皆様、ご無沙汰しております。エコマジシャン・ミヤモです。今回は、地球規模で起きている問題に関して皆様と一緒に考えていきたいと思います。
春先に九州地方に出張に行ってきました。黄砂の影響で、やや息苦しく、マスクを、その日一日ずっと付けて行動しておりました。調べてみると中国内陸部の砂漠化が深刻化していることがわかりました。
近年、アフリカ・南米を中心に、地球上の森林が減少しています。また同時に、砂漠化が地球規模で広がりを見せています。テレビや図鑑、図書館等で、砂漠の映像や画像を目にしたことがあると思います。
砂漠化について1994年の国連砂漠化対処条約(UNCCD)では、「乾燥、半乾燥、乾燥半湿潤地域における様々な要素(気候変動及び人間活動を含む)に起因する土地荒廃」と定義しています。
特に乾燥地域では、食糧確保のため、過剰な耕作や放牧、生産が行われ、砂漠化を進行させています。砂漠化による農地の減少が食料不足を招くという悪循環が生じています。食糧不足や飢餓は、民族間紛争や先進国も含めた食糧確保のための国際紛争になりかねない、人類にとって深刻な脅威です。また、土壌の劣化や砂漠化の進行は、農業生産の低下や、黄砂のような大気汚染現象、温室効果ガスの排出にも影響します。
地球上の森林の減少と砂漠化の現状を、より多くの人達に興味・関心を高めて頂きたいと思い、このマジックを作成致しました。
我が国の森林率は68.5%と先進国の中では高い。我が国はどこに行っても緑が広がっており、人の手を入れないとたちまち鬱蒼とした雑木林になる。我々はこれが当たり前と思っており、むしろ雑草などの勢いに手を焼いている。
しかし世界に目をやるとむしろこうした国は珍しい。緑豊かと思われる欧米でも、森林率は北欧を除くと意外と低く、イギリス13.0%、フランス31.0%、ドイツ32.8%であり、カナダ38.2%、アメリカ33.9%、アマゾンを抱えるブラジルでも59.1%である。
むしろ、草や低木が広大に広がるステップや草や木のほとんどない砂漠などの乾燥地帯の面積は想像以上に広く、陸全体の約4割を占める。砂漠というと広大な砂丘を思い浮かべがちであるが、岩山だらけのところも多い。
ピラミッドで有名なエジプトも国土のほとんどは砂漠であり、緑地は国を南北に流れるナイル川両岸にほぼ限られ、川沿いの幅数kmの緑地の先には荒涼とした砂漠の峰々が続く。Google Earthの衛星写真を見ると薄茶色の砂漠地帯にアスワンダムによるダム湖があり、その先に細い川筋のナイル川が見え、しばらくすると次第に緑地を広げながら蛇行し、カイロ周辺のデルタ地帯で一挙に幅を広げ地中海に注ぎ込む。古代文明の多くが過剰 な灌漑により乾燥化し滅んだが、エジプトはこのナイル川の恩恵もあり過剰な灌漑をせずにすみ、3000年間エジプト文明を維持し、現在に至っている。しかし、アスワンダム、アスワンハイダムにより洪水は防げたが、土地はしだいに痩せ、化学肥料に頼らざるを得なくなってきている。
我々は木は山に生えていると思っているが、モンゴルに行くと山に木はほとんどない、木々は谷筋に沿って生えている。そう、そこに水脈があるからだ。
現在、砂漠化の防止、あるいは砂漠の緑化として植林が盛んであるが、無計画な植林は むしろ砂漠化を加速する可能性があることに十分留意する必要がある。木は、根から水を吸い上げ体の隅々に行き渡らせるために、葉から水分を大量に放出している。十分な水が確 保できない場所に木を植えるとただでさえ少ない水を木がどんどん吸い上げ大気中に放出してしまい乾燥化を助長してしまう。植林がダメだと言っているのではない、十分な調査とその場所に適した植林を行う必要があることを肝に命じておきたい。
一般財団法人環境イノベーション情報機構 専務理事・功刀正行
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