最近のファッション界はH&M、ZARA、Forever21等のファーストファッションの活躍を取り上げています。ファーストファッションとは、「同じものがいつでもどこでも安く」というファーストフードの要素に、ファッションには欠かせない「流行」を加えた衣料品のブランド、販売形態のことです。
つまり、短いサイクルで流行の新商品を次から次に作り買ってもらうことを意味します。…ということは商品の命はとても短いものです。
商品の価格を見ると、本当にやっていけるんだろうかと思います。それに、海外で彼らはそれほど一流の場所に店舗を構えていないのに、この土地の高い日本で一等地に大きなスペースの店舗があるのは不思議です。
以前、エルメスジャポンの社長が、ラグジュアリーブランドとは何でしょうかという質問に、「歴史を作ることです」と答えました。そして彼は自分で使っているエルメスの名刺入れを出して「これはすでに7?8年使っています。そしていまだに使えます。その間、たくさんの思い出を作ってもらいました。これを見ているとその思い出がよみがえってきます。ブランドとはそのように自分の歴史、思い出をつくってくれるものではないかと思うのです」…このようなお話でした。
ファーストファッションは、買い手にとっては安くてよいかもしれませんが、時間をかけて作ったものはそれと比例した商品価値と命の長さがあるように感じます。
一流のブランド、ラグジュアリーブランド、これらはある意味ではエコでありエシカルであると思いませんか。
先日、690円のジーンズが発売されたというニュースがテレビや新聞をにぎわせました。
その数ヶ月前には990円、890円のジーンズの話題で持ちきりだったのに…。
企業としては去年よりは今年、今年よりは来年と、とにかく成長をする事が目標であるとは思いますが、本当にそれは消費者が望んでいることなのか、そしてそれを地球が望んでいることなのか?
今だから、この事を真剣に考えるべきときなのに、大きな企業が考えたことは990円、890円、それよりももっと安い690円でどうだ!!!って、その方向に行ってしまったのですね。
格安ジーンズが華やかに(?)デビューした数ヶ月前、あるセミナーで「890円のジーンズは必要か?」というテーマのダイヤログカフェ(円卓会議)を行い、約20名の皆さんが必要、不必要を討論しました。
必要と思う人の意見としては、
不必要と考える人の意見としては、
などがありました。
放浪のデニム(レイチェル・ルイーズ スナイダー著、矢羽野 薫 翻訳、エクスナレッジ刊)
ジーンズをめぐって世界各地を旅した著者が、その取材を通して、グローバル経済が意味するものをあぶり出していく一冊です。
いま改めて皆さんに「690円のジーンズは必要?」と問いかけたいと思います。
何か大きな犠牲を私たちは強いているのではないかと思うのです。
人に対しても地球環境に対しても。
消費者がマーケットを動かしているのです。
きちっとした判断ができる消費者、賢い消費者になるために、今日からその判断の基準に『地球にとってどうなの?』 を、加えてみてください。
一人一人の倫理観や、精神性も問われるのかなと思いました。
若者にとってはその時代の環境も大いに影響しますが、その中でもいつの時代も「物を大切にする」という精神性や倫理観や慣習や習慣が個々に差があれど芽生えたり備わるものであると願います。
そして商品化する側も、
消費する・される という目線や意識ではなく
生み出す・される・生み出された という視点とスタンスで開発されることを私自身は望んでいます。
意図されて生み出されたものは、手にした側に伝わります。そして自然に大切にしようと無意識の中の意識が働くのかなと感じました。
(2017.08.30)
ザ・トゥルー・コスト ?ファストファッション 真の代償?というDVDを見ました。自分が服をファストファッションで買い、不要になったら廃棄していることを人間としてとても恥ずかしく思いました。690円のジーンズのような低価格な衣類をめぐり、バングラディッシュなどの政府が自国の国民と自国の環境を守れない現状を世界中の人が知るべきと思います。私たちはそのような現状も知らず、平和ボケしていて、今にその代償を支払う時が来ると思います。物質的に豊かであったとしても、心が貧乏で、CMや周りに踊らされている現状を知るべきです。
(2017.01.22)
色んな立場の人がいて、立つ位置が違えば見えてくるものもありますね。
日本の子供が6人に一人貧困、というニュースを見て良く調べたら(ここだけ切り取るとまた誤解を産みそうですが)「皆が行っているのにディズニーランドに行けない家庭の子」「皆がもっているのにゲームを買うことが出来ない家庭の子」も「貧困」に入っているそうです。
衣・食・住だけでは「普通」とみなされない社会なのだということですね。
そんな中、「新しい服を着ている」ことが当たり前になり、古いものを着ていると「貧乏」のレッテルを張られてしまう・・・そんな社会の在り方自体が問われる、大きな問題だと思いました。
私も「ブランド派」ではありません。
気に入ったものを大事に使う、それでいいのではないかと思います。
金額で物事を推し測るのはどうでしょう。
「安かったから」と必要以上に買い込む方や、「高かったら」としまい込んで捨てることもあげることもしない方の話を見聞きします。
気に入ったものを使って、ダメになったら次の使い道を考えて、最後までまっとうさせてあげること、その行為自体がが「あたりまえ」になるといいと思います。
(2015.03.30)
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