突然ですが、みなさんはどこにお住まいですか? 今回このコラムを担当している私、山下は大阪で生まれ、京都で大学生活を送り、今は東京で働いています。こうした市街地では、自然エネルギーはあまり活用されないというイメージはありませんか? 実はこうした都市でも自然エネルギーを活用している地域は世界中にたくさんあり、東京もそのうちのひとつなのです。
東京都は2020年にCO2を25%削減(2000年比)し、利用するエネルギーの20%を自然エネルギーにするという目標を定めています。東京以外でも都市は膨大なエネルギーを使っています。一方、そうした都市の内部で作り出せる自然エネルギーの量は限りがあります。 そこで、例えば電気に関しては、自然エネルギーからの電気を選んで購入することによって日本全体の自然エネルギー普及に貢献することができます。すでに東京都庁舎などでは使用する電気の5%を自然エネルギーで賄っています(グリーン電力証書という仕組みです。詳しくは次回以降ご紹介します)。
そして2009年度から東京都は、太陽光発電と太陽熱利用を大幅に増やしていく「100万kW太陽エネルギー利用拡大」プロジェクトを進めています。特に2009年と2010年には、太陽エネルギーを4万件相当に導入するべく、さまざまな補助制度や情報提供を行っています。太陽光発電では、国の補助制度も復活しており、区市町村の補助がある地域もありますので、条件が合えば三段階の補助となります。太陽熱に関しても、補助を行っています。
詳しい補助制度は東京都地球温暖化防止活動推進センターのウェブサイトへ
前回ご紹介したように、戸建住宅ではこうした自然エネルギーと、しっかりとした断熱・気密、パッシブソーラーなどを組み合わせることで快適で質の高い暮らしを送ることにつながります。
集合住宅向けには、東京ガスがベランダに設置する太陽熱システムを開発しました。今後こうした自然エネルギー付きの集合住宅が日本でも増えることが期待されます。
こうした取り組みが広がれば、東京や他の都市でも戸建、集合住宅を問わず太陽光や太陽熱が当たり前に取り付けられ、少しずつ街並みが変わっていくはずです。
太陽の国、スペインでは建物を新築・改築するときには基本的に太陽熱温水システムをつけることが義務付けられています。今後数十年をかけて、スペインでは太陽熱がどんどんと増えていくでしょう。
今回ご紹介したような太陽光・太陽熱の導入を検討できる方はぜひ補助制度のウェブサイトをご覧ください。
では私を含め、当面そうした検討ができない方は、何ができるでしょうか? そこで、次回以降は、市民出資やグリーン電力証書について紹介していきます。
(環境エネルギー政策研究所 主任研究員 山下紀明)
言われる事は最もですが、太陽光発電にも問題があります。目の前だけの事ではなく、壊れた時や廃棄にする時を考えていないのでは無いかい。ゴミを増やしてどうするんだい?
(2015.12.14)
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