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「エコ・ボランティア」バックナンバー

0052010.04.06UP春!サイクリングの季節

自転車ライダーのためのマップをつくろう

実際に街を走りながらより走りやすい地図づくりをするグリーンマップライド
実際に街を走りながらより走りやすい地図づくりをするグリーンマップライド

 いよいよ春本番、自転車で走るのが気持ちのいい季節ですね。今回は、自転車にまつわる環境活動についてご紹介します。
 年齢を問わずブームとなっている自転車は、CO2を出さないエコな乗り物として、いち押しの移動手段です。また、健康面でも、メタボ解消のために自転車通勤をするビジネスマンをみかけることが多くなりました。
 そんな自転車ライダーのための専用の地図「グリーンペダルマップ」をつくるボランティア活動があります。これは、実際にマップを使っている自転車ライダーたちが、お気に入りのルートや裏道を教え合ってウェブ上で少しずつ完成させていく地図なのです。道沿いのカフェやトイレ、自転車レーンなどが参照できるのはもちろん、温泉や公園などの楽しいスポット紹介もあるし、車を自転車に乗り換えたことによるCO2削減を数字で見ることもできるので、レジャーを充実しつつ、よりエコを感じることができます。
 このサイトを主宰するNPO法人グリーンペダルでは、ネット上の地図だけでなく、在日外国人のための自転車安全教室や、三宅島エコライドなど、リアルな交流の場も同時に開催し、自転車乗りの輪を広げています。
 世界では、行政によって専用レーンが整備されるなど、ヨーロッパを中心に自転車の走りやすい街づくりが多くみられますが、日本ではまだまだ車中心の街がほとんどで、自転車が安全に気持ち良く走れる道が少ないのが現状です。グリーンペダルでは、ボランティアの力がつながって、情報の共有・提供を進めることで自転車乗りの声をつなげ、ボトムアップで社会を変えることを目指しています。

自転車で環境とアートの融合

GEICで7月に開催された「デザイン+環境+自転車」のBIKETOPEイベント
GEICで7月に開催された「デザイン+環境+自転車」のBIKETOPEイベント

 アートと社会貢献を結び付ける活動をする「デザインニッポンの会」は、2009年夏、自転車をテーマに、GEIC(地球環境パートナーシッププラザ)で「BIKETOPE」というアートイベントを開催しました。デザイン性に優れた自転車の紹介や、海外のデザイナーのトークショー、こわれた自転車をデザインしなおして新たな価値を生み出すワークショップなど、自転車を通して、社会性、公共性、そしてLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)とは何かを考え、表現しました。期間中は、アートに興味のある人が自転車や環境について考えたり、自転車好きがアートと環境に出会ったりするなど、環境問題をアートで表現することの可能性を感じるイベントになりました。デザインニッポンの会では、こうしたワークショップやトークイベントなど、様々な企画のボランティアスタッフや学生インターンを、随時募集しています。

放置自転車、アフリカに渡る

松山からモザンビークに送られた自転車
松山からモザンビークに送られた自転車

 CO2削減に貢献するエコな乗り物である一方、放置自転車は、歩行者の通行を妨害し、お年寄りや体の不自由な人が安全に通行できないなど、地域で深刻な問題になっているという皮肉な現状もあります。四国で活動するNPO法人えひめグローバルネットワークでは、放置自転車をアフリカに送って、有効に使ってもらう活動をしています。
 アフリカのモザンビークは400年以上もの間、植民地支配を受け、1975年に独立した後にも東西冷戦の影響で内戦が16年も続いた、アフリカの中でも最貧国といわれる国です。和平協定が結ばれた後も、残存する武器は100万丁とも1,000万丁とも言われています。そんな中で、和平交渉に関わったNGOを中心に、世界中からミシンや自転車などの生活用品を送ることで武器と生活用品を交換する「銃を鍬へ」という平和構築プロジェクトが生まれました。えひめグローバルネットワークはその主旨に賛同し、2000年から計5回500台の自転車を送っています。国内ではゴミになってしまう放置自転車が、海を越えたアフリカで、水汲みなどに活用されているのです。

 今大ブームの自転車ですが、視点を変えると、環境ボランティアの入り口にもなるのですね。

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