懸念され、非常に深刻な環境問題となっています。
マスクごみの流出による環境汚染を防ぐため、使用済みのマスクをポイ捨てせずきちんと処分することが重要です。不織布マスクの原料はプラスチックですが、リサイクルは出来ないため多くの自治体で「可燃ごみ」として回収されています。誤って「資源プラスチック」や「古紙」と一緒に捨ててしまわないよう注意が必要です。また、マスクにはウイルスが付着している可能性があるため、ごみ袋の口をしっかりと縛って捨てることも大切です。
今後も様々な場面でマスクを使用する機会がありますが、使用場面によっては何度も使える布マスク等のリユースマスクや、自然に還る植物性素材のマスクを使用するなど、環境に配慮した使い方も考えていきましょう。
(一般財団法人環境イノベーション情報機構)
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