日本でも注目を集めている自転車通勤ですが、欧米ではポピュラーな通勤手段として認識されています。
デンマークはクルマに高い関税をかける代わりに自転車が走りやすい環境を整備してきました。ラッシュアワーにグリーンウェーブというシステムを取り入れ、時速20km/hで走り続けると信号機がずっと青のまま進めるよう工夫しています。
オランダでは、自転車通勤を始めるときに国から749ユーロ(日本円で約80,892円【1】)の購入補助金が出ます。そのうえ、信号待ちの際に倒れないようつかまるバーや、修理用の工具セットが辻々に置かれるという充実ぶり。各オフィスにはシャワーやロッカーの設置が推奨され、それにも国から助成金が出ます。
また、どの国でも標識や信号は誰でもわかるように絵やマークが多用されています。
欧米で自転車通勤がここまで進んでいる理由。各国で背景は異なりますが、共通しているのはCO2の発生を抑えるだけでなく、国民が健康になって医療費の大幅削減が期待できるからです。
もうひとつは渋滞の解消です。クルマで通勤する人が多いと渋滞が頻発し、バスが時刻表通りに運行できず利用者が減り、結果として廃止されると高齢者や障がい者は移動手段を失ってしまいます。
そこでロンドンでは、市内中心部に入るクルマにロードプライシング(通行課税)をして流入量を抑え、バスがスムーズに走れるようバスとタクシー・自転車の共通レーンを設けています。さらにいたるところに監視カメラを設置し、共通レーンに入ってくる違反乗用車の所有者へ自動的に反則金の請求書を送付するしくみを導入して効果を上げています。
イギリスは自転車後進国でしたが、2005年にロンドンで同時テロが起き、時刻表通りに運行しない公共交通機関に嫌気がさした市民は自転車の存在を再認識しました。この点は震災後の日本と似ている部分があります。
そして、ロンドン市長が二代続けて自転車政策をマニフェストに掲げて当選してから、街の景色が一変しました。住宅地と繁華街を結ぶ12本のサイクル・スーパーハイウェイ(自転車専用レーン)が計画され、そのうち3本が既に完成しています。「優遇される」ことがわかり、自転車乗りは急増しています。
ロンドンのツーキニストの多くは蛍光イエローのウィンドブレーカーを着て走ります。格好よりも安全第一の考え方なのです。交差点ではクルマの停止線より前にバイクボックスと呼ばれる停止帯が置かれ、自転車専用信号がクルマ用より先に青に変わって自転車が最初に発進できます。これらのおかげで巻き込み事故は、ほとんど起きていません。
最近では専用レーンを設置するだけでなく、一歩進んでクルマの制限速度を30km/hまで落とす「ゾーン30」を導入しようという話し合いも始まっています。
ロンドンやニューヨーク、パリなどの大都市でツーキニストが急増していると聞くと「海外の都市は道路が広いからだ」と言う人がいますが、実は東京より古くて狭い道路を再配分して使っているケースが多いのです。
お隣の韓国ではイ・ミョンバク大統領が「これからは自転車を積極的に使おう」と宣言してインフラ整備を進めています。昔は「自転車なんて貧者の乗り物だ」と言われたそうですが、2012年4月に仁川?釜山間に702kmもの国土縦断自転車道路が完成しますし、ソウル市内には機械式駐輪場やコミュニティバイク(自転車)が導入され、自転車の乗り方教室も開かれるなど急速に環境が整備されています。うかうかしていると日本は自転車後進国だった韓国にも追い越され、置いていかれます。
世界の都市は自転車を活用しようとしています。今後ますます通勤手段に占める自転車のシェアも大きくなるでしょう。日本でも自転車通勤が当り前になる日を夢見てやみません。
各国それぞれ取り組んでいますね。欧米では鉄道網がある意味貧弱で日本ほど、これでもかといった発達はしていないように思います。馬車=車で発達したので日本とは事情が異なることもあるのでしょう。特にヨーロッパはツールドフランスなどロードレースが長い歴史があり盛んですからすんなりいくんでしょうかね。途中で鉄道もありでしょうが日本も自転車で通勤できるような距離に住みたいものです。
(2012.06.11)
海外の自転車事情がわかり、進んでるな?と感心しました。
(2012.03.06)
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