地球上の約10%の生物が生息域を奪われたり、気候変動や外来種の侵入などの環境の変化により絶滅の危機に瀕していると言われています。その中で、オーストラリア大陸の固有種が占める割合は、9.1%にものぼるそうです。
こうした状況に対応すべく、オーストラリア政府は、1999年に「環境・生物多様性保護法(EPBC法)」を制定【1】し、保護と種の保存に乗り出しています。同法をはじめ、各州や自治体で定められた法律の下で保護対象となっている野生動物の救助や介護・飼育を行っているのが、(前回ご紹介した)WIRES【2】などの野生動物保護団体です。
ただ、野生動物の保護といっても、すべての種を保護するわけではありません。というのも、近年人間の手によって持ち込まれ、野生化した動物も多いからです。保護対象となる動物は、基本的にオーストラリア大陸ならではの固有種です。
一般市民も、ときに迷惑に思うことがあったとしても、駆除できない動物や傷ついた動物を見つけた場合には、WIRES等の保護団体に連絡して、捕獲や救助を依頼します。法律で一般市民がやってはいけないことになっているからです。こうした市民と保護団体が一体となって取り組んでいるのが、オーストラリアの野生動物保護の実態です。
オーストラリアには、獰猛な肉食獣はいませんが、人間に危害を加える動物がまったくいないわけではありません。しかし、たとえ人間に危害を加える恐れがあっても、可能な限り殺さずに保護する努力をします。
例えば、オーストラリアには、世界一と言われる猛毒の蛇をはじめ、世界の危険な毒蛇という順位付けの上位を占めるほど、たくさんの毒蛇が生息しています。人間が咬まれたら間違いなく死に至るほどの強い毒を持っていますが、これらの蛇も固有種である限り、保護の対象となります。
毒蛇の他にも、獲物を巻きつける力が強く、子どもなら絞め殺されてしまう可能性があるパイソン(ニシキヘビの一種)もいますし、オーストラリア大陸北部には、人間をも襲う凶暴なソルトウォーター・クロコダイル(イリエワニ)が生息しています。これらもやはり固有種ですので、保護の対象です。
ただし、こうした危険な動物たちを保護する場合は、WIRESのボランティアでも専門のトレーニングを受けた人が行います。
数年前、シドニー郊外の住宅街に体長4メートルの巨大なパイソンが出没し、大騒ぎになったことがありました。小さな子どもたちが遊ぶ場所の近くにある電柱に巻き付いているのが発見されたのです。
発見した人が「遊んでいる子どもが巻き付かれたら大変!」とWIRESへ連絡。爬虫類のエキスパートと消防車が駆けつけ、周囲を封鎖した後、消防車のはしごを立てて近づき、パイソンを電柱から引きずり降ろして捕獲しました。捕獲されたパイソンは、住宅街から遠く離れた国立公園へ持っていき、リリースされましたが、静かな住宅街を騒然とさせる捕り物劇であったことは言うまでもありません。自然が身近にあるということは、こうした危険とも隣り合わせである、ということを実感させられた事件でした。
市街地にも多く生息し、比較的どこでも見られる有袋類ポッサムは、住宅の屋根や壁の隙間から入り込んで棲みついてしまうことが頻繁にあります。出入りするうちに電線を引っかけたり、屋根を持ちあげて壊してしまったりと迷惑この上ないため、人々からは害獣扱いされていますが、勝手に駆除することはできません。
ポッサムが、自ら入り込んだ壁の間に挟まれて出られなくなったり、住宅建材として使われている釘や金具などで怪我をすることも少なくはありません。そうした場合は救助し、怪我をしている場合は手当を行います。そして、回復状況を見て、再び捕獲された場所の近くでリリースされます。
2012年5月現在、「環境・生物多様性保護法(EPBC法)」では、447種の生物が登録されています。
環境の変化が激しく、保護活動の劇的な効果は見られず、絶滅の危惧は拭えません。それどころか、残念ながら登録される種は毎年増えているのが現状なのです。
動物を大事にする事は立派な事で絶滅の危機から救う為に保護するのは良い事です。
されどその保護対象の動物の中には虎やワニなど獰猛な動物もおり下手をすれば襲われ命を落とします。
そんな猛獣を捕らえるのに大変でそれで命を落としたりするのは少なくありませんし、捕らえた後も世話に必要な費用がかなりかかるし、油断すれば飼育員が襲われる可能性があります。
犬猫を飼うのとは訳が違います。
可哀想だとか可愛いだとか言って動物に情けを人はいるけど動物の多くはそんな情けを感じる事も理解する事も恩を感じる事もない。
余計に情けをかければ悲惨な目に遭うだけだ。
文字通り馬の耳に念仏、犬に論語だ。
獣害に遭って亡くなった本人らとその遺族も可哀想だと思わないのか。
獣害は人間の命を奪い生活に悪影響を及ぼす事は多い。
その人たちに対してどう責任をとるつもりなのか
その猛獣を捕獲する事も世話をする事も不可能だったら可哀想だと思うが殺すしかない。
優しさだけが救いだと思うな時には自ら手をくだす事も救いと思った方が良い。
(2020.12.26)
オポッサムの保護活動がわかった
(2019.12.09)
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