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「DXで変わる、啓発活動のあり方」バックナンバー

0052022.07.12UPオンラインイベントの運営方法とは?<前編:準備編>

 コロナ禍も3年目に突入し、イベントをオンラインで開催することは、緊急時の対応としての手段ではなく、企画の目的や参加者に合わせた、最適な開催手段の選択肢の一つになりました。このように、ビジネスシーンに定着したオンラインイベントの運営方法について、企画、集客などの準備から、配信、問い合わせ対応などの当日運営までを、前編と後編の2回に分けて解説します。

1.オンラインイベント運営の企画

 最初に考えるのがイベントの企画です。
 企画で重要なのは「なぜイベントを行うのか?」という目的です。あるテーマについての関心を集めたい、主催団体や関連企業の認知度を高めたいなど、イベントの開催目的をしっかり決めて、メンバー間でいつでも共有できるように明文化しましょう。
 次に「誰に」「何を」届けるのかということを考えます。
 できるだけ多くの人に届けたいというのが本音ですが、ここで大切なことは「誰」を対象とするのかターゲットを絞ることです。「誰に」届けるのか、ターゲットを明確にすることで、イベントの構成や内容をどうすべきか、配信の日程や時間帯も最適なものを判断しやすくなります。
 開催日時、構成や内容といったイベントの基本的な枠組みが決まったら、実施方法の詳細を考えます。オンラインイベントならではのポイントとして、①アーカイブ視聴をできるようにするかどうか、②アーカイブ視聴をできるようにする場合は、期限を設けるかどうかも考えて、決めておきます。

2.ツール選び

 オンラインイベントで重要なのが「ツール選び」です。
 オンラインイベントで提供したい体験や、ターゲットの視聴環境などを考慮してツールを選びましょう。私の場合、情報発信がメインの一方向型オンラインイベントはYouTube、参加者からの発言の場やグループワークの時間を設けた双方向型は、ZoomなどのWeb会議ツール、というように、ツールの特性を活かした使い分けをしています。
 ツールごとの特性については前回の記事で詳しく書いたので、ぜひご覧ください。

【参考】DXで変わる、啓発活動のあり方004「オンラインイベントのツール選びは場所選び」

3.集客

Peatixでのイベントページ例

 次は集客です。
 団体のメールマガジン、オウンドメディアやソーシャルメディアでイベント告知を行います。ソーシャルメディアではむやみな情報発信はせず、ターゲットとなる参加者層に情報が届きやすいSNSを選択します。イベント情報を一つのページにまとめたサイトを比較的短時間で作成できる「ペライチ」やイベントページ作成に特化した「Peatix」「EventRegist」などのサービスを活用すると、イベントのURLをシェアして集客活動ができるのでおすすめです。特に、イベントページ作成に特化したサービスは参加者管理機能もあり、少人数でオンラインイベントを運営しなければならない場合は、参加者への連絡や問い合わせ対応などの手間を省けるので、非常に効率的です。


4.その他、イベント当日までに準備しておくべきこと

 オンラインイベント当日までに準備、対応をすませておきたいことは次の5つです。

・進行表の作成

 イベントのプログラムを進行表にまとめた上で、どのようにイベントを開始するのか、画面共有は誰が行うのか、休憩のタイミング(始め方、終わり方)なども進行表に記載します。完成した進行表は、事前にイベント関係者に共有し、全体の流れの中での自分の動きや役割をつかんでもらいます。

・機材の構成図の作成

 カメラやマイクなど、複数の機材を使って配信をする場合は、機材の構成図を作成します。どうすれば企画通りの配信が実現できるのかを考えるためにも必要不可欠です。また、オンラインイベントの当日に、音声や映像などの配信に関わるトラブルが起きた場合、原因を素早く突き留めるためにも重要な資料となります。

・オンラインイベントのURLの発行とイベント関係者への案内

 本番配信用のURLやウェブ会議システムのURLを発行します。同時にリハーサル用のURLも発行し、関係者にはリハーサルから当日まで、必要な全てのURLをまとめて案内しておくとよいでしょう。

・参加申し込み者へ当日の視聴URLの送付

 参加のお申し込みをしてくださった方々に、当日の参加方法と視聴URLを書いた案内をメールで送信します。送信のタイミングは、参加申し込みの受け付け時、イベント前日、イベント当日の3回で、欠席率もおさえられるようです。500名を超える規模の参加人数が多いイベントの場合は、当日のお問い合わせに電話でも対応できるよう、電話番号を案内するケースもあります。

・当日の参加申し込み自動受け付けの仕組み

 オンラインイベントは、配信当日にもたくさんの参加申し込みが入ります。場所移動の必要がなく、予定外に空いた時間をうまく利用して視聴できるため、参加者にとっても主催者にとってもオンラインならでは、の利点です。それなりに人数が多いので、申し込みをした方に視聴URLを自動で送信する仕組みを準備しておくと、当日の運営がよりスムーズです。

 今回はオンラインイベントについて、準備のポイントをご紹介しました。次回はオンラインイベントの当日に、どのようなことを行うのか、段取り良く当日運営を行うためのポイントを解説します。

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