環境、エコへの関心は高まる一方。自分も何かできないかと考える人も増えています。それに対し、海でゴミ拾いをしたり山に行って植林をしたり、という直接的に環境を改善するボランティア活動だけでなく、法律や制度を変えるよう働きかけることで、環境問題を構造的に解決していこうという活動があります。
こうした活動を政策提言(アドボカシー)と言っています。政策提言に取り組むNGOは、広く市民の声を日本政府や世界に届けることを目指しています。そして、誰でも小さなアクションで、その活動を応援することができるのです。
「MAKE the RULEキャンペーン」は、温暖化を止めるために社会のルールをつくろうという活動で、全国約200の環境保護団体などが集まってキャンペーンを行っています。このまま地球温暖化が進むと、北極の氷が溶けて絶滅してしまうと言われているシロクマの“シロベエ”を実行委員長に、日本でCO2を減らすためのルール(法律)をつくることを目指して、全国各地でアクションを展開しています。
ウェブ上で集めている請願署名に参加する、ブログに投稿する、はがきを送るなどの家庭でできるアクションもありますし、都合のいい日や時間帯を選んで、イベントの運営や事務局作業などのボランティアに参加することもできます。
また、キャンペーンを応援、賛同していることを「見える化」するために、メッセージの入ったTシャツや缶バッジなどのグッズを身につけて、周りの方に「それなぁに?」と興味をもってもらうことも、ボランティアのひとつです。関連グッズ販売で得られた収益は、キャンペーンの運営にあてられますので、資金面での応援にもなるのです。
2010年10月に愛知県名古屋市で生物多様性条約締約国会議(COP10)が開かれることをご存知ですか?
生物多様性条約は、1992年にブラジルで行われた地球サミットで採択され、2年に1度開催される締約国会議が今年は、名古屋市で開かれるのです。このCOP10に向けて、84の環境団体(2010年4月現在)が「CBD市民ネット【1】」というネットワーク組織をつくり、条約や国内法への働きかけ、市民の生物多様性に対する理解の促進などを目的に、様々な活動をはじめています。生物多様性について詳しくなくても、発送のお手伝いや翻訳、イベントの企画手伝いなど、できることはあるかも。各地で行われる勉強会や、ボランティア活動は、こちらのホームページで、随時、案内されますので、この機会に、アクションを起こしてみませんか?
欧米では、環境政策をつくっていく上で、環境NGOが大きな役割を果たすことが多いのですが、日本では、行政や国際社会に対して政策提言を行う団体の数は少なく、規模も小さいのが現状です。地域の中で自然保護やリサイクルなどの活動をしている団体は、全国に約4500以上ありますが、そうした地域の直接的なボランティア活動と政策提言の活動がつながっていないことが課題と言われています。気になる問題を「なんとかしたい!」と思ったら、「政府や自治体は何もしてくれない」というネガティブな気持ちから一歩踏み出し、自分たちで制度を変えようとがんばっている提言活動で、まずはボランティアしてみましょう。
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