夏の暑さも和らぎ、秋が一段と深まってきて、涼しくなってきました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
環境と健康を、日常生活から意識している私としては、3年後の東京オリンピックが非常に楽しみです!!そんな東京オリンッピックに向けて、私達の使用済みの小型家電を有効活用して、メダルを作ろう!という取り組みが、環境省や自治体、企業から広がりを見せ始めています。
資源の有効活用について、私なりに調べてみました。
家庭で使われないまま保管(退蔵)されている製品や廃棄されている製品にも、有用な資源が含まれています。特に携帯電話、ゲーム機、デジカメなどの小型家電製品には、金、銀などの貴金属やレアメタルが含まれており、都市で大量に排出されるこれらの廃棄物を例えて、都市鉱山と呼ばれています。こうした有用な資源を確保するため、2013年には小型家電リサイクル法が施行され、小型家電製品の再資源化が促進されています。
より多くの人に、「都市鉱山」に関して、考えるきっかけを持って欲しいという観点から、今回のエコ・マジックを考案いたしました。
2020年の東京オリンピックで授与されるメダルの製造に使用される貴金属を、携帯電話をはじめとする小型家電などから回収されたリサイクル資源を使用しようとする「都市鉱山からつくる!みんなのメダル プリジェクト」が始まり、3か月で自治体による携帯電話を含む小型家電が約251トン、NTTドコモによる携帯電話を含む回収が約74万台に達していると報道されている。
様々な電子機器に利用されている貴金属や希少資源を回収しようという試みは、近年急な盛り上がりを見せている。背景には、レアメタルをはじめとする希少資源の産地が極めて偏在しており、政情などにより供給が不安定になる恐れを回避する手段の一つとして重要視されるようになってきた。一方、現在までに電子機器に使用されたレアメタルなどの希少資源のなかには、既に残存埋蔵量を超えたとされるものもあり、安定供給を考えるとリサイクルが急務になっている。
こうした電子機器の多くは都市部において使用されていることから、希少資源の存在場所が都市にあり、かつ元の鉱山より回収しやすい側面もあり、正に優良鉱山の如しということで、「都市鉱山」と名称が使われるようになった(東北大選鉱製錬研究所(当時)南條教授らが1988年に提唱したリサイクル概念:地上に蓄積された工業製品を資源とみなして「都市鉱山」と名付け、資源を積極的に取り出そうということ)。
当初は、貴金属(金、銀、プラチナなど)の回収が主であったが、近年は、素材の強度を増したり錆びにくくしたりする添加剤、発光ダイオード、電池、永久磁石などの電子・磁石材料として、さらに光触媒などの機能性材料などとして多岐にわたる用途として重要性が増したレアメタルの回収にも大きな役割を担ってきている。
日本には、レアメタル資源はほとんどないが、ハイテク分野の材料・部品供給基地としてレアメタルの世界消費量の半分を占めると言われている。すなわち、世界有数の都市鉱山の所在地であり、その有効利用の推進が求められるとともに、廃棄家電類の不法輸出によりアジア域に深刻な有害金属汚染を引き起こしており、早急な対応が求められている。
一般財団法人環境イノベーション情報機構 専務理事・功刀正行
Copyright (C) 2009 ECO NAVI -EIC NET ECO LIFE-. All rights reserved.