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「暮らしに役立つ食と防災」バックナンバー

0032024.12.24UP即食レシピとお湯ポチャレシピ

 2024年12月現在、防災や災害食、缶詰レシピ、レトルトアレンジレシピ、お湯ポチャレシピ、SDGsクッキングなど本を22冊出しています。3回目の今回も、前回に続いて本に込めた思いをご紹介させていただきます。

断水しているときに役立つ即食レシピ®

 私は2011年3月11日東日本大震災をきっかけに災害食の研究を始めました。
 「被災した時は何を食べればいいですか?」「備蓄におススメの食べ物を教えて下さい」と聞かれることが多いですが、食べ物は好みがあるので正解がないのが難しいところ。私と私の子どもたちとですら好みが違います。長期保存可能な食品をしまい込んでしまうと、うっかり賞味期限を切らしたり、口にあわないこともあります。特別なものを食べることがストレスになることがあるので、条件で選んではいけないと思いました。
 災害が起きた後は「非日常」が続くことがストレスになります。そういう時にこそ、いつも食べ慣れたものを食べることが大切です。「何を備えるか」より「普段食べているものを被災したときどうやったら食べられるようになるか」と考えるほうが良いと思い、「災害時に役立つ かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん」(清流出版)を2016年8月に出しました。
 「もしもごはん」では、ポリ袋に材料を入れて混ぜるだけの即食レシピ®をご紹介しています。ポリ袋の中に材料を入れて混ぜるだけなので、火も水も使わず衛生的に作ることが出来て、お子さんの「お手伝いしたい」という気持ちに寄り添うことも出来ます。ポリ袋を器に広げてそのまま食べると洗い物も減らせて、普段調理をしない方からも「これならできる!」と好評です。ツナ缶、鯖缶、コンビーフ、コーン、切干大根、カットわかめなどがあれば、色々アレンジすることができます。もしもの時、家にある食材を組み合わせて作れるようになってほしいです。


災害時に役立つ かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん(清流出版)2016年8月

災害時に役立つ かんたん時短、
「即食」レシピ
もしもごはん
(清流出版)2016年8月

「もしも」に役立つ! おやこで防災力アップ(清流出版)2017年8月

「もしも」に役立つ!
おやこで防災力アップ
(清流出版)2017年8月


お湯ポチャレシピ®でどんな時でも温かい食事を

 温かい食事は生きる気力になるので、被災した時も温かい食事をとって欲しいと願っています。いつも食べているホカホカごはんや味噌汁を口にすることで、日常を取り戻すことができ、心がほっとすると思います。ライフラインが止まった時も工夫して温かい料理が作れると心強いと思い、「もしもごはん2」と「もしもごはん3」(共に清流出版)を出しました。
 「もしもごはん2」と「もしもごはん3」では、耐熱性のポリ袋に材料を入れて湯煎するお湯ポチャレシピ®をご紹介しています。一般的にはパッククッキングと呼ばれているポリ袋調理のことです。お湯につけてゆらゆら温まるイメージでお湯ポチャレシピと名付けました。「今年の流行語大賞を狙っています!」と言い続けて5年くらい経ったでしょうか。残念、なかなか盛り上がりません。1回目でご紹介しましたが、私の目標とする人は『ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじ』です。お湯ポチャレシピを作る時、お風呂大好き茶碗風呂に入る目玉おやじを思い出しています。
 停電したときは冷蔵庫救出作戦!まずは冷蔵庫にある食材を活用することが大事です。
 お湯ポチャレシピ(湯煎調理)で、ご飯、パスタ、蒸しパン、お餅、汁物もおかずもデザートも作ることができ、肉、魚、卵、野菜などを活用できるので、冷蔵庫の食材を無駄にしないですみます。1つの鍋で何種類も同時に作ることができ、湯煎に使った水は汚れないので繰り返し使うことができるのがいいところ。お湯は蒸しタオルなどに再利用もOK。断水している時に有効な調理法です。
 実際に、私は2020年に足を骨折して1か月間ギプス生活だった時にお湯ポチャレシピで過ごし、1か月間一度も鍋を洗わずにすみました。湯煎に使う水は蒸発した分を足すだけ。洗い物がないと本当に楽!この経験から「備えがあれば毎日温かい食事を摂ることができる」と自信になりました。そのためにも水、食べ物、耐熱性のポリ袋、カセットコンロとカセットガスボンベの備えは欠かせません。お湯ポチャレシピ®でどんな時でも温かい食事が摂れますように。


災害時でもおいしく食べたい! 簡単「みそ汁」&「スープ」レシピ もしもごはん2(清流出版)2019年8月

災害時でもおいしく食べたい!
簡単「みそ汁」&「スープ」レシピ
もしもごはん2
(清流出版)2019年8月

免疫力アップレシピ もしもごはん3 災害時も、普段も、役立つ「お湯ポチャ」調理(清流出版)2021年7月

免疫力アップレシピ
もしもごはん3
災害時も、普段も、役立つ「お湯ポチャ」調理
(清流出版)2021年7月


普段から作って慣れておくことが大切

 補足になりますが、2021年にNHK朝の情報番組でオートミールレシピをご紹介したことがあります。その1年間は色々な媒体からオートミールレシピ作成のご依頼を多く頂いて、気が付いたことがあります。2020年に緊急事態宣言が出されてステイホームになった時、あらゆる食べ物が売り切れになりました。その時、たまたま売り場にあったオートミールを慌てて購入した方が多くいらして、大半の方がしまいこんでしまったようです。1年後、「賞味期限がそろそろ切れそう!ところで、オートミールはどうやって食べれば良いの?」と聞かれることが多く、普段食べない方は食べ方がわからないものだと再認識しました。
 即食レシピもお湯ポチャレシピも普段から作って慣れておくことをおススメします。普段やっていないことは、災害が起きたからと言って急には出来ないと思います。臨機応変に作れるようになるには、普段から作って慣れておくことが大切ですね。


お湯ポチャレシピでカレー餅をつくっているところ

お湯ポチャレシピでカレー餅をつくっているところ


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バックナンバー

  1. 001「目玉おやじに私はなりたい」
  2. 002「防災と食の本に込めた思い」
  3. 003「即食レシピとお湯ポチャレシピ」

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