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「世界中の「子育て家族」から最も愛される旅館へ」バックナンバー

0072024.10.22UP国立公園の中のプレイスペース

 伊勢志摩国立公園は、美しい海岸線や豊かな自然、歴史的な神社仏閣が魅力です。英虞湾のリアス式海岸や伊勢神宮は日本の風土と文化を象徴し、真珠養殖など独特の産業も体験できます。四季折々の景観と文化的な背景が織り成すこの地域は、自然と歴史が調和した特別な観光地です。お客様も伊勢志摩を訪れるたびに、本当に喜んでいただくケースが多いです。


 そんな自然豊かな土地にある旅館の中に、屋内プレイスペースを作りました。本来であれば屋外での体験機会を用意した方がいい?と考える方も多いかもしれません。しかし、屋内プレイスペースを設置することは、家族連れの顧客にとって大きな魅力となります。

 今回は、国立公園の中にある旅館に、あえて「屋内プレイスペース」を設置する理由と、その際に考慮すべき条件について詳しく説明します。

家族それぞれの過ごし方

 多くの家族は、日常の忙しさから解放され、家族全員がリラックスできる場所を求めて旅行に出かけます。しかし、子供たちは長時間じっとしていることが難しく、旅館での滞在中も遊びたい欲求が強い場合も多いです。また、旅館に来る前に外での観光やアクティビティを終えているため、大人は休憩がしたくなることが多いと思います。屋内プレイスペースで子供たちは楽しく遊ぶことができ、親は交代で温泉を楽しんだり、ゆっくりと休息を取ったりすることができます。
 また、朝食の前後で、プレイスペースで遊ぶ姿もよく見かけます。話を聞くと、朝一番に子供たちが遊んで満足することで、旅館での滞在やその後の旅程がスムーズに進みやすくなり、家族全体がストレスフリーで過ごせるようです。



悪天候時の対応策

 他の視点もあります。旅行中の天候は予測が難しく、特に雨や雪などの悪天候時には、屋外での活動が制限されてしまいます。このような状況でも、屋内プレイスペースがあれば、子供たちは天候に関係なく楽しい時間を過ごすことができます。これは、悪天候による旅行の計画変更や、子供が退屈してしまうことで発生するストレスを軽減する大きな要素です。
 悪天候時に遊べる場所があることで、親も安心して旅を楽しむことができ、旅館の滞在自体が悪天候でも良い思い出となる可能性が高まります。これにより、国立公園の中で宿泊する際の満足度が向上し、「また来たい!」という再訪問の意欲を高める結果につながります。

地域との連携による文化教育の場


 屋内プレイスペースは、単なる遊び場としてだけでなく、地域の文化や自然について学べる教育の場としても活用できます。例えば、扇芳閣のプレイスペースでは、「岩場」をイメージした作りになっています。凹凸のある床は高さがそれぞれ異なり、子供たちは小さな段差を乗り越えることから初め、自分の胸の高さの段差にも自らチャレンジします。活動している様子を見ていると、屋内でありながら、海や川での岩場を登り下りするような動きができます。

 また、プレイスペース横には、海や山に関する絵本を用意しています。これにより、旅館が提供する体験が単なる「宿泊」に留まらず、地域の魅力を伝える「教育的な滞在(ラーニングジャーニー)」へと進化します。



 また、こども食堂を開催し、季節や自然に合わせたワークショップをするなど、地域との連携を深めるイベントを通じて、旅館と地域社会の関係強化にも寄与します。こうした取り組みは、旅館のブランド価値を高めるだけでなく、地域の観光振興にもつながるでしょう。

屋内プレイスペースを作るうえでの配慮

 まず、子供たちが安心して遊べる安全な環境を提供することが不可欠です。木で作られた遊具は全て角がないように丸くし、滑り台の降りたところは柔らかいマットを敷くなど、子供の動きに合わせた安全配慮をしています。
 また、子供たちは年齢や発達段階によって異なるニーズを持っています。屋内プレイスペースは、この多様性に対応できるよう、異なる年齢層向けのゾーンを設けることが求められます。例えば、乳幼児向けには柔らかいマットや簡単な遊具、絵本を用意し、幼児から小学生向けには、より冒険的で創造力を刺激するような遊具を配置します。これにより、すべての子供たちが安全かつ楽しく遊べる環境が整います。


まとめ

 旅館における屋内プレイスペースの設置は、家族連れの顧客にとって大きな魅力となり、お客様の満足度の向上に、大きく寄与すると考えています。悪天候時でも安心して遊べる場所を提供し、地域文化の教育の場としても活用できる点で、旅館の付加価値を高める重要な要素となることがわかりました。
 国立公園の自然豊かな地を活かしたプレイスペースをこれからもより良くしていこうと思います。


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