「オンラインイベントもイベントのテーマによりマッチした雰囲気にしたい、参加者の体験をコンセプトイメージにもっと近づけたい」
オンラインイベントを運営していると、運営の度に変化を生み出し、さらにより良いものが提供したくなる。
コロナ禍で、Web会議ツールが、日常的に、当たり前のように使われるようになったことで、「何ができるか」という機能面の違いだけではなく、ツール自体が持つ、固有の雰囲気の違いも生まれてきています。
リアルイベントを開催する時、目的や醸し出したい雰囲気に合わせて“場所(会場)”を選んでいたように、オンラインイベントでも、同じように“場所(ツール)”選びの観点が必要です。
コロナ禍でのリモートワークの普及にともなって、日常的な社内会議や取引先との打ち合わせにZoomやTeamsなどのWeb会議システムを使うことが定着しつつあります。使い方の説明が不要なくらい直感的な操作で扱うことができ、だからこそ、今では誰もが使い慣れたツールとなりました。定番ともいえるこれらのweb会議システムをイベント運営ツールとして採用すると、運営側としても、長い前置きや参加者サイドへの事前周知事項が少なく、とても便利です。
リアルイベントの“場所(会場)”で例えるなら、打ち合わせや面談、少人数制のセミナーなどに最適な、社内の会議室のイメージです。
ツールの中でも、使い勝手はピカイチですが、リアルな場でも、社内の会議室で運営しづらい、多人数に参加を募るイベントや、交流会に不向きなように、オンラインでも、大規模なイベントや、参加者同士の交流を促したい場合には、運営面で苦労します。
そこで、参加者全員が発言することのない、1対多数への配信は、ZoomウェビナーやYouTubeなどの配信サービスを使うのがおすすめです。
こちらを、リアルイベントの“場所(会場)”で例えるなら、100-200人以上の規模の多人数を収容できるイベント会場のイメージです。
また、オンライン配信ならではのメリットを活かして、配信映像にテロップをつけたい場合は、Stream Yardがおすすめです。対談イベントなど、パネラーの発言を明確に伝えたい場合、簡単にテロップ付きの映像を配信することができます。
とにかく大勢の人に視聴してほしいイベントであれば、YouTube。視聴数の制限を気にする必要がありません。一人でも多くの人に届けたい!そんなイベントの強い味方です。
1対多数に向いているこれらの配信ツールでは、興味のあるセッションにフラッと参加する、話したい人にだけ、その場で話しかける、といったイベント体験を提供するのは、少々難しくなります。
同じ場所(会場)で、複数のセッションを実施したい、参加者同士の交流をもっとスムーズにしたい、という場合は、oVice、SpatialChat、remo、Gathertownなどのバーチャルイベントスペースの活用がおすすめです。
これらのツールでは、ビデオ会議や、チャット、画面共有など、Web会議システムの機能は一通り備えているうえ、他のセッションで誰が話をしていて、どのぐらい視聴されているのか、その様子もわかる、運営側に嬉しい機能も備わっています。
バーチャルスペースの特徴は、なんといってもオンラインでありながら、「空間」と「距離」を感じることができる点です。
Web会議システムで話をする場合、参加者が2名でも10名でも、同じ画面に表示されるので、参加者同士の間に「距離感」は生まれません。しかし、バーチャルスペースという場所(会場)には、例えば、誰かの話し声が、その近くにいる人たちには聞こえて、遠くにいる人には聞こえない、というような「距離感」が生まれます。
このような特徴をうまく活かすと、Web会議システムを使ったオンラインイベントとは違う新しい体験を、参加者に提供することができます。
実際に、当協会のオンライン支部会でoViceを使ったところ、支部会が一通り終わった後に、オンライン上で参加者同士が会話を交わしはじめる、という交流の機会が自然と生まれて、Zoomを使った場所(会場)では起きなかった、オンラインでの良い機会・体験を提供することができました。
運営側が、万全の準備で配信したとしても、参加者の方々にとって、日頃使う機会が少ないツールであれば、Web会議システムでは起きなかったトラブルや質問も出ます。
「どうやって話しかけたら良いのかわからない」、「バーチャル背景が使えると思ったのに使えない」などせっかく提供できるオンラインでの交流の機会や、おもしろい体験が、不便さや煩わしさを感じさせてしまうことにもつながりかねません。こういったネガティブな体験を防ぐために、オンラインイベント参加方法のマニュアルを事前に送付する、当日までにスペースに入って環境に問題がないか、参加者自身に参加時のネットワークや利用する機器の環境をチェックしてもらう、本番では、冒頭で操作方法について説明をする時間を設けるなど、参加準備を丁寧にサポートしましょう。
運営する立場でも、新しいツールを採用する際は、習熟に時間がかかり、万全な準備で当日を迎えても不安はつきませんが、思わぬ効果も期待できます。当協会でも、オンラインイベントの“場づくり”に妥協することなく、イベント運営の回を重ねるごとに参加者の方々により良い体験を提供できるよう、チャレンジを続けます。
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