年が明けると猟期も後半戦に入ります。年末年始は帰省などのため、いったんワナを外していますので、最初の土日に再度ワナを仕掛け直します。ただ、毎年のことですが、獲物は猟期前半にある程度は獲れているので、そんなに無理してたくさん仕掛けることはありません。獲物自体も減ってくるので、前半ほど簡単には獲れなくなります。
この時期は、獲物も徐々に痩せてきます。特にオスイノシシは1月中旬から発情期に入り、そうなると餌を全然食べずにメスを探して回るので、ガリガリに痩せてしまいます。また、ある程度のサイズ以上(おおむね60kg以上)のオスイノシシは発情期特有の臭いを出すようになり、肉も臭くなってしまいます。このような状態のイノシシを獲るのはもったいないので、年明けはオスは狙わないようにします。ですので、年明けの猟期は狙う獲物を絞ってピンポイントでワナを仕掛けるようになります。
今期、最終的にはイノシシ2頭、シカ6頭という猟果でしたが、年明けに獲ったのはシカ2頭のみで、残りは全て前半に獲ったものです。このように、例年前半である程度獲物は確保できますので、この時期は、来年の猟期に向けて新しい猟場の開拓や今期ワナを仕掛けなかった古い猟場のチェックなどに時間を割きます。シカもイノシシも季節ごとに行動パターンは変わります。解禁前後に見に行ったときにはほとんど獲物の気配のなかった場所でも、年明けになって突然頻繁にあらわれるということもままあります。
この時期になると体も山になじんできており、解禁の頃は見に行かなかったような森の奥の方へもどんどん入っていけます。気温が下がっているので、何時間歩いても汗をかきません。また、獲物の痕跡により敏感になっているので、いろいろ新たな発見があります。
2月15日でいよいよ猟期が終わります。私の場合は2月上旬の都合の良い土日にワナを引き上げます。ワナを回収しながら山を回る際は、いちおう木の棒などでワナを弾いてまわります。たまに棒で思いっきり突いても作動しないワナもあり、そういう場合は設置ミスをした原因を確認します。
ワナの回収時に、狙っていたイノシシの新たな痕跡を見つけると、なんとも残念な気持ちになりますが、これは来期のお楽しみです。元気に暮らして、ひと回り大きくなっていてくれることでしょう。
さて、猟期が終わると、今度は獲った獲物の肉をじっくり味わう季節です。猟友会の宴会や猟仲間との打ち上げをやるのもこの時期です。定番の牡丹鍋もこの寒い時期が一番美味しくいただけますが、毎回それでは芸がないので、色々工夫して食べてみています。
次回は、実用的(?)な獣肉料理のレシピを紹介しようと思います。
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