喉が渇いた…と思ったら、自動販売機やコンビニで、手軽にペットボトル飲料が買える昨今。買って飲んだ後は、リサイクルのゴミ箱へ捨てているという人も多いかもしれません。しかし、このシリーズの最初で書いたように、ペットボトルやプラスチックは回収されても実際にリサイクルされている量はわずかです。
毎日毎日生み出されるペットボトルのゴミ。一年中暑くて、飲み水が欠かせないバリ島では、年間何万トンというペットボトルがゴミとなってあふれているそうです。そして、無残にも捨てられたペットボトルが、美しいビーチへと押し寄せています。
そんな状況を危惧し、自分たちの暮らす美しい海とビーチを守ろうと立ちあがった、バリ島沖に浮かぶ小さな島・レンボンガン島の小さなカフェの取り組みとオーストラリアのペットボトル・ゴミ対策をご紹介します。
バリ島のサヌール・ビーチから高速ボートで約30分のところにあるレンボンガン島。島の周囲には、美しい珊瑚礁が広がっているため、絶好のダイビング&シュノーケリング・スポットとして知られ、毎日、バリ島から日帰りの観光客が大勢押し寄せます。
レンボンガン島では、バリ島同様、水道水が飲めません。飲み水は、買うのが当たり前、ペットボトル入り飲料水が大量に消費されています。そして、観光客らが帰った後、島に残されるのはペットボトルのゴミの山。島にはきちんとしたゴミ処理施設がないため適切な処分がされず、一部が海へと流れ出ています。心ない人が、その辺に廃棄してしまうことも多く、それらが再び島へと流れ着き、景観と環境を汚す事態となっているのです。
島にある小さなカフェ「バリ・エコ・デリ」は、そんな現況をなんとかしたい!と、自ら進んでペットボトルを減らす取り組みを始めたそうです。
このカフェでは、空のペットボトルを持ってきたお客には、すべてのメニューから10%の割引、さらに、詰め替えできるマイ・ボトル持参者には、詰め替え用の飲料水を無料で提供。また、ペットボトル以外にも、使い捨てとなってしまうプラスチック製のストローやレジバッグなども使用しない方針と、かなり徹底したプラスチック・ゴミの削減に努めていました。
マイ・ボトルの携行を勧める取組みは、オーストラリアではかなり以前から、行政機関が率先して行ってきました。
2008年から「フィルタード・ウォーター・ステーション(フィルターを通した安全な水が無料で汲める設備)」を18ヶ所設置してきたシドニー郊外のマンリーでは、600ミリリットル入りボトル換算で年間200万本分の水が詰め替えられると試算しています。これによって、最大80トンのペットボトル・ゴミが削減される計算になります。
また、オーストラリアの日用品売り場に行くと、たくさんのマイ・ボトルが売られています。カラフルでかわいいものから、冷たさが持続する仕組みの実用的なものまで、色も形態も様々。主要都市部では、無料で詰め替えできるフィルタード・ウォーター・ステーションが、そこかしこに設けられていますので、持参したマイ・ボトルが大活躍!最近では、空港にも設置されていますので、液体物の持ち込みが厳しくなった今、空のマイ・ボトルを持ち込んで、出発ゲート近くで汲んでから搭乗する人の姿も見られるようになりました。
私も外出時には、できる限り持参するようにしていますが、飲料水だけでなく、海外では入手しにくい冷たいお茶や自家製ジュースなど、好きな飲み物を入れて持ち歩けるので、とても重宝しています。
安易に購入するのではなく、一人一人のちょっとした心がけで、減らせるペットボトルのゴミ。行政機関が大掛かりな設備を設置するのは難しくても、レンボンガン島のカフェのようなところが増えれば、マイ・ボトルを持ち歩く人も増えるのではないでしょうか?
島にプラスチックボトルが溢れてるとは知りませんでした ごく当たり前に消費してるものが海を汚している事も、マイボトル良いですね ∧∧/
(2016.03.12)
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