コットンは天然繊維です。日本の衣料用繊維消費量の約40%を占めており、私たちの生活に欠かせない素材のひとつです。
なぜこれほど広く使われているのでしょうか?
それは「安い」「手入れが簡単」「加工がしやすく」「肌にやさしい」からでしょうね。
何か肌に疾患があった場合、皮膚科の先生は、最低限コットンの下着か布を使うように指導しているそうです。
そういえば、脱脂綿とか包帯もコットンでできていますよね。
これから汗ばむ季節です。
汗を吸い取ってくれて、余分な湿度を吸収してくれるのも、コットンのやさしさですよ。
ところで、最近は布の生理用ナプキンがブームになっているのをご存知ですか。高分子ポリマーのいっぱい入った化学繊維の通常のナプキンでかぶれる女性が増えているのです。
ポリマーは吸収力がすぐれているので、吸い取らなくても良い経血まで吸い取ろうとするために体に負担がかかり、人によっては、生理痛がひどくなる場合もあるようです。
また、布のナプキンは洗濯して繰り返し使えるのでゴミを出しません。チョット手入れは面倒かもしれないけれど、自分の身体の負担が減ることを考えると使いたくなりませんか。
こんな風に、肌にはやさしいコットンですが、発展途上国での綿栽培現場では、たくさんの子どもたちの人権が脅かされています。
例えばインド。ここでは6歳から14歳くらいまでの子どもたちが学校にも行かせてもらえずに労働者として使われています。 国の主要輸出産品であるコットンの畑では、その数が40万人以上と言われています。
なかでも、初潮前の女の子たちの仕事になっているのが、綿の種を人工授粉させて品種改良し、質の良い高額な種を採る作業です。
なぜかというと、綿花畑の農場主が「コットンはピュアなものなので、種付け作業をするのもピュアな女の子でなければならない」という固定概念を人々に植えつけているからなのです。それによって、たくさんの女の子たちが作業にかり出されるのです。
子どもの賃金は大人の3分の1くらいです。経営者としては同じ仕事をさせるなら賃金が安い方が良いのです。
だから、子どもが働いて、大人たちは失業をしているという、とても理不尽な事が綿の世界では起こっているのです。
私たち日本オーガニックコットン協会では、このような理不尽なことや環境にダメージを与えることのない工程を経た、オーガニックコットンの啓蒙普及に取り組んでいます。
基準を設けて管理監督をし、それに則って栽培され製品化されたものを認証するのも活動のひとつです。正しい事実を伝え、よりベターな方法で生産された商品を消費者の皆さんにお届けしたいと願っています。
オーガニックコットンの生産量は、いまだコットン全体の1%に過ぎません。
コレを10%までに引き上げるのが当面の目標です。
この目標達成に皆さんのお力をお借りしたいのです。
国内のオーガニックコットンプロジェクトを通して棉(綿)に関心を持ちました。
消費者が正しい知識を身に着けて、品物を選んで買うようにならなくては・・・。
(2015.03.30)
インドの現状を知ってとても悲しい気持ちになります。僕も栽培に協力したいです。奈良県の川口由一さんらがされている自然栽培ではできたりしませんか?
(2013.11.26)
オーガニックコットン産業の統計情報は、Organic Exchangeという組織が取り
まとめており、2008/09年の国別生産量は、インド(107,510トン)がトップ、
次いでトルコ(27,324トン)やシリア(22,000トン)と中東?西アジアが多く、
アメリカは2,729トンと世界第6位になっているようです。
なお、この年の世界合計の生産量は175,113トンとされ、これは綿花生産量
(2360万トン)の1%近くになっているとのことです。
(2012.10.24)
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