秋が深まり、寒い日が多くなってきております。今回のエコ・マジックは、森林資源である使用済みの紙を用いた物です。その前に地球上の森林に関して調べてみました。
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の森林面積は40億haで、地球の陸地面積の約31%に相当します。この森林面積が熱帯林を中心に減少を続けており、2000年から2010年の間に毎年約520万ha(四国の2.8個分)が減少したと推定されます。熱帯林を持つアフリカ、南米の森林面積が継続して大幅に減少しており、地球温暖化や生物多様性にも深刻な影響を及ぼす事が懸念されています。
(東京商工会議所 エコ検定第5版公式テキスト より抜粋)
上記を踏まえた上で、私達の日常生活での、紙資源の有効活用方法を考えてみました。学校や企業での使用する紙を表だけでなく、裏も計算用紙やメモ用紙にする。社内共有資料をタブレットで一括管理する。紙の資料を以前より減らしてみる。などが考えられます。ですがこれにもメリット・デメリットがあります。皆さんなりに考えて、紙資源を有効活用していくきっかけになれば、と思い、次のエコ・マジックをお届けいたします!
紙はほとんど植物の繊維を用いて作られます。現在の紙は、主に木を細かく砕いたパルプを原料にしています。パルプを薬品を混ぜた水で煮て繊維をばらばらにします。この短い繊維になったものを薄くすき、水分を抜くことで紙にします。紙の種類により異なりますが、1キログラムの紙をつくるにはおよそ100リットルの水が必要とされるといわれています。
日本の紙類の生産量は約2620万トン(2015)で、中国、アメリカに次いで世界第3位です。紙の原料は、上述のように従来木を細かく砕いたパルプでしたが、最近は古紙の利用が増えていて2015年には64.3%と古紙が主になって来ています。
あちこちの街角で、古紙回収日に新聞や雑誌の束が見受けられますし、牛乳パックなどの紙製の容器の回収もごく当たり前になって来ていていますように、古紙の回収率は81.3%(2015)で、2005年の71.1%から10%増えています。
この紙のリサイクル上で大事なことの一つに分別があります。紙製品すべてがリサイクルできるわけではありませんので、リサイクルできない紙製品を混ぜてしまうと回収後大変な労力をかけて分別しなければならなくなります。やはり資源再生には分別が大事なキーワードなのですね。
また、この紙の再利用の障害の一つになっているのがシュレッダーの利用です。シュレッダーにかけると紙を作っている繊維が短くなってしまい再生することが出来なくなってしまいます。そこで、シュレッダーの代わりに紙を溶かす溶融処理の利用が増えて来ていますし、自前で古紙の再生ができる装置が開発されています。
一方で、パルプ材の輸入先として熱帯の広葉樹が多く、生産量はほぼ横ばいで、輸入総量もほぼ横ばいですので、更なる古紙の利用と紙全体の消費の抑制が必要でしょう。
一般財団法人環境イノベーション情報機構 専務理事・功刀正行
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