繊維製品のタンス在庫(着る機会がなく家のタンスに眠っている衣類)の期間は約6ヶ月といわれていて、常に新しいものをとっかえひっかえ、古くなったものはほとんどがゴミの回収に出されています。
日本では年間約250 万トンの繊維製品が消費され、200万トン近くがリサイクルされるかゴミとして捨てられています。そこから、中古衣料として再使用されているのは約17万トン、工業用雑巾やぬいぐるみの詰め物などに再利用されるのが25万トン程度。残りの約150万トンはゴミになっているといわれています。
リユース・リサイクル率は20%以下。リサイクル率が50%を越える古紙やビン・カン、ペットボトルなどに比べ、衣類のそれはとても低いのです。
過去5回のコラムでご紹介したように、エシカルな視点でファッションを選択することはとても大切です。ただ、買い物をする前に、服がとても短いサイクルで飽きられ、捨てられていることも知っていただきたいのです。エシカルな行動とは、人として恥じない行き方・行動だと思うのです。
当社ではまだ製品の回収は行っていませんが、製品を作るときにどうしても発生する裁断くずや残布など、通常は産業廃棄物になってしまうものの活用に、いろんな工夫をしてきました。
そのひとつが「エコ・かわいい」というシリーズです。
形が不揃いな生地を縫い合わせて一枚の布にし、それを使ってヌイグルミの専門店でテディベアを作っています。縫製の一部は、知的障害者の授産施設にお願いしています。
また、この考え方をもっと発展させて、若手ファッションデザイナーによる縫い合わせ生地を使った洋服作りも始めています。
中古衣料として分けられた衣類は、そのまま東南アジア方面を中心に輸出されます。衣料品として使えない場合の再利用法のひとつは、生地をほぐして反毛し、糸にして軍手などを作ることです。
通常売られている綿の軍手はほとんどがリサイクル品で、いろんな色の衣料品から作られているのですが、漂白剤で白くしています。
私はこの“漂白”にチョット疑問を感じているのです。
わざわざ白くしなくても、そのときの衣料品の色で多少の色違いがあっても良いのではないかと思うのですが、それでは売れないのでしょうか?
やはり白は清潔感があって、新品という感じでよいのでしょうか。
そう思っていたら、繊維リサイクルの会社、(株)ナカノさんが、中古衣料をそのまま原料として使い、染色や漂白をしていない軍手の販売を始めました。是非、お試しください。
戦前、まだ紙がとても大事に使われていた頃、紙の原料のほとんどは中古衣料でした。現代の常識からは考えづらいかもしれませんが、衣料も繊維なので、紙が作れるのです。
しかし戦後は安い木材パルプが原料になって、現在のように紙が大量消費されるようになりました。
当社ではすでに10年以上、脱脂綿や化粧用のコットンを作る過程で出てくる落ち綿やカット屑を使って、再生木綿紙を作っています。
事の発端は脱脂綿の工場に行ったとき、綺麗に処理された脱脂綿の屑が焼却炉の前に野積みにされているのを見たことからでした。その昔は布団や座布団の中綿として使われていたのですが、今はその需要もなくなり焼却処分されていたのです。それはあまりにももったいなく思い、三島製紙(現在の日本製紙パピリア)に頼んで紙にしてもらったのです。
再生木綿紙の登録商標
当社のカタログ、便箋、封筒、名刺などはこの再生木綿紙を使っています。
弾力があってふくよかで、油の吸収力が良いので、最近エコインクとして使われている大豆インクにはとても相性が良い紙です。
学校のレポート作りでとても役に立ちました。ありがとうございます!
(2021.02.03)
宿題の新聞づくりに役立ちました
(2020.01.05)
僕は中学生なんですが家庭科の授業でこのサイトを見てわかりやすくまとめていていいと思いました。
(2019.12.13)
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