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「大学で学ぶエコ・2 」バックナンバー

0012010.10.20UP夏のイベント・院生合宿

ジュリーが終われば夏休み

 大学院の夏学期は、4月に始まって7月末に行われるジュリーで終わります。ジュリーというのは聞きなれない言葉ですが、英語でJuryと書き、「審査会」という意味です。我々の在籍している大学院では、毎年7月と2月の学期末にジュリーを行います。すべての学生が、その学期に行った研究成果をすべての教員の前で発表し、厳しい質問や意見を受けることで、自分の研究をさらに進めていく機会としています。学生は皆、ジュリーに向けて、十分な準備を目指し、追い込み実験をしたりしながらも、万全を尽くします。ちなみに、夏のジュリーは7月に行われるので、7月を意味する「July」のことだと勘違いする学生も、少なからず見受けられます。

30年以上続く由緒ある行事、院生合宿

合宿のしおり
毎年、修士1年生がつくる合宿のしおり

 ジュリーが終わると、8月、9月は夏休みとなります。夏休みの間にももちろん、各自研究活動を進めるわけですが、授業が無いぶん、ふだんとは違った活動を行うこともできます。
 そのうちのひとつ、都市環境工学講座全体で毎年の恒例行事になっているのが、院生合宿です。この合宿の歴史は古く、私がまだ学生だった頃にも存在し、さらに私の先生達が学生だった頃にも存在しました。少なくとも30年以上、ほぼ毎年行われてきた由緒ある行事です。
 院生合宿の内容は年月を経る間に変わってきていますが、おおむね1泊2日で少し離れた山や海に行き、勉強会をすることが基本です。
 院生合宿の運営全般に教員は関与しません。すべて修士1年生がアレンジし、宿を取り、勉強会の内容を決め、「しおり」も作って合宿に臨みます。今年の院生合宿は、7/31(土)-8/1(日)に山梨県河口湖畔で行われました。

今年の勉強会テーマは「環境教育」と「生物多様性」

勉強会での発表風景1

勉強会での発表風景2
勉強会での発表風景。留学生も参加するため議事進行は英語で。

恒例の花火。
恒例の花火。

夜遅くまで熱い語りが続く…
夜遅くまで熱い語りが続く…

2日目はおもいおもいのレクリエーションへ
2日目はおもいおもいのレクリエーションへ。スポーツ大会などが行われることもあります。

 勉強会の内容は、環境問題に限らず、毎年、幅広い内容が取り上げられます。これまで取り上げられたテーマのいくつかを挙げてみると、「50年後の望ましい都市」「様々な発電方法の将来について」「日本の文化」「サマータイム制の導入」「死刑の是非」といったように、様々です。どういうテーマを選ぶか、議論が白熱するかどうかも、その年の院生合宿をアレンジする修士1年生の肩にかかっています。
 今年の勉強会では、「生物多様性」と「環境教育」がテーマとして取り上げられました。それぞれについて2つの立場を設定し、計4グループを設け、まずはグループ内で設定された立場にたって討論をした後、最後に総合討論を行うというものです。
 「生物多様性」に関して設けられた立場は、『生物多様性は重要で守るべきである。そのために生活が多少犠牲にされてもかまわない』と、『生物多様性は重要だが人が手を加えてまで守るべきなのか。生活や経済を犠牲にする程のものか』の2つです。

 もうひとつの「環境教育」に関しては、『環境教育は学校主導で行っていくべきである。学校教育の中に取り込むことで全員が環境教育を受けることができる』と、『環境教育は地域が主体となって行うべきである。環境問題は地域ごとに性格が異なるため地域の現状を知ることが必要である』という2つの立場が設定されました。
 勉強会の班分けは、あらかじめ決められており、それぞれの班員は、自分自身の意見とは違っていたとしても、設定された立場にたって議論を進めていきます。最終的に、どの班に軍配があがる、ということはないのですが、このような機会を通して、より深く問題を考え、他人と議論する経験を積めるのではないでしょうか。

 勉強会も終わり、夕食がすむと、皆で花火です。何故かこれも毎年恒例となっています。さらにその後の懇親会では、たわいもない話から研究についての悩みまでいろいろ話すことで、ふだん大学で接する以上に、お互いの懇親を深める良い機会となります。
 今年の院生合宿は学生の皆さんに、どんな思い出を残したのでしょうか。

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