今年、2009年11月より、家庭に設置した太陽光パネルが発電した電力の余剰分を、従来の約2倍の価格で電力会社に買い取ってもらえる制度が始まりました。
この流れを受けて、我が家でも太陽光パネルを設置する話が持ち上がり、先日、家電量販店の方の説明を受けたのですが…、設置費用を聞いてビックリ!なんと、200万円以上もするのです。この金額を聞いて我が家の太陽光パネルの導入は先送りされることになったのでした…。
このように、家庭に太陽光パネルなどの自然エネルギーを設置するには、まだまだ費用の面などで多少の壁があります。そうは言っても、自然エネルギー設備を導入してエコに暮らしてみたい!と思った時、何かもう少し手軽に出来るよい方法はないのでしょうか。
そのような思いを受け止めてくれるのが、「市民出資」の仕組みによる自然エネルギー事業です。
これは、自然エネルギー設備を設置するための資金を一般の人からの出資で集め、その設備で発電された電気の売電、薪・ペレットの供給やストーブの設置といったサービス料で得た収入を、出資者に配分していく仕組みです。つまり、個人では費用を負担することが困難な自然エネルギー設備の設置を、皆で少しずつお金を出しあって実現し、そこから得られる利益を皆で分け合おうというものなのです。お金を出すだけの寄付とは違い、市民出資は収益をきちんと受けられるのが特徴です。市民による自然エネルギー事業への出資は、1口10万?50万円。各家庭に太陽光パネルを設置しなくても、自然エネルギーの普及・促進に個人が貢献できるのです。
市民出資による自然エネルギー事業の日本第一号は、2001年にNPO法人北海道グリーンファンドが北海道に設置した「はまかぜちゃん」という風車です。その後、日本各地で市民風車の取り組みが広まり、現在ではバイオマス熱利用や太陽光発電などでも同様の取り組みが行われています。
これらは元々デンマークで始まった取り組みで、日本もそれを参考にしています。デンマークでは、地元にある資源は地元に住む人に優先権があるという意識の下、市民が共同出資により自然エネルギー設備を設置し活用してきた歴史があります。日本はまだ制度が十分ではないので100%地元出資というわけにはいきませんが、「市民による出資」の意識は引き継がれているのです。
市民出資には、自然エネルギー事業への貢献だけでなく、様々なメリットがあります。
まず、自らのお金の出資先が明確であり、金融機関や他のエコファンドなどと比べても自分のお金に明確な意思を持たせることができます。また、長野県飯田市で主に太陽光パネルの設置事業を行っている「おひさまエネルギーファンド」の例では、おじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんの名義で出資をするなど、大切な人へのプレゼントとして使われています。同ファンドでは、出資者と現地をつなぐツアーで地域の活性化も行っています。さらに、太陽光パネルが設置してある幼稚園では、園児の環境教育に太陽光パネルが活用されています。自然エネルギー普及への貢献はもちろんのこと、大切な人のため、地域のため、そして地球の未来のために、あなたも一口参加してみませんか?詳しくは、関連リンクをご覧ください!
(環境エネルギー政策研究所 インターン 仁平裕之)
新年度鳩山政権下で太陽光発電の助成金を長い期間して貰える様にお願いしたい。
(2010.01.04)
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