先日、北海道の農家を訪問してまいりましたが、畑一枚が10ヘクタールあるので、端から端まで走ったら倒れそうになりました。
北海道以外の農家の畑の面積は、一軒あたり平均1.4ヘクタール。しかし、北海道の農家は、平均で20ヘクタール、東京ドーム4個分! 100ヘクタールの農家なんてザラです。
僕の発見ですが、北海道の農家は飼う犬もでっかい。
確かに家も庭も広いから、チワワやトイプードルなど飼ってもきっと小さすぎて「見えない」。大型犬でも物足りないのか、ポニーを飼っている農家もたくさんいます。ある農家のポニーは街を闊歩していたところ「お宅のポニーでしょ」と警察から連絡があったらしい。危うく「野良ポニー」になるところでしたね。
ちなみにアメリカの農家の畑は「平均」で100ヘクタール。その中でも本当に広い畑を持つ農家は、世界地図を広げ指差し「ここからここまでがオレの畑だ」と説明するらしいです。こんな農家はペットにゴジラくらい欲しいですね。
北海道はじゃがいもや玉ねぎが有名ですね。広い畑で大型機械を使ってどーんと栽培し、秋にどーんと収穫、どーんと冷蔵庫や倉庫で保管し、九州から新ものが出てくる春まで出荷しつづけるわけです。ちなみに冷蔵庫を使うのは、「凍らせないため」なんです。外より冷蔵庫の方が温かい。そのおかげで日本人は冬でもカレーライスを食べられるという訳です。
じゃがいもは普通、1反(1ヘクタールの十分の一、10アールの事であーる)で3トンくらい、玉ねぎは5トンくらい収穫できます。そしてじゃがいもがキロ当たり100円、玉ねぎが60円で販売できたら、20ヘクタールあれば売上6000万!
でも実際は麦や牧草を植えて畑を休ませるし、これだけ広い面積で栽培する北海道の農業にはでっかくて高い機械が必須、人手も必要。経費もたくさんかかります。でもちゃんとやればしっかり利益を得る事ができるのです。
じゃあ北海道以外の農家について考えましょう。
例えば、北海道以外の平均的な農家の畑、1.4ヘクタールにキャベツを作ってみましょう。
キャベツは、1反で、4000個くらい作れます。1個100円で売れれば40万円。全部キャベツ植えれば、560万円の売上がある事になります。
しかし、ここでもやはり、肥料代、機械代、出荷する箱代、など、半分以上経費で消えます。すると残り280万円以下。一家の生活がタイヘンですね。だからキャベツだけで稼ごうと思ったら、もっと面積がないと苦しい。
じゃがいもや玉ねぎ、大根やキャベツやレタスなど、根菜や大型野菜は、それで稼ぐには面積がモノを言います。じゃあ、1.4ヘクタールの畑を持つ平均的な農家が、農業だけでしっかり食べていくにはどうしたらいいでしょう。
例えば、ほうれん草や小松菜、さや豆など、収穫に手間かけ、束ねたりパックするものを作ればいい。ほうれん草は1反で1.5トンくらいしかできませんが、それを200gの束にすれば7500束、1束100円で売れれば75万円!同じ面積でもキャベツより売上がある。収穫や束ねる手間で稼ぐワケです。
さらに面積が少ない農家はどうしましょう?
ハウスを建てます。そこでトマトを作ってみましょう。うまく作れば1反10トンくらい採れる。キロ300円で売れれば、1反で300万円。1ヘクタールの半分、5反のハウスがあれば、3000万円です。
もちろん、ハウス建てるのにお金かかるし、トマトは作物の中でも栽培の難しさがトップクラス、経験や技術も必要。簡単ではないですが、畑が狭くてもこうやって稼げるわけです。
この地域はこんな畑が多いな、ハウスがいっぱい建ってるな、というウラにはその地で農家が食べていくための理由が必ずあるワケです。地方に旅したらそういう目で見ると、旅の面白さも一味アップするってもんですぞ。
調べ学習にとても役立ちました。ありがとうございました、わかりやすかったです。
これからもエコナビ頑張ってください!
(2022.10.14)
来月、神奈川から宮崎へ移住し、まずは家の庭の一反分にもならない面積で畑を始める予定です。
記事の内容、参考になりました。何を作るか、じっくり検討してみることにします!
(2016.07.01)
僕は将来農家になりたいのでとても参考になりました!!
やっぱり努力しないと農業で成功は難しいですね!
これからもエコナビがんばってください!!!
(2013.07.19)
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