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「『ブラサカ(R)』の持つ力を社会に!」バックナンバー

0122022.11.15UPマレーシアで国際親善試合

時代を担う選手たちのマレーシア遠征

試合の様子(©JBFA)

 真夏の8月上旬、ブラインドサッカーのユーストレセン(中学生~20歳)、ナショナルトレセン(20歳以上)で東南アジアのマレーシア遠征を実施しました。コロナ禍での遠征ということ、また、マレーシア、日本ともに水際対策がまだ厳重であったタイミングのため、ワクチン接種証明や陰性証明を取得したうえ、出国。

 選手たちは、コロナ禍により久しぶりの海外遠征の選手もいれば、今回初めて海外遠征する選手もいて、これまでの空白期間の日本ブラインドサッカーの育成の成果が測られる遠征にもなりました。

 私自身もアシスタントコーチという立場で参加させていただきました。大会オーガナイザーとして多くの国々の選手やスタッフと接したことはありましたが、一チームスタッフとして海外チームと向き合うのは初めてだったため、少々緊張感を感じながら出国しました。

 結論から最初に申し上げますと、選手たちはこれまでの成果をいかんなく発揮し、大変大きな成果を得ることができました(トータル6勝1分け)。
 競技面以外でも、互いをたたえあいながら交流を深めるなど、国際交流の要素も含め、非常に意義のある遠征となりました。


現地で感じたこと

クアラルンプール国際空港の様子(©JBFA)

 今回の遠征はマレーシア代表チーム、マレーシア育成チームとの対戦でした。マレーシアのクアラルンプールに到着し、翌日のマレーシア代表戦に向けた試合会場でのトレーニングのため、バスで会場に向かいました。私自身、マレーシアを訪れるのは初めてだったのですが、大都市・クアラルンプールは開発が進んでいるエリアも多く、国としてのエネルギーを肌で感じました。これからどうなっていくのだろう?というワクワク感を感じさせる街とでも言えるでしょうか。


試合会場の様子(©JBFA)

 会場に到着すると、マレーシアチーム関係者の皆さんが気持ちよくお出迎えしてくださいました。会場は、過去にアジア選手権が行われた場所で、少々馴染みがある会場です。基本的にはホッケーが行われる会場ですが、ブラインドサッカーも使用できる施設になっている、クアラルンプール市街地からバスで20分ほどの場所にあるスタジアムです。

 表現が難しいのですが、良い意味で歴史を感じる会場で、会場の向こう側には高層ビルを望む景観になっているおり、日本の運動施設に慣れていると、いささか非日常を感じるような環境でした。日差しの強さもまた日本とは異なり、ピーク時の日差しはすごく強く、湿度も高め、海外遠征に来たことを強く感じさせる初日でした。

 また、これは「ああ、ブラサカってやっぱりいいなー」って感じたことがあったのですが、競技用のフェンスの設置を一緒に協力してやるんです。言葉を交わしあいながら、障がいのあるなしに関係なく、協力し合う。そんな光景がマレーシアでも見られて、この、互いを思い、感じあいながら、競技以外でも自然に交流できるのは、ブラインドサッカーの良さだなということを強く感じました。


成果をいかんなく発揮!!

 肝心の、試合の様子に目を向けてみましょう。実は数年前にもマレーシア遠征をおこなったのですが、その際は非常に劣勢な局面も多く、シュートまで行ける場面もあまり多くありませんでした(私は当時不参加なので当時参加していたコーチングスタッフに聞いた話です)。

 それが今回は、冒頭にもお話した通り、トータル7戦して、6勝1分け。一度も負けることがなかったのです。私自身はユーストレセンチームのガイドを担当しましたが、選手個々が本当にハードワークをし、相手に勝つんだ!という気持ちを全面に押し出した気迫のこもったプレーぶりが印象的で、頼もしく感じました。小学生時代からの成長を見てきている選手もいるため、その変貌ぶりに、喜び、驚き、感動、様々な感情が湧き出てくることを感じました。今回は日本チームが主導権を握る場面も多く、シュートまで行くシーンも多くありました。この中から、必ず今後の日本代表の中心になる選手が生まれることを確信させられるほど、選手たちのプレーぶりは素晴らしかったです。

入場セレモニーの様子(©JBFA)


 マレーシアチームの選手も非常にフィジカルが強く、最後の最後で体を張ってゴールを守る姿勢が印象的でした。技術に長けた選手もいて、今回は日本チームが優勢に試合を進めることができましたが、また次回対戦することがある際は、どういった展開になるのかわからないくらい能力を感じさせるチームでした。あとは、非常にフレンドリーな選手やスタッフの皆さんたちで、試合が終わればとても明るく接してくれる姿が印象的でした。最終日には、入場セレモニーも実施。障がい者施設から子どもたちが足を運び、選手と一緒に入場するなどして交流を深めました。

街の様子

クアラルンプール市内の様子

 競技とは少し目線が変わりますが、やはり街の中で、どういった障がい者福祉サービスが成されているのかも気になる部分でしたので、ホテル近隣をジョギングしたり歩いたりしながら、散策してみました。

 あくまで私が活動した範囲内なので、一概には言えませんし、政策まで詳細に調べているわけではないので、今後の展望まで含めてわかりかねる部分もあるのですが、視覚障がい者にとっては、歩行等での活動はしにくい環境だと感じました。逆に、やはり日本の都心部はハード面の充実が素晴らしんだなとも感じました。点字ブロックや、音響信号機のようなものも、日本だと当たり前のように設置されています。

 そもそもマレーシア国内は街自体が歩行者優先という考え方で形成されていない側面もあるのだと思います。マレーシアに駐在していた友人も、あまり公道をジョギングするというような文化がないとも言っていて、確かにな、と感じることが多かったです。
 このように、街の形成にも異なる文化を感じ、私自身非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。


今後のブラインドサッカー

 さて、今後のブラインドサッカーですが、まずは日本代表チームが大一番を迎えます。

 「IBSA ブラインドサッカー アジア・オセアニア選手権 2022」が11/11に、インドで開幕します。パリ2024パラリンピックの出場権を争う、大一番ですので、みなさまぜひ応援のほどよろしくお願いいたします!
 全試合YouTubeでの配信が予定されています。

 また、国内に目を向けると、12月に、第20回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権が開幕します。最多タイの22チームが全国各地よりエントリー。こちらもチェックいただき、ブラインドサッカー界をともに盛り上げていただけますと幸いです!

参考リンク

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