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「生活密着型のカーボンオフセットを!」バックナンバー

0062011.05.02UP終章:カーボンオフセットの広がりを期待して──

CO2排出の見える化

 今回は、これまでのコラムの中で触れたカーボンオフセットに関することを、皆さんの生活の中でどう活かしていくか、ふり返ってまとめていきたいと思います。
 まず最初に、カーボンオフセットの基本はこういうコトでしたね。

  1. 自分の出しているCO2の量を知る(見える化)
  2. それを減らす努力をする
  3. どうしても減らしきれない排出量はカーボンオフセットする。

 1人の人間は1日平均320kgのCO2を呼吸から排出しています。これは、杉の木23本が吸収する量に相当すると言われています。
 さらに自動車(自家用車)に乗れば、平均2,300kgのCO2を排出します。これは杉の木165本が吸収する量になります。
 例えばこういうことが、自分の出している量を知ること(見える化)です。
 これらのCO2をいかに減らしていくか、みんなでそれぞれ考えたいですね。

 下図は、何を削減しようかと考えるのに役立つと思います。あくまで全国の平均値ですが、多いのは、電気から、ガソリンからですね。
 例えば電気ですが、お金を払っているんだから好きなように使っていいだろうという考えは、もう改めないといけません。もし皆さんがお金に困っていないのであれば、照明を電球や蛍光灯からLEDに変えてみたり、エアコンや冷蔵庫を最新にするといいでしょう。
 どれも最初にお金がかかりますが、電気使用量、つまりCO2排出量がぐっと削減できます。エアコンや冷蔵庫は、10年前に比べて半分から3分の1になっています。

【図1】家庭からの二酸化炭素排出量(用途別内訳)
【図1】家庭からの二酸化炭素排出量(用途別内訳)

【図2】家庭からの二酸化炭素排出量(燃料種別内訳)
【図2】家庭からの二酸化炭素排出量(燃料種別内訳)

削減の方法論

 特に今回の震災では、電気の需要と供給のバランスが崩れました。
 日本全体で電気が不足しそうなときに、自分は何を削減できるのか。
 上図を見ると、電力消費が多いのは、照明・家電製品からですね。
 使っていない照明、テレビなどの待機電源はこまめに消す。これはもう当たり前ですよね。エコレポを読むみなさんなら実施している方は多いと思います。

 それから、せっかく太陽が照っているんだから、日の出から一日の活動を始めて、日没とともに活動をお終いにする、なんていう生活にすれば、照明を使うことは大きく減ると思いますが、なかなかできませんよね。
 そこでサマータイム制度です。これは、日が長くなってきた夏の間に時計を1時間進めて、朝早い時間から太陽の明るさや涼しさを利用して活動をして、照明やエアコン代を節約する制度です。欧米を中心に世界の約80カ国で採用されています。

【図3】サマータイムの実施状況(青色は実施国、オレンジ色はかつて実施していたが、現在は実施していない国、赤色は一度も実施したことがない国)
【図3】サマータイムの実施状況(青色は実施国、オレンジ色はかつて実施していたが、現在は実施していない国、赤色は一度も実施したことがない国)

 時計は夕方の6時だけど本当は5時、帰宅したらまだ家が蒸し暑い、なんていう時には、第一話でお話しした、先人の知恵に習って、風鈴を窓に付けたり、打ち水をしてはいかがでしょう。

 ガソリンについていえば、自家用車よりもバス、バスよりも電車、電車よりも自転車・徒歩、と交通手段を考え直すことです。自家用車を1人一台持ち、ちょっとしたことにも乗り回す、というライフスタイルも見直してみたいですね。

 あと、食品や日用品の買い物には、地産地消を基本にして、なるべく地元で作られたものを選ぶと、配送時のトラックから出るCO2を間接的に減らすことができます。

カーボンオフセットをするには

 これらの削減努力をしたのちに、それでもどうしても出てしまうCO2をカーボンオフセットによって“減らす”わけですが、個人でカーボンオフセットというと、なかなかやり方がわかりづらいと思います。
 そこで、買い物をするときにできることのひとつが、第二話でお話しした、カーボンオフセット付き商品です。まだまだ品数は少ないですが、同じものを買うならカーボンオフセット付き商品を選ぶこと、これはかっこいいライフスタイルですね。

【図4】ローソンLoppi端末
【図4】ローソンLoppi端末

 もっと手軽な方法として、コンビニのローソンでは、店頭端末機のLoppi(ロッピー)からカーボンオフセットを購入できます。200kgのCO2で1,050円、500kgで2,500円、1トンは4,500円と、3種類を取り扱っています。

 また、筆者の会社「グリーンプラス」でも、中国・内モンゴルへのカラマツ植林1本分(250kg相当)を1,260円で、環境省のJ-VER制度を使った森林吸収1トン分を15,000円で、個人の皆様にも提供しています。

 今後、カーボンオフセットという概念は、ますます広がっていくことが期待されます。その時には、まず「自分の排出量を知る」「削減努力をする」「カーボンオフセットをする」。この3ステップを思い出して、実行して下さい。

 この原稿を作成している間、大きな地震がありました。
 東日本大震災で被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。

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このレポートへの感想

エコナビ事務局です。ご覧頂きありがとうございます。

本記事は、2011年5月現在の状況により執筆されたものです。
本文中に紹介されているローソンのカーボンオフセットの販売は、2013年1月より価格の変更がありました。
詳しくは、ローソンの「CO2オフセット運動」のページをご覧ください。
http://www.lawson.co.jp/company/activity/co2/howto.html#howto02
(2014.01.29)

去年ローソンで我が家のCO2をオフセットしました。1トンが2500円でした。今年は1トンが4500円になったのでしょうか?
(2014.01.29)

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