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「温泉を巡る」バックナンバー

0012012.04.17UP春の野沢温泉へ

温泉とスキーの村

長野パラリンピックの聖火台
長野パラリンピックの聖火台

お彼岸でも雪深い野沢温泉
お彼岸でも雪深い野沢温泉

 長野県北部の山間に野沢温泉があります。上信越高原国立公園内に位置し、スキーと温泉、そして野沢菜発祥の地として知られています。野沢温泉スキー場は全国有数のビッグゲレンデで、数々のオリンピック日本代表選手を輩出してきました。
 「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、野沢温泉はまだ雪深くスキーやスノーボードを楽しみに多くの人々が訪れています。特に日本と季節が逆になる南半球のオーストラリアを中心に、海外からスキーと温泉を楽しみに訪れる人が増加していると聞きました。今年はスキーが野沢に伝来して100周年。雪不足を心配することなく、山頂付近はゴールデンウィーク過ぎまで滑走できるそうです。スキーシーズンは、なんと半年もあるのです。

外湯巡り

 野沢温泉村は「温泉」という言葉が村名に入る珍しい自治体で、古くから村人達に温泉が利用されてきました。現在は旅館が23軒と民宿が200軒以上あり、宿泊施設数は250軒とも280軒とも言われています。旅館にはすべて温泉が引かれた浴場(内湯)がありますが、民宿は一部を除き温泉は引かれていません。でも、温泉街には無料で入湯できる外湯(共同浴場)が13ヵ所も点在しており、誰もが温泉を楽しむことができるのです。
 点在する外湯を訪ね回る「外湯巡り」は野沢温泉の大きな楽しみです。シンボルの「大湯」は江戸時代の建築様式を継承したクギを使わない「湯屋造り」の木造建築。野沢温泉発祥の地とも言われる「熊の手洗い湯」、「真湯」、「河原湯」など、クラシックな外湯と街並みは風情があり、浴衣と下駄履きが似合う情緒深い雰囲気が漂っています。それぞれ源泉が異なり、泉温も含有成分も違うため浴感も異なっています。また、足湯も何ヶ所かに点在しています。

野沢温泉のシンボル「大湯」
野沢温泉のシンボル「大湯」

大湯の内部
大湯の内部

外湯「熊の手洗い湯」
外湯「熊の手洗い湯」

外湯「河原湯」
外湯「河原湯」

大湯前にある「あくと足湯」
大湯前にある「あくと足湯」

源泉かけ流しは“エコ”!

源泉かけ流しの表示
源泉かけ流しの表示

 野沢温泉の外湯は、すべてが“源泉かけ流し”。これは湯量が豊富だからできること。しかも人工的に汲み上げている源泉は一つもなく、すべて自噴の源泉が維持されているのです。大規模な開発をせず自然の水循環サイクルを崩さない努力が窺えます。
 2011年12月15日には新たな外湯「ふるさとの湯」がオープンしました。この外湯は有料で入館料が500円。あつ湯とぬる湯と露天風呂があり、ボディシャンプーやリンスインシャンプーも用意されています。2系統の源泉が引かれ、露天風呂と屋内浴槽の浴感が異なります。もちろんすべて源泉かけ流しで、オープン以来予想を上回る来湯客があるそうです。

 野沢温泉の最大の源泉は麻釜(おがま)。高温の温泉が大量に自然湧出しています。ここでは、卵や野菜を温泉で茹でる様子が見られます。“村の台所”と称され、私たちが宿で食す温泉玉子やおひたしなども、ここで茹でられているのです。
 さらに、排湯によるロードヒーティングを実施し、温泉街の一部は真冬でも道に雪が無く下駄履きで散策することが可能。これらは、究極のエコと言えるのではないでしょうか。
 温泉街には、蒸かしたての郷土料理「お焼き」や「温泉饅頭」を食べながら散策したり、立ち飲みのショットバーでアフタースキーを楽しむ外国人の姿が結構見受けられました。野沢温泉は国際化が進んでいるようです。

2011年12月15日にオープンした「ふるさとの湯」
2011年12月15日にオープンした「ふるさとの湯」

村の台所「麻釜」
村の台所「麻釜」

夜の麻釜
夜の麻釜

賑わう野沢の温泉街
賑わう野沢の温泉街


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このレポートへの感想

今は温泉を循環させているところあるようですが、掛け流しは湯の量が豊富であればあるほど、衛生的にも綺麗な感じはしますね。家庭のお風呂でお湯をどばどばと給湯しながら入る感じでしょうか。自然の恵みはかくありたいものです。
(2012.06.15)

面白いです。温泉のちょっとした情報、生の情報などこれからも発信してください。世界一の温泉地を有する日本の文化をもっと垣間見たいものです。きっとびっくり情報も期待しています。
(2012.06.11)

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