連載第1回では、地球温暖化防止のためのカーボンオフセットの第一段階、「自らの排出量を知る事」「削減努力」について触れました。2回目の今回は、それでも削減が困難な日常生活や経済活動で排出されるCO2をオフセットする取り組みについて紹介していきたいと思います。
削減しきれないCO2を、他の場所で実現したCO2の削減・吸収活動に資金提供することで埋め合わせをするのが、カーボンオフセット。この取り組みをするに当たって、まずは市場に流通するカーボンオフセットの類型を紹介したいと思います。
最近、「カーボンオフセット付き○○」など多くの商品が流通していますね。
年末には、カーボンオフセット付き年賀はがきも売られていました。
この年賀はがきの場合、1枚につき5円の寄付金が付加されています。この寄付金が、途上国の環境対策、国内林業の活性化などを推進するプロジェクトの資金源となることでカーボンオフセットが実現します。
その他、ウチの会社では某アパレルメーカーさんの、竹の繊維で作られたTシャツを1枚購入するごとに1kgのカーボンオフセットができる商品を提供しています【1】。
また、カーボンオフセット付き旅行など、モノだけにとどまらず、サービスにもカーボンオフセットは付加されています。
国際会議やコンサート、スポーツ大会など、イベント開催時のCO2排出をオフセットすることもあります。CO2は関係者や使用機材の移動に伴う交通によって大半が排出されています。そこで、排出量に相当するCO2の排出権を購入したり排出削減事業に寄付をしたりすることで相殺しようというものです。2008年の洞爺湖サミットで取り入れられたことでも注目を集めました。
以前ウチの会社では、埼玉県にオープンした「レイクタウン越谷」のオープニングセレモニーで、カーボンオフセットライブを実施したコトがありました。
ライブを聞きに来て下さったお客様を相手に、カーボンオフセットブースから、いくらご説明をしても、真剣に興味を持って下さる方は、ほとんどいませんでした。
しかし! ライブのアーティストがマイクを通じて呼びかけると、多くの方が興味を持ってくれました。
まだまだ身近ではないカーボンオフセットですが、身近な人や好きな人から言われると、効果も大きいようですね。
皆さんも家族やまわりの友人と、カーボンオフセットについて話し合ってみてはどうでしょう。
自己活動によるオフセットとは、文字通り、自らの活動で排出してしまったCO2をカーボンオフセットするというもの。
例えば、自社ビルの空調や照明などエネルギー使用で排出されるCO2をオフセットしたり、日常生活で使用する自動車や電気使用などから出るCO2排出のオフセットに取り組んだりするケースがあります。
海外の人気テレビドラマ『24』では、撮影で排出したCO2のカーボンオフセットに取り組んだそうです。
まず、制作中に発生するCO2について、電気・原油・乗り物・特殊効果に関するデータを集めて分析、「見える化」したそうです。これらに対して、グリーン電力を購入したり、セットで使用する電球を白熱灯から蛍光灯に変えたりと「削減努力」をした後に、制作上不可避なCO2排出分について、カーボンオフセットを実行したとのことです。
また、出演者4人が気候変動問題に対する意識を高めるため、CMで視聴者に呼びかけを行ったそうです。
こうして色々な分野に広がっているカーボンオフセット活動。さらに理解が深まっていってくれるといいなと思います。
次回は、カーボンオフセットをするに当たって、実際にCO2がどうして削減したと言えるのか、CO2の削減・吸収活動プロジェクトにはどのようなものがあるのか、ご紹介したいと思います。
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