今年度のはじめ、私は、鳥取環境大学の新しい学科(環境マネジメント学科)の学科長として、新入生を前に挨拶をした。
「環境マネジメント学科へようこそ」からはじまり、ギャグが何度かすべり、なんとか話の締め“私からの皆さんへの希望”までたどりついた。
“皆さんへの希望”では主に2つのことを話した。
ひとつは、「挑戦」であった。
「え?、新しい学科の1期生となる皆さんに送りたい言葉のひとつは、“挑戦”です。もちろん、これまでにも皆さんはさまざまな挑戦をしてきたでしょう。そして成功や失敗を繰り返してきたと思います。その中で、皆さんの中には、無理と思えることにはもう近づくまいと思っている人もいるかもしれません。そういう人も、大学では、ぜひ、もう一度、いろいろなことに挑戦してみてください。そしてどんどん失敗して下さい。大学とはそういうところです。とくに環境マネジメント学科はそうです。一生の宝になります・・・・」等々と、私自身にも言い聞かせるように話した。そんな話をしながら、学生諸君の顔を見ていると「その挑戦の一つとして、自分達で新しいサークルをつくってみるのもいいと思います」という言葉が自然に口をついて出てきた。8年前の大学の開学時から、先輩達がいろいろなサークルを立ち上げ、奮闘しながら活動している姿を目の当たりにしてきた私は、心からそう思ったのである。私が顧問としてかかわってきたサークルの中にも、「ヤギ部」とか「環境部」とか「TUES村(環境大学版ダッシュ村)」等々、ユニークなサークルがある。必ずしも環境問題に直接関係していなくてもいい。面白くて『ため』になるサークルをつくり苦労して運営してほしいと思ったのである。
2つ目はこれ。
「え?、現在、深刻さを増している環境問題に、二十歳前後の4年間を通して向かい続けることに誇りを感じて下さい。そしてその間に、自分自身の“環境学”の原型をつくり、卒業後も、どんな仕事につくかは別にして、ライフワークのひとつとして成長させていってください。」
言うまでもなく環境問題というのは、“自然破壊”から“食糧問題”、“ゴミ問題”・・・等々、さまざまな形であらわれている。それぞれの現象には固有の特性があり、その解決には、“問題発生の原因の解明”から“法の整備”、“よりよい経済システムの確立”・・・等々、さまざまな学問分野の研究・実践が必要である。
一方、環境問題に出会った学生は、これらの多様性に惑わされ、結局、環境問題とはなんなのかわからなくなる場合も多い。そこで必要なのが、環境問題の本質や、その解決に向けた理論的な基盤なのである。それは、理学部でも、法学部でも、経済学部でも教えてくれない。その全体像は、それぞれの学生が自分の体験も踏まえながらつかんでいくものであり、それが“自分の環境学”である。
「では、オマエは立派な“自分の環境学”を持っているのだろうな」って? もちろん私はもっている。でもその“環境学”も成長中である。かなりいい年になった私であるが、“環境学”は、これからも成長させていくライフワークなのである。ちなみに、ここだけの話であるが、今春の健康診断で私は、身長が昨年より2cm伸びていたのである!
私は岡山の県立高校で小林先生に生物を教えていただきました。たった1年間でしたが、先生の自然や動物に対する並々ならぬ愛情が伝わってきました。最近先生に触発され、私も教師として、母として、生き物のことを語りたいと思うようになりました。シマリスとヘビの話をすると、生徒の目が輝いていました。
(2011.02.05)
今月20日に環境大学を卒業した者です。
政策学科でしたが,小林先生には,入学当初から色々とお世話になりました。来月からは兵庫県の大学院で学ぶ事になっていますが,環境大学で学んだ事,そして小林先生に教わった事を生かして,素敵な大学院生活が送れたら幸いです。
(2010.03.29)
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