「世界中の「子育て家族」から最も愛される旅館へ」バックナンバー
私が経営する旅館「扇芳閣」は、「世界中の子育て家族から最も愛される旅館」を目標としています。その中でも、子供も両親も祖父母も喜んでいただける「三世代旅行」についてこれまでお話してきました。今回は、そんな三世代に泊まっていただくお部屋についてお話いたします。
旅先で一番長く滞在する場所は旅先の客室。食事やアクティビティを楽しむことも大事ですが、お部屋でゆっくりリラックスできることも大切ですよね。特に、三世代で1部屋に泊まる場合、それぞれの異なるニーズを満たす必要があります。祖父母世代は孫と会えて嬉しい反面、移動の疲れを癒す時間も欲しいですし、親世代は子供に目を配りながら、義理の両親に気を遣うこともあるかと思います。また、子世代には安全に過ごせる環境でおじいちゃんおばあちゃんとの思い出を作る必要があります。
三世代旅行において、各世代が快適に過ごすためには、適度な距離感が保たれる客室が理想的です。社内での議論の結果、共有のリビングルームを挟んで、独立した寝室を2つ用意することにしました。親子は畳の和室、祖父母は別の洋室で休むことができます。これにより、各世代がプライベートな空間でリラックスできるだけでなく、必要な時にはリビングルームで一緒に過ごすことができます。
客室内には、プライバシーが守られた広いお風呂場では、ゆったりと過ごせるようになっています。また、洗面台は2つ用意し、忙しい朝の準備が各々できるようにしています。これにより、それぞれのプライベートな時間を調整することが容易になります。特に、昼間はみんなでリビングルームで過ごし、夜は各自の部屋で休むというスタイルは、三世代旅行において非常に人気があります。
三世代旅行の魅力の一つは、子供が祖父母と過ごす特別な時間を持つことです。祖父母と過ごすことで、子供たちは家族の歴史や伝統を学ぶ機会を得るだけでなく、絆を深めることができます。子供と祖父母が一緒に過ごせるような工夫を客室に取り入れることを目指しました。
例えば、広い和室には畳のスペースを設けており、そこで子供たちと祖父母が一緒に遊んだり、話をしたりすることができます。また、部屋からは鳥羽の街並みと伊勢湾を眺め、自然を感じながらリラックスした時間を過ごすことができます。さらに、共有のリビングルームには子供用の遊具や絵本も用意しており、祖父母と一緒に楽しむことができるようにしています。祖父母も子供たちの笑顔を見ることで心が温まるでしょう。
特に、子供が寝た後の夜には、大人たちで晩酌をしながら、旅の一日では見られなかった、日頃の子供の成長について話すことができます。このように、子供と祖父母が特別な時間を過ごせるような設計が、三世代旅行の魅力を一層引き立てます。
三世代旅行では、特に小さな子供がいる場合、その安全性は最も重要なポイントの一つです。例えば、角が丸く加工されたテーブルや高さの低いベッドやソファーを使用し、転倒や怪我のリスクを減らしています。また、床には滑りにくい素材を使用し、子供たちが走り回っても安心です。さらに、客室内のコンセントや貴重品を置く場所は、高いところにあり、小さな子供が誤って触れたり、飲み込んだりすることがないように配慮しています。また、浴室やトイレ、出入り口には子供用にダブルロックを設置し、子供たちが勝手に出入りできないよう工夫しています。
こうした安全対策により、両親や祖父母も安心して子供たちを見守ることができ、家族全員がリラックスして過ごせる環境が整っています。
三世代旅行のための客室はいかがでしたか。適度な距離感を保ちながら、子供と祖父母が一緒に過ごす特別な時間を提供すること、そして子供の安全性を確保することをお伝えしました。これらのポイントを押さえた客室を提供することで、各世代全員が快適に過ごせる環境を整えられるのではないでしょうか。
三世代旅行が特別な思い出となるように、これからも工夫を凝らしていきたいと思います。
Copyright (C) 2009 ECO NAVI -EIC NET ECO LIFE-. All rights reserved.